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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

▽ホウオウちゃん(pkmn→MHA)
 人間→ホウオウ→人間。ポケモン世界でホウオウとして転生し、その後ホウオウの“個性”を持つ女の子として転生した。全部の記憶あり。
 ヒーロー科A組の推薦入学者のうちの一人。
 光加減によって七色に輝く銀髪と緋色の瞳の、バリバリの姉御系女子。でも根は真面目。“鳳凰”の個性を持つガチチート。

 ポケモンの“ホウオウ”そのものが“個性”であり、任意でホウオウの姿にも成れる(フォルムチェンジ)。腕だけ翼にすることも可能。ホウオウの姿の時は個性無効系の“個性”の影響を一切受けないず、技の威力も人間の姿の時より上。
 ホウオウの覚える技(レベル技、わざマシン等)は大体使えるが、人間フォルムでは使えない技(例、そらをとぶ)もあり、その場合フォルムチェンジすることで使用可能となる。勿論特性(プレッシャー、さいせいりょく)も健在。
 使える技はBW基準。めざめるパワーは氷。

「あたしは名字名前。ま、よろしく」
「え、は、何言ってんだ!? わ、訳わかんない!」

「お、いいねぇ〜」
「おい、今何つった。後悔させてやるから出てこいよ」
「はぁ……ガッカリさせんなよ」
「ははっ、面白いじゃん。あたしは好きだよ」

 口調はちょっと荒い(姉御口調)。けどたまに(精神年齢的な意味で)年上らしい落ち着いた口調になる時も。


・ポケモン要素割と強め
・ポケモンの登場人物は何人かは転生済み(コトネヒビキマツバ等、記憶の有無は不明)
・最初の人生でポケモンはプレイ済み
・中学生編から始まる




01 ジ・オリジン

 名字名前には名字名前となる前の、所謂“前世の記憶”があった。
 さらに言えば“前世”の“前世”、前々世の記憶もしっかりと残っており、しかしこの世に生まれ落ちた彼女の第一声はあっけらかんとしていた。

 ああ、またか。

 赤ん坊故に上手く発音はできず、おぎゃあという在り来たりな産声となったが、彼女の中ににあるのは“二度生まれ変わった”という感覚だった。

 一度目の人生はゲームが好きな普通の女だった。






 誰かの“個性”だとしてもあれ程の神々しさは類を見ず、

「おい、今エンデヴァーの下位互換っつったの誰だよ。後悔させてやるから出てこいや」

 売られた喧嘩は躊躇なく買う。
 そいつは銀髪に紅い瞳が目立ち、口調もやや乱暴だったため、見た目だけならば典型的なヤンキーだった。
 金持ちの子供が大半である私立高校故に見た目から派手で素行不良そうな奴は彼女以外いなかった。

 決して私利のために暴力を振るうことはなく、授業も割と出席している。

 だからこそ人も目に触れない陰湿な虐めは航行していたのだ。
 時には登下校時に他校の生徒にカツアゲをされるなんてことも少なくない。


 噂は瞬く間に他校まで知れ渡り、血気盛んな


「別にそんな綺麗なもんじゃないよ。ただあいつらのやり方が気に入らなかっただけ」



・ヘドロ事件

 オールマイトが出ていこうとしたまさにその時だった。

「よくやった! あとはあたしに任せな!!」

 そう言ってヘドロ敵の頭上から颯爽と現れたのは一人のヤンキー、もとい女子高生だった。
 名前が“めざめるパワー”をぶつけてやればヘドロ敵は一瞬にして凍り付き身動きが取れなくなる。
 動かなくなったのを確認した彼女は爆豪の口元を覆っている凍ったヘドロ部分を殴り壊し呼吸できるようにしてやる。


・ヘドロ事件をテレビで見た轟

「ヒーローみたいだった」
「ははっ。ヒーローか、悪くないな」

「ヒーローみたい、か……そっか、うん。決めた、あたしヒーローになるわ」
「……は?」


・騎馬戦

「君の“個性”借りるよ」
「別に良いけど、使いこなせないと思うよ」
「?……ってアレ、炎が出せない!?」
「だから言ったじゃん。レベル上げしないと炎は出せないって」


・トーナメント

「悪いね」
「っ……俺の負けだ」
「っ、と、常闇くん降参! 名字さんの勝利!」


「常闇は強いよ。でもあたしが“強すぎた”。それだけ」

 あと相性も悪かったかも、と常闇に手を差し伸べ起き上がらせる。




「名前!!!」

「!」
「ああ、何だ……?」

 一際大きな声が彼女の名を叫ぶ。歓声とも野次とも違うその声は、彼女を咎めているようにも聞こえた。

「あーあ、止めだ止め」
「は……」
「この勝負あたしの負けでいいや」

 興を削がれたといった風に一気にやる気の失せた名前が肩を竦める。

「急に何言ってんだよ……てめぇ何勝手に止めようとしてんだ! 最後まで戦えや!!」


「あいつの命令じゃあ従うしかねぇし」


・期末試験
「二人一組なら一人余りますよね?」
「またどっか三人組?」
「いや、今回は一人だけ“一対一(マンツーマン)”だ」
 マンツーマンという言葉にざわめく。只でさえプロ相手で二人がかりでも難しいというのに、一対一など無理に等しい。
「今回マンツーマンとなるのは名字だ」
「おっ、あたしか。タイマンだろうが多勢相手だろうがあたしは負けねぇ」
「相手は俺がする。轟・八百万との試験が終わり次第お前の試験を開始するから、それまでは待機だ」
「りょーかい」


「センセー、一つ質問いいっすか?」
「何だ」
「万が一瀕死の重傷負わせちゃってもお咎めありませんよね?」
「はぁ……俺もやられるつもりはないが、万が一の場合があったとしても基本的には“咎めない”から安心しろ」
「その言葉が聞けて安心した。殺す気でいきます」

 刹那、ぞわりと言い知れぬプレッシャーが相澤を襲う。それは彼女の特性の一つなのだが、相澤はそれを知らない。

 ましてやドライアイの相澤が三十分間ずっと名前を見つめ続けるなんて無理な話だ。

 開始と同時に相澤の前髪が逆立つ。相澤に“見られて”いるのだろう、名前は技が出せない状態にあった。

 とりあえず相澤の視界から外れればいいと、横道に向かって走ってゆく。



「残念、そいつは“みがわり”だ!」
 拘束したのが身代わり人形であることにようやく気付いた相澤の一瞬の隙をついて頭上から奇襲に出た。口から炎を吐いて人形ごと辺り一面を“やきつくす”。
 流石はプロと言うべきか、咄嗟に両腕でガードし被害を最小限におさめ、その場から退く。

 じんじんと広がる痛みに、相澤は口角を上げる。

「どうやら俺は、お前の実力を見誤っていたようだ。……本気で行く」

 自身の目の動きを悟られぬように作られたゴーグルを装着し、宣言通り本気をだす相澤。
 モニター越しに見守っていた緑谷たちも彼女と相澤の戦いの行く末に、心臓がどくどくと脈打つ。

「嬉しいねぇ。プロに認めてもらえるなんてなぁ!」


「まきびしなんて姑息だなぁ」

 両腕を翼に変え巻びしを吹き飛ばす。


「こちとら何百戦とバトルしてきた手練なんでね!」



「残りあと十分だぞ」
「まじか! 遊びすぎたなこりゃ……」
 だからといって焦るわけでもなく、

「んじゃ終わらせる……!」
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