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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「名前くん見て見て、雪だよ!」
「あんまりはしゃぐと転ぶぞー」

 しんしんと降り積もる雪に興奮を隠せない紺子を至極穏やかな微笑みで見詰めている名前
 あまりに激しく駆け回るので滑り転ばぬか不安になりつつも恋人の嬉々とした表情に口元が緩むのを隠せずにいた
 まだ誰にも汚されていない雪面を踏み歩く紺子はジャージと藁帽子のみで見るからに寒そうだ、名前が防寒を進めるも大丈夫の一点張り、それも彼の不安要素の一つである
 彼女を追うように歩く名前はジャージという見るからに寒そうな格好にマフラーとイヤーマフをしている、彼女に比べれば暖かくはあるが些か不安である

「名前くん早く早く!……うあっ!」
「紺子っ!」

 名前を呼ぶため紺子がくるりと踵を返した刹那、不安が的中したように雪に足を滑らせその場に尻餅をついた
 それを見た名前は持ち前の素早さで彼女の元まで駆けてゆき抱き上げる、すると紺子は大げさだよと頬を染めた

「大袈裟じゃないよ、紺子が怪我したら俺はどうにかなっちゃいそうだよ」
「えっ、名前くんどうにかなっちゃうの!?」
「うん」

 はわわ、今度からは気をつけるね、と冗談なのか真剣なのかよく分からない言葉に血の気を引いたが彼がゆっくりと微笑むのを見て胸をなで下ろした

 そしてまじまじと周りを見渡した紺子はその瞳に映る世界に息を飲んだ
 名前に抱き上げられることにより幾分か高くなった視界にはいつもとは違う景色が広がっており爛々と瞳を輝かせる
 自分の腕の中で一面の銀世界を堪能する紺子が不意にくしゃみをするものだから、名残惜しくも彼女の足を地に着ける

「名前くん、どうしたの?」
「紺子、これ着けて」
「えっ、でも名前くんが寒いよ!」
「いいから」

 ほとんど名前が押し勝つ形で防寒具を紺子に装着させ満足そうに笑う彼を見て、彼女もまた笑みを零した

「えへへ、名前くんの匂いがする」


白い恋人たち




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