リーナは俺の血を吸う、それは俺の血液からプラーナを摂取しているだけで、他意はない 俺自身血の気は多い方だと思っているので吸われることに対する嫌悪感などは一切ない、むしろ吸われると頭がすっきりするので良いくらいだ パックジュースにストローを挿して口を付ける、美味い 「あらナマエ、またプルーンジュース?」 「ああシルヴィア、そうだよ、鉄分たっぷりだし」 「あんた血の気多い方なのにそれ以上血液増やしてどうすんのよ」 「だってリーナが飲むとき足りなくなったら困るじゃん?」 「……あんたってほんとリーナ好きね」 「そうか?」 そうよ、と呆れたようにシルヴィアは言って去っていった、言われてみればそうかもしれない 最近はリーナのことを考えて鉄分を多めに摂取するようにしているし他の奴の血を吸っている姿なんて見たくない、つまり、俺はリーナが好きなんだ 別に今更な感情ではないので驚きはしない、ただ改めて考えると俺は嫉妬深いのかもしれない 俺は代々創聖の書を管理・保管をしている一族の末裔って奴で、それだけの理由でディーバ基地にいるのだ エレメント能力は一応備わってはいる、本の修復及び翻訳能力で結構重宝されていたりする、ちなみに創聖の書が現在まで姿を保てているのもこの能力のお蔭 主に図書委員をしていて、リーナにくっついてることが多い、ちなみに今リーナは保健室で体調チェックを受けていて俺は廊下で待ちぼうけ 「ナマエ、お待たせ」 「お疲れさま、どうだった?」 「異常はないわ、むしろ以前より良くなってるみたい」 「そりゃ良かった」 「ふふ、ナマエの血のお蔭ね」 リーナが口角を上げたから俺は照れ隠しを含めて、ありがとう、そう呟いた しゃがむように言ったリーナに高さを合わせればそのまま俺の首筋に唇を這わせ、いただきます、と俺の血を吸い始めた、相変わらずリーナの唇柔らけえ こうやって断りもなく俺の血を吸うようになったのはいつからだろう、いつの間にか当たり前になっていた まあ俺としてはリーナとの距離が近くなった気がして嬉しいから良いんだけど 数十秒、本当に短い時間だったが血を吸うには十分な時間、ゆっくりと唇が離れると傷口をぺろりと舐められた 「ごちそうさま」 「ん、お粗末さま」 「ナマエのはいつも美味しいわ」 「ありがと、リーナに飲まれるなら俺は幸せ」 「私も、ナマエの血が飲めて幸せよ」 そっとリーナを抱きしめれば迷わず手が背中に回される、ああ、幸せだ そのままそっと口付けを交わそうか |