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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -

「ナマエ」
「なにー?」
「ナマエ、」
「だからなに?」
「こいつ何とかしてくれ」

 お前に抱きつけない、そう言ってデンジは目の前のヌオーを退かそうと奮闘していた

 ことの始まりは、デンジがナマエの家に押し掛けてきた時のこと
 靴を脱いで、部屋でくつろいでいたナマエを抱きしめようとしたら、ナマエの手持ちであるヌオーに妨げられ冒頭に至る

「俺こいつ嫌いなんだけど」
「そりゃ地面タイプ持ってるもんね」
「いや、そうじゃなくて」
「ぬー!」

 ご主人様に話しかけるなと言わんばかりデンジを押しのけるヌオー、それに負けじと奮闘するデンジであったが所詮は弱引きこもり、すぐに押し負ける
 唯一の救いはこいつの特性が湿り気ではなく貯水であったことだ、湿り気だったら今頃デンジの衣類はしっとりと水分を含んでさぞ気持ち悪かろう
 ナマエはナマエでテレビから目を離さずこちらを見る素振りすらしない

 諦めた振りをしてヌオーが油断した隙にナマエのいるソファーに非難しようとするが失敗に終わる
 今度はポケモンフーズで気を引こうと試みるも見向きすらせずまたも失敗に終わってしまった

「ぷぷっ、デンジださっ」
「見てたんなら助けろよ」
「だってデンジが困ったたり痛がってる顔してんの好きなんだもん」
「Sかよ」
「ぬっ!」
「いてえ!」
「技使うなら外でやってね」
「なにそれひどい」

 あ、でもあくびならいいかも、とにこやかな笑みを浮かべるナマエにひやりと冷たいものを感じる

「デンジが寝たら縛ってそこら辺に放置しといてあげる」
「まじやめろ」
「あ、オーバの家の前なんてどう?」
「勘弁してください」
「ヌオー、あくび」
「ぬお!」
「やめっ、ちょ……」

 薄れていく意識の中でナマエの称号をドSに改めた、彼女が最後に浮かべた笑みはそれは綺麗だったそうな


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