明日を知らないアネモネ





 同棲している恋人を殺してしまった−−。

 日頃から暴力が絶えない人だった。今日も暴力を振るわれて、その行為が落ち着くと彼は床に胡座をかいて火を点けた。その後ろ姿を見て、同時に視界に入り込んだ飲みかけのビール瓶が目に付くと私は咄嗟にそれを手にして彼の頭を打ち付けた。
 頭から大量の血を流し始めて、目の前で私の名前を呼びながら低く唸る声を聞きながら床に広がっていく血の海に呆然とすることしかできなかった私は、男が苦しみながら死んでいく姿を見ていることしかできなかった。

「紳太郎のこと、殺しちゃったの、たすけて」

 放心状態のままその姿を見ていたけれど、無意識に誰かに助けを求めようとした。求めた相手は大学の同期であり、サークルも一緒だった仲の良かった人だった。

 電話先の彼は、連絡を受けるとすぐにマンションに駆け込んできた。現場を見て唖然としながら、この人が死ぬまで暴力を振るわれ続けていた私の痕を見るなり、彼のことよりも私のことを真っ先に心配してくれたことに、恐怖と安堵が混じった涙がこぼれ落ちた。

「大丈夫だ、何も心配いらない。 俺がやったことにすればいい」

 顔を上げた先で、二階堂大和は真っ直ぐな目を向けて私に言った。彼を殺したのは他でもない私だというのに、彼は自分がしたことにすればいいと言って、キッチンに置いてあったタオルで割れたガラス瓶の口を拭きながら証拠隠滅を図る。その姿を見ながら、私はなんで、どうして−−とそう思うことくらいしかできない。

「はーい! カットー!」

 演じる主人公の心理を極限まで感情移入できたところで、スタッフ声がスタジオに響いた。今まで数えきれないほどこの場面に出会してきたけれど、カットの声が掛かるとはぁっと溜息を零してしまうのは私だけでなく大和くんも同じらしい。

「いいねぇ、文句無しだよーー。 流石、人気女優と話題の演技派アイドルだ!」
「ありがとうございます」

 ごく普通のサラリーマンをしていた菅沼徹平(すがぬまてっぺい)の元に、大学時代の同級生だった上畑友里惠(うえはたゆりえ)から恋人である河合紳太郎(かわいしんたろう)を殺してしまったという一本の電話が入った−−。

 ……というのが、今回私がヒロイン役として抜擢されたドラマの内容だった。私が演じる上畑友里惠と二階堂大和演じる菅沼徹平の『秘密』をテーマにした純愛ミステリー寄りの話で、ラブシーンもワンシーンほどあるらしい。

 この話が私の元に入った時は共演する主役が未定だったため、特に気に留めることもなくスケジュールも空いていたのでやりますと返事をしたのだけれど、ラブシーンも含まれる相手役があの二階堂大和くんであると最初からわかっていたらこの話はなかったことにしていたのに。

「まーた俺、こんな犯人役みたいなのに抜擢されたんですけど、どう思います?」
「犯人役は演技の上手さで選ばれるって言うでしょ」
「さすがなまえさん、フォロー上手いですね。 まぁ、今回は人は殺さないみたいですけど」

 へらりとニヒルな笑みを浮かべている大和くんの姿はついさっきまで演技をしていた一人の青年の姿とは全く違っていて、これを大和くんの前で口にするのはタブーなのだけれど、さすが千葉志津雄の息子だなぁと思ってしまった。




 16歳の頃、原宿で買い物をしていたら芸能事務所の人間にスカウトされた。芸能界というのに憧れがなかったわけではないけれど、声をかけてきた人が女の人だから「親に聞いてみます」と名刺を受け取って連絡先を教えたけれど、彼女は私のどこを気に入ってくれたのかこちらから連絡する前に連絡を寄越してきた。うちは普通の家だから、両親は「娘が芸能人になるかもしれない!」とノリノリで、私の返事を聞かないまま二つ返事でスカウトの話を受け入れた、だから私は芸能人になった。街でスカウトされたこととスカウト=モデル業だと思っていた私だったけれど、私がスカウトされた先の仕事は女優業だった。

「うちの事務所は小さいけれど、事務所とタレントの間柄は密だから」

 と、スカウトされた時に言われた言葉通り、私をスカウトしてくれた事務所は小さくて無名状態でのデビューだったけれど、それなりによく耳にする有名な事務所やあの星影事務所との関係も密で、右も左もわからない状態だったというのにテレビで引っ張りだこの俳優と交流することができていた。中でも、ハリウッド映画に出演するほど日本を代表している役者の千葉志津雄さんとも交流することができたことには驚きだった。
 どうやら所属事務所の社長は千葉志津雄さんの元でお世話になって独立した経緯があるらしい。その伝で、まだ入りたてだった私も志津雄さんの別邸の集会所に招かれるようになった。私のことを「この子は将来有望な役者だ」といつの間にかそんなことを思ってくれていた社長と、スカウトしてくれた高橋さんという女性がみんなにお披露目してくれたことはよく覚えている。

 私が初めて足を運んだその日、この家で暮らしていてみんなに可愛がられているらしい一人の男の子に会ったのだけれど、それが二階堂大和くんだった。志津雄さんの別邸だというのにこの家には『二階堂』という苗字が掲げられていて、大和くんはそこの家の愛息子のようだった。今になって考えてみればそれはおかしなことのはずなのに、当時の私はそういうことがわからないでいて、おまけに小学生だった大和くんはすごく生意気だったということが強すぎてそんなことを考える暇なんてなかった。

 愛息子の大和くんは集会所になっている家に人が集まると自分の部屋に篭ってしまうらしく、最初は名前くらいしか知らなかったのだけれど、数時間後、飽きてきたので遊んできてもいいよと大人達に言われたことを受けて広い敷地内を一人で散歩しにいってみたら、噂に聞いていた大和くんが姿を現した。

「ねぇ、お姉さん。アレ、とってきてよ」

 と、初対面というのに庭に生っている太い木の幹にへばりついているカブトムシを指差しながら、私のことを小馬鹿にする態度で大和くんは私に言ってきた。虫は苦手だからと一度断ると、自分はこの家の子供だぞと脅されたので泣く泣く採るはめになった、それも素手でだ。

「……はい、どうぞ」
「はは、本当に採るとは思わなかった」
「は?」

 大和くんはケラケラ笑っていた。口を閉じることも忘れるほど嫌いな虫を掴まされて硬直していると、大和くんはそのまま走り去って行って、一人残された私は一体何が起こっているのかしばらくの間は理解できなかった。

 それから志津雄さんの別邸に行くたびに、大和くんは部屋の中から私のことを見ているのか、私が一人になった隙に走ってきてはそういう類の嫌がらせをしてくるようになった。米と籠を見せてきて「これを使ってスズメを捕まえてみせろ」だとか「ここにはミミズの巣があるみたいだから土を掘ってみろ」だとかそういうことばかりだったけど、やがて子供らしい悪戯だなと思えるようになるとハイハイと大和くんの言うことを大人しく聞けるようになったし、嫌いだった虫も嫌でも触らせられたので克服することもできた。
 ただ、それに慣れた頃に「なまえさんにプレゼントがあるんだけど」と言われて、珍しいなと思いながら受け取ったら缶にはゴディバのロゴマークが貼られてあって、嬉しさのあまりドキドキしながら蓋を開けてみたら蝉の抜け殻が詰まっていたことはトラウマだ、蝉の抜け殻と高級ブランドの文字と菓子缶を開けるたびにその時の光景が鮮明に蘇るくらいに。


 大和くんが志津雄さんの実子ということを知ったのは、集会所に足を踏み入れるようになって、大和くんの悪戯を受けながらその悪戯と大和くんに慣れてくるようになった頃だった。
 志津雄さんは私が大和くんと仲良くしていることを知ると(私が一方的に絡まれていただけなんだけど)千葉志津雄主演ドラマにコネクションを通じて出演した時の現場で志津雄さんに携帯を見せられた。それは赤ん坊の頃から幼少期を経て当時に至るまで『大和』というフォルダの中に収められた大和くんの写真で、志津雄さんは大和くんを心の底から愛して可愛がっているのだということがわかったのだけれど、写真の中の大和くんはある時期を境に笑った顔が途絶えていることに気付いてしまった。思わずそのことに触れてしまいそうになったけれど、私に写真を見せながら、懐かしむような表情を浮かべて私と一緒に写真を追っている志津雄さんの横顔を見たら、それを口にすることなんてできなかった。

 ……という話を、それがあった日に両親に話してしまった。誰にも口止めされず本当に訳ありの家庭だと知らなかった私は、千葉志津雄さんの息子さんが−−という話をしてしまうと両親は驚いていたし、何を言っているんだとまで言われた。千葉志津雄さんは大物女優の朝宮巴さんと結婚していて、この二人はおしどり夫婦で有名だし二人の間に子供はいないのだと、言われたのだけれど。私は何を履き違えていたのか、公にはされていない二人の子供で、何の事情か二階堂家でお世話になっているのだと思っていたのだ。本名非公開の朝宮巴さんの実家だとか、そういう。
 だけれど私の考えを覆されたのは後日、私のマネージャーを務めている高橋さんにやんわりと大和くんの話を持ち出した時のことだった。大和くんは志津雄さんの愛人の息子で、私達が集会していた場所は志津雄さんの愛人の家だった衝撃は簡単には忘れられない。

 そうすると、闇深すぎる大人の事情を全く考えていなかった私でも糸をたぐるように志津雄さんに見せられた大和くんの写真を思い出して、途中から笑顔が消えた理由を感じ取ることができてしまった。この頃から私は、大和くんと仲良くしようと思った。




「−−はい、どうぞ」

 VTRチェック後の休憩時間で配られた、お茶ではないミルクティーが目の前にちらついて読んでいた台本をぱたんと閉じた。見上げた先には大和くんがいて、その手には視界に入り込んだミルクティーがある。それはつまり、大和くんがどこからか買ってきてくれたもので私は「ありがとう」とミルクティーを受け取った。いつの日か悪戯を止めた大和くんは、コーヒーやカフェオレが飲めない私に気を利かせてくれるようになっていた。それはいつからだったのか、10年前に出会っておよそ6年間の月日を大和くんと過ごしていたけれどよく思い出せない。でも、彼が芸能界に入って再会を果たした頃にはあの悪戯坊主の面影にはどこにもなかったことは確かだ。

「大和くんと会うのは久しぶりだよね」
「俺はなまえさんのことテレビでよく見てるから、全然久しぶりって感じはしないんですけど」
「それを言うなら私だってそうだよ。レギュラー番組とか歌番組とかでよく見てるし」
「じゃあ、話すのは久しぶりってことで」

 大和くんと最後に会ったのは2ヶ月前だから、一応久しぶりではある。高校を卒業してからあの家を出て行った大和くんとは4年間会うことも話すこともなかったけれど、あの空白に比べてしまえばそうでもないのだけれど、距離が開いていた分、たった2ヶ月だけでも大きいものにすら思えた。

 大和くんと仲良くしようと思い始めたあの時期から、悪戯の合間に他愛のない話を繰り返しているうちに大和くんは心を開いてくれたのか、悪戯をしながらも私の話に付き合ってくれるようになった。「あんたも、俺があいつの愛人の子供だってこと知ってんの?」と言われた時はめちゃくちゃ吃驚したけれど、最近知ったということを正直に告げてしまえば鼻で笑われた。まだ小学生だというのに業界人を馬鹿にするような態度を幼いその頃からしていた大和くんに、志津雄さんが嫌いってことも早く家を出たいってことも零されるようになって、こんなことを誰かに話したら海に沈めてやると口止めされていたことに軽い恐怖を感じていた。

 まぁそんなこともあったけど、大和くんは高校を卒業すると国立の大学に進学して家を出て一人暮らしを始めてしまって、あの家に帰ることも顔を見せることもなくなった。余程あの家を嫌っていたのか学費も自分で奨学金を借りて生活費もバイトを掛け持ちして自分で払って生活しているのだと人伝に聞いてはいたけれど、連絡先を交換していなかったから詳しいことはわからず、正直生きてるのか死んでるのかもわからなかったけど、1年ほど前に突如デビューしたアイドルグループのメンバーにいたことに椅子から転げ落ちるくらいには吃驚した。
 家も芸能界も嫌いだって言ってたのに、何を血迷って自らこの業界に身を沈めようとしているのだろう−−久しぶりにテレビ越しに見た大和くんを見て最初に思い浮かんだ感想だった。周りの人がいつ大和くんが自ら千葉志津雄の息子であることやタブー領域の芸能界の話題を暴露されるのかとヒヤヒヤしていたようだったけど、疎い私は何も気付かなかった。

「次のシーンの予習ですか? 真面目ですね」
「今までいろんな役柄演じてきたけど、こういう役ってあんまり慣れないから」
「なまえさんとは正反対の役柄ですもんね」
「大和くんの方は? 他人の罪を被るなんて、したことないからわからないでしょ」
「そんなこと言ったら、殺人犯とか演じれないでしょ」
「……まぁ、それもそうだけど」

 高校生、教師、人妻、不倫相手、時代劇、CG合成を使ったSFキャラクターまで、私は長いこと芸能界にいたから今までいろんな役柄を演じてきたけれど、直接的に人を殺してしまう役を演じることは初めてだった。サスペンスもので犯人の身内役をしたことは何度かあったけれど、当の私が犯人となることは、殺人という分野に興味すら示せないでいた私にとってこの役柄は難しいの一言に尽きる。

「こういう役、息が詰まりそう。 大和くんはそういうのないの?」
「ありますよ、Missionの役とかわけわかんなくて参考書や資料を読み漁ったりしてました。 だけど最近は、千さんならどうするのかなって考えるようにしてます」
「え、千とは仲良くしてるんだ?」
「なんかあの人、ウザイくらい俺に付きまとってきて……いろいろあったし、世話になったのも事実だし、身近な人じゃ実力もあるから本当に参考程度なんですけど」

 Re:valeの千とは志津雄さんの集会所で知り合ったから私と大和くんの共通の知り合いだ。女の私ですら見とれてしまうほどの美貌を持っていて、立っているだけで絵になる人で、志津雄さんに一目で気に入られたのかRe:valeというアイドルグループが全く売れていない頃からあの場所にいた。同い年で同世代の人間が一人もいなかったから比較的よく話すような仲だ。
 千がそれを希望したのか、はたまた私が女だったからそういうことをされないだけだったのかもしれないけれどパシリによく使われてた姿をよく見ていて、大和くんにはお正月にいろんな人から貰った十数万のお年玉を手渡されていて悪いことをさせられようとしている姿を見たことがあったけれど、千はそのお金を悪びれる様子もなく自分のものにしたから、彼は大分ぶっ飛んだ頭をしている。

「まぁ俺、こういう気持ちわかるんで」

 長いこと一緒に時間を過ごしていたのに、空白の時間が存在していて今日会うのも久しぶりとなってしまえば思い出に浸ってしまうものだ。大和くんが、突然そのようなことを口にすると私は現実に引っ張り出されて一瞬何の話をされているのかわからなかった。
 え?と首を傾げてみせると、大和くんは台本をチラつかせてこっちの話だと丁寧に教えてくれた。ああそっちの話かと思ったのも束の間、こういう気持ちがわかる?と頭にクエスチョンマークを浮かべてしまって、つい疑問口調になってしまった。

「好きな人の罪をかぶること?」
「そんな感じです。 好きな人になんかあったら、身代わりになってもいいかなって思っちゃうあたり、わからなくもないですね」
「それ、私だったら思わないでしょ」

 本音が出てしまったけれど、大和くんはははっと一つ笑った。

「昔のこと、まだ根に持ってるんですか」
「大和くん大人しくなったから、昔に比べたらなんだこいつって思うことはなくなったけど」
「なんだこいつって思ってたのか……まぁ、当たり前か」
「あの蝉の抜け殻が詰められた缶は一生忘れることはないと思うし、トラウマだよ」
「あん時の俺、本当に餓鬼だったし、親父のこと恨んでても恨みきれなかったから寂しかったんですよ。だから純粋な気持ちで相手してくれるなまえさんと一緒に過ごしてるのが楽しかったし、酷い悪戯しても変わらず相手してくれるなまえさんが好きだった」
「なんで好きなのに悪戯仕掛けてくるかなぁ」
「好きな子ほど苛めたくなるって言うでしょ」

 プシュっと缶の蓋が開く音が聞こえて大和くんの手元を見入る。大和くんの手には現場で配られたお茶が握られてあって、思わず私は自分の手元にあるミルクティーの缶を二度見してしまった。

「え? なんでお茶飲んでるの?」
「なんでって、喉が渇いたんですよ」
「いや、そうじゃなくて。 それ、配られたお茶だよね?」
「そうですけど?」
「え? ミルクティー買ってきてくれたんだよね?」
「まぁ、はい」
「大和くんの分は?」
「俺はこれがあるから別に」

 ごくごくと音を立てながら大和くんはお茶を喉に通した。あの悪戯っ子だった大和くんが、私が飲めないコーヒーやカフェオレではなくミルクティーを選んでくれて、自分は必要としていないのにわざわざ私のために買ってきてくれたのか……と思うと、あの大和くんが本当に私に気を利かせてくれたのだと感激してしまいそうになった。

「っていうか、さり気ない俺の告白、スルーするとか相変わらずですね」
「え? 私なんかスルーした?」
「しましたよ。 好きだったっていう話」
「だって、過去の話でしょ」
「そうなんですけど。 はは、そういう天然っぷりは変わんないですよ」

 もっとはっきり言わないとわかんないのか……と大和くんが呟いたことを、私は聞き取れなかった。

「今だって、なまえさんのこと好きですよ。 あんたがもし誰かを殺したとしても、俺が身代わりになってやるくらいには。 まぁ、そんくらい、あんたのこと好きなんですよ」

 −−あれ? もしかして私、告白されてる? と、口にしたかったけれど喉の奥で言葉が詰まって出てこなかった。
 演じている役柄のことを持ち出されて、さっきまで必死に役に感情移入させて演じていたというのに、まだ始まったばかりの撮影でとんだ爆弾を落とされてしまっては私はこれからどうやって役を演じたらいいのだ。頭がショートして大和くんの告白とお芝居の内容がごちゃごちゃになってミルクティーの缶を落としてしまった。

 「ああ、何やっているんですか」と落としてしまった缶を拾い上げる大和くんの後ろからディレクターの本番撮影開始の合図が聞こえる。「わかりました」と言った後に、またあの真っ直ぐな眼差しを向けられて「行きましょう」と言った大和くんに、私は一体どういう気持ちで役を演じきれば良いのだと、到底悪戯とは思えない大和くんの姿に息を飲み込んだ。

 これから大和くんとはラブシーンだってあるというのに、先のことばかりを考えていた私は何度もテイクを取り直す羽目になってしまったし、その横で悪戯を仕掛けたようにヘラヘラ笑っている大和くんを見て、大和くんだって相変わらずじゃないかと、監督達に頭を下げながら何度も思った。








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