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 テニスコートと校舎の間に、紅茶を飲むのに最適なテーブルがいくつか置いてある芝生がある
 生徒たちはそこを『中庭』と呼んでいる
 そこにお気に入りのティーセットを持ち込み、
 優雅なティータイムを過ごす

 それが僕の日課です

「んふっ…今日も天気が良いですね」

 五月蝿く騒ぐ赤澤達がいないので、静かに紅茶を楽しめます
 今日の気分はダージリンです
 紅茶に口を付けようとした瞬間、

「んー、いい香り!」

 木が揺れたと思ったら、突然木から少女が降りてきました
 制服はこの学校ですが、ネクタイは付けていないので学年は分からない…
 けど、見た目からして僕と同じくらいの歳といっても過言ではありませんね
 やはり、ネクタイはちゃんと付けるべきです!

「この香りは……ダージリン?」
「え、あ、はい、そうですよ……?」

 粋なり話しかけられたので、どもってしまったじゃないですか!
 しかも、彼女は僕の向かい側に座って紅茶を眺めてるし……
 もしかして、

「紅茶、飲みたいんですか?」
「飲みたい……いい香りなのは美味しい証拠だからね」
「飲ませてあげたいのですが、1人分しかないかありませんし……」
「あ、別にいいよ、勝手に押し掛けたアタシが悪いんだし」
「……では、明日」
「明日?」

「明日の昼休み、貴女の分も用意して置きます」

 それを聞いた彼女は満面の笑みを浮かべ、
 またね! と、それだけを言い風の様に居なくなってしまいました
 彼女の事は何も知らない……
 だけど、いいんです、これから調べますから


僕と彼女のティータイム




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