「蔵ノ介可愛い」 蔵ノ介と私は今同じ衣装に包まれている、黒を基調としたフリルがいっぱい付いたスカートにそれとセットになっていた上 頭にはふりふりのヘッドドレス、メイクは服装に合わせて少し濃いめ、ただ違うのはブーツの高さだけ、私は蔵ノ介より幾分か身長が足りないので同じブーツでもヒールの高いものを履いている 今の蔵ノ介と私は髪の毛以外全く一緒、所謂双子ファッションというやつだった 「ちょお名前、」 「ああ、この格好の時はクーちゃんだったね」 ごめんね、と笑えば蔵ノ介は顔を赤くして俯いてしまった、といっても 今は喫茶店で、この前ネットで購入したゴスロリ服を蔵ノ介と仲良く着用しているのだ、蔵ノ介は若干抵抗していたが蔵ノ介のすべてを知る私にとったら蔵ノ介を大人しくさせるくらい赤子の手を捻るも同然 あれよあれよという間に蔵ノ介を着替えさせメイクを施してしまえばこっちのもの、そのまま手をひっぱり電車に乗って少し遠くまで来てしまった 来た場所は私たちと同じファッションをしている子が結構いる場所なのだが私たち、というよる蔵ノ介は可愛いから色んな人にじろじろ見られていた それが恥ずかしいのか蔵ノ介が私に隠れてしまうのでとりあえず喫茶店に入って向かい合わせに座ったというわけです 「クーちゃん何食べる?」 「……パフェ」 「おっけー」 店員さんを呼んで蔵ノ介のパフェと私の珈琲を注文する、その間も蔵ノ介は俯いたまま 「どうしたの?」 「めっちゃ恥ずかしい」 「恥ずかしがることないよ、クーちゃん超可愛いし」 「俺でかいし無駄に目立っとった、うぅ……」 「クーちゃん顔上げて」 「なん……んっ!」 蔵ノ介が顔を上げたところで両手で頬を包んで口づける、周りから声が上がる、そりゃそうか、今の私たちは女の子同士でキスをしているんだから 同じ色の口紅が何度も角度を変えながら重なり、お互いの息も上がってくる 「ぷはっ、な、何すんねん!」 「クーちゃん顔真っ赤、やっぱり可愛いや」 キスに夢中になっていて気づかなかったがテーブルの端には注文したパフェと珈琲が置いてあった まとめて注文したにも関わらずパフェがちゃんと蔵ノ介の方にあるところを見ると、運んできた店員さんもパフェを食べる可愛い子は蔵ノ介だと言っているも同然だ、つまりやっぱり蔵ノ介は可愛いということ あ、でも蔵ノ介が可愛いって知ってるのは私だけでいいかも ゴスロリキッス |