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 これの続き




 今日は午前中に元エイリア学園たちとの練習試合があって午後はそのまま合同練習。いつも土曜日はこんな感じだけど今日ばかりは気合いが入る。
 何故ってそれは姉さんが一日中僕を見に来てくれるからさ。姉さんに見られると思うとGPもTPも常に全快ってものだよね。
 グラウンドに二チームが集まってさあ試合を始めようという時なのに姉さんはまだ来ていない。みんな僕の姉さんが来ると知っているから何かあったのかと心配された。

「大丈夫。多分ただの寝坊だと思うから」

 と言ったところでけたたましい馬の鳴き声が聞こえてきた。どんどんと近づいてくるそれに全員が耳を傾けていると校門から一台のバイクが入ってきた。
 真っ黒いバイクとライダースーツに特徴的なヘルメット。それは誰もが知っている池袋の都市伝説の首無しライダーだった。首無しライダーは僕たちのいるフィールドの手前で停まる。
 なんで池袋の都市伝説がここに、とその場にいるみんなが思っていると首無しライダーの背後から黒いヘルメットを被った人が降りてきた。あのボーダーの服は。

「姉さん!」
「うえええっ!」
「マックスの姉ちゃん!?」

 みんなの驚愕の声が響く中姉さんがゆっくりとヘルメットを取れば整った顔と僕と似た帽子が露わになりみんなはさらに驚いた。
 僕らのことなんてお構いなしに姉さんは首無しライダーと少し会話をして、都市伝説は帰って行った。帰る前にちらりと僕らの方を見た気がした。

「誰かこの荷物持ってー」

 風呂敷に包まれた大きな荷物を抱えた姉さんがフィールドに足を踏み入れる頃にはみんな姉さんの周りに集まって我先にと荷物の奪い合いと質問攻めをしていた。
 あの首無しライダーと親しげだったんだ。そりゃみんなが興味湧くのも無理ないね、それに姉さん美人だもん。

「姉さん来てくれたんだね。っていうかさっきの首無しライダーだよね?」
「うん、さっきのは友達。ちなみにお弁当作ってて遅くなったから送ってもらったの」

 人混みをかき分けて姉さんに抱き付けばしっかりと抱き留めてくれる。半田は僕のシスコンぶりを知っているからあんまりリアクションしてないけど他のみんなはアホ面で面白い。
 っていうかあの大荷物はお弁当だったのか。そして首無しライダーと友達とは、我が姉ながら人脈はロシアより広い。
 みんなの分もあるのよ、姉さんの言葉にみんな大喜び。そして名残惜しくも下ろされた僕は振り返りみんなに姉を紹介した。

「この美人は僕の姉さんだよ」
「空介の姉の名前です。いつも弟がお世話になってます」
「俺はサッカー部キャプテンの円堂守っていいます!」
「俺は今日雷門と合同練習するエイリア学園サッカー部のキャプテン、基山ヒロトです」

 もうそこからは自己紹介合戦で自分の良いところをアピールしまくっていた。流石に全員覚えるのは難しいと思っていたが姉さんは持ち前の器用さを発揮しほぼ全員の名前を覚えたのだった。

「君はえーっと、半端くん?」
「半田です!」

 ボーダーキャットと愉快なサッカー少年たち



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