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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -

 静かな時間
 木更津淳にとってそれは彼女の名前と、誰もいない屋上の隅で授業をサボってるこの時間
 授業をサボるななどの言葉は、今の彼らに聞かせても無駄だろう

「ねぇ、淳…聞きたいことがあるの」

 さきほどまで淳の肩に寄りかかって寝ていた名前が起きた第一声がそれだった
 しかも、名前はいつもより真剣な顔していた
 気になった淳は名前を見つめる

「どうしたの、名前……?」
「部活の時、手袋付けてるでしょ?」
「そうだね」
「あれ、いつまで付ける気なの?」

 真剣な表情で聞きたいことはそんなことか、と淳は少々肩を落とす
 テニスをする時は必ず付けてる手袋

 淳と名前がまだ六角にいた時に、名前が淳と亮にプレゼントしたものだ
 たぶん、亮もまだ持っているだろう

「テニス辞めるまで、かな」
「……最低でも高校上がっての3年間はやるでしょ?」
「そうだね、クスクス……」
「っていうかさ、何で付けてんの? 私がプレゼントしといて何だけど」

 何で付けてるか?
 淳にとって理由は1つしかない

「名前がくれたからだよ」
「私が、あげたから……?」
「他の子から貰ってたら付けないもん」

 そう耳元で囁いてやると、名前は頬を赤く染める
 そして、

「ありがとう」

 そう言って名前はまた淳の肩に頭をおいて再び瞼を閉じた


(あれ、寝たの?)



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