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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

 眠らずに戦える体。
 眠らなくてもいい。
 逆に言えば、眠れない。
 寝たいと思っても寝ることができない。

 傷を付けられても再生する体。
 死ぬことのない体。
 逆に言えば、死ねない。
 死にたくても生きなければいけない。

 こんな忌まわしい体になんか成りたくなんてなかった。


「ヴィラル、泣かないで……」
「え……?」

 俺が泣く? 人間みたいに?

「かっこいいのに、台無しだよ……」
「……名前? う、ウソだろ……名前!」

 名前を呼んでも返事は来ない。
 握った手は動かない。
 俺と同じ獣人である証の、兎のように長い耳もピクリともしない。
 あの優しかった瞳は涙を流している。

 死ねたらどんなにいいことか。
 君の元へいけたらどんなに幸せか。
 今ほど思ったことはない。

 あの笑顔を見ることは、もう叶わない。

「……誰か、殺してくれっ」

 喉から絞り出した声は弱々しくて、逆に笑えた。



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