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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -

「おかえりー」
「…ただいま」

 部活を終えたリョーマが家に帰ると、縁側から父親の声がした
 リョーマが返事をすると、その声に妹の名前は反応する

「お兄ちゃんおかえりなさい!」
「名前、ただいま」

 身長の低いリョーマは自分よりも更に小さい妹を抱き上げると優しく微笑んだ
 父親は名前が自分の元から離れてしまったことを悔やみ、リョーマを軽く睨む
 しかし本人はそんな事も気にせず、妹を抱いたまま自室へと向かう

「お兄ちゃん、今日もぶかつだったの?」
「そうだけど…?」
「じゃあ、つかれてるの?」
「結構疲れた…けど、名前の顔見たら疲れとんだ」

 今日の部活はいつも以上に疲れていたが、可愛い名前を見たら当然疲れなんてものは飛んでいった

「ほんと? 名前うれしい!」
「……ねえ、名前」
「? なに?」
「俺のこと、好き?」
「大好きだよ!」

 リョーマは嬉しかった、即答してくれたこと、両思いだったこと
 たとえ兄妹だとしても嬉しかった

「そうだ!」
「?」
「あのね、お兄ちゃん、お勉強教えて?」

 名前は首を傾けてリョーマを見つめる
 抱き上げられているが上目遣いになっている名前にリョーマは頬を赤らめた

「っ!…いいよ、もっておいで」
「はーい!」

 リョーマが名前を降ろすと、自分の部屋まで走って行った
 自室のベッドに体を預け、左腕を目を覆うように載せる

「やばいでしょ、可愛すぎ…」


僕の世界が妹に支配されていることに気付いたのはいつのことだったか




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