×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

「初音ミクやろjk」
「はあ? 鏡音リンちゃん一択に決まっとるやろ」

 彼女の名前さんとボカロ話で盛り上がっていた時に、どの子が一番可愛いか、の話になっていた
 俺はもちろんミクを推したが名前さんはリン一択らしくなかなか引く気配がない
 名前さんはとうとう双子の神秘について語り始めた、正直ミク厨の俺には馬の耳に念仏や
 ちなみに今日は日曜日で部活はなし、俺の部屋で俺はパソコンいじってて、名前さんは俺のベッドに座って澪の抱き枕を抱えている

「おいミク厨聞いとるんか!」
「いえ、全く聞いてません」
「うっぜ」

 まったく聞く気のない態度の俺に諦めたのか飽きたのかはわからないが名前さんは溜め息を吐くと立ち上がり本棚から漫画を物色し始めた
 俺は好きなPのミク新曲が出ていたのでヘッドホンを装着して聞き入る体制に入った、はよローディング終われ

「ねぇ光、生徒会役員共の新刊は?」
「あ、まだ買ってないっすわ」
「……まじありえへん、今すぐ買うてこいし!」
「嫌っすわ、それに自分は荒川の新刊買ったんすか?」
「もちろん発売日に買ったったわ!」

 自信満々に言うた名前さんはおもむろに漫画を手に取り、ベッドに戻り読み始めた、あ、みなみけや
 俺は動画のローディングが終わったから再生ボタンをクリックする、このイントロええなぁ、神曲の予感

 新曲をループ再生して五回目のあたりで背中に重みを感じた、首だけで後ろを確認したら名前さんが抱きついていて、PCを覗いていた
 俺が名前さんを見ていたら名前さんは俺からヘッドホンを奪い取り自分に装着する、ふんふんと頷いている

「どうっすか?」
「まあ、ええんやないの?」
「せやろ」
「どや顔むかつくんやけど」

 俺んヘッドホンをしたままの名前さんは俺の肩に顎を乗せたままパソコンをいじりだした、俺はただただ見とるだけ
 ランキングを眺めながら何かを探しとる名前さん、大方鏡音の曲やろう
 予想は的中やった、サムネイルのメイドリンを見つけるやいなやすごい勢いでクリックした、さすがリン厨やな
 半分までローディングが終わったところで再生ボタンを押した、軽快なイントロがヘッドホンから漏れてくる、あ、良さそうな曲やな

「やっぱりリンちゃんこそ至高……!」
「はっ、ミクに決まっとる」
「自分、ほんま可愛げないな」
「名前さんより可愛げありますわ」
「うざ」

 これだからミク厨は、やっぱりリンちゃんやろー、などと言うとる名前さんに俺も対抗してリン厨は幼稚やから困るわー、と言うといた
 名前さんは俺の言葉を聞いとらんのか聞き流したのか、ヘッドホンから流れる音に気を戻しとった、つまらへん
 じっと名前さんを見つめとったら視線に気づいたんか名前さんの頬がかすかに赤なった、めっさかわええ
 それから何かを言いたそうに口を開く、なんやろ

「名前さん?」
「……まぁ、」
「ん?」
「ま、マトリョシカの中毒性は認めざるをえへんがな」
「……俺も、まあ、パンツ脱げるもんは即マイリス行きやったっすけど」


なんやかんや仲直り




戻る