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- ナノ -

「私、今和裁にハマってるんです」

 そう言ったナマエは、一枚の浴衣を作り上げた
 薄い桃色で桜が散りばめられている柄の、
 とても手製とは思えぬ仕上がりで、正直驚いた

 プロが作ったのと並べても大丈夫だろう……
 私の隣に座っているルカリオも、凄いと言わんばかりに拍手をしている

 どうてすか? と、自作の浴衣を着た彼女は可愛く笑った

「……うん、いいね
 ナマエに凄く似合ってるよ」

「えへへー、
 ……あ、実は余った布でライチュウの分も作ったんです!」

 同じ柄の小さな浴衣を取り出して彼女の隣にいる相棒のライチュウに着させた

 ナマエとライチュウが同じ浴衣を着てはしゃいでいる
 ルカリオが少し羨ましそうなのは気のせいかな?
 まあ、気にしないでおこう

 本当、彼女は手先が器用だな

「……ナマエ」
「はい?……うあっ!?」

 ナマエの手を引き、膝の上に座らせる

「本当、器用だね」
「っ、ありがとうございます」

 掴んだままの彼女の手にキスを落とす
 彼女の頬が染まっていくのがよくわかった
 手から腕へ、浴衣を通り越して首筋へキスしていく

「ゲンさん……!」
「ナマエ可愛い、好きだよ……」
「私も……」

 ポケモンが二匹いる中で唇を重ねた


そうだ、来月のお祭りはその浴衣を着ていこうか




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