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▽三番隊三席がsngkへ(死神→sngk)
・ハンジ、ベルトルト寄り
・刀語ネタ有り

 護廷十三隊三番隊第三席。普段はおっとり系の女の子だが剣術に関しては真摯な言動をとる。また、刀を握ると性格が変わり随分と好戦的になる。

 西流魂街一地区「潤林安」出身。居合い抜きの達人で、目にも留まらぬ速さの抜刀術「宇練(うねり)」の使い手。
 居合道場の跡取り娘だったが日番谷に勧誘され真央霊術院に入学、飛び級で卒業後護廷十三隊三番隊に入隊。
 代々継いできた抜刀術を守り抜き次の世代に託す為に生きている。現在瀞霊廷に道場はないものの彼女の抜刀術を学んでいる門弟が十数名程存在している。
 流魂街にある居合道場の父も祖父も健在で門下生もちゃんといる。休日には居合道場に顔を出しているらしい。
 中央霊術院に入る前、日課である瞑想をしている際に「鈍」と対話する事ができた。それからはほぼ毎日、瞑想の際に鈍と禅問答をしているらしい。
 日番谷とは流魂街にいた頃からの知り合いで、よく一緒にお茶をする仲でもある。好きなものは和菓子全般で嫌いなものは特にない。趣味は禅問答で「瀞霊廷通信」にも専用のコーナーを持っているが、最近は彼女のファンからの個人的な質問コーナーとなっている。


 斬魄刀名は「鈍(なまくら)」。始解すると鍔が四角くく、刀身は黒くなる。切れ味が格段に増し、あらゆる物を抵抗なく一刀両断にできる。封印状態でも切れ味は護廷十三隊で一、二を争う。
 解号は「うねりを上げろ『鈍』」。

 卍解名称は「斬刀鈍(ざんとうなまくら)」。刀身を己の血で濡すことにより能力開放する。
 形状は始解時と変わらず、刀身だけが紅くなる。刀身を血で濡らしたことにより鞘との摩擦係数を減らして光速を超える居合いを繰り出せる。
 卍解限定奥義:斬刀狩り(ざんとうがり)。刀を振るった際に真空波を起こし刃を触れさせずにあらゆる物を斬る。



 
 隣の人は随分と背が高いなあ、なんて考えていると教官は既に私の前まで来ていた。

「貴様はどこの誰だ!」
「地下街出身、名前・名字です!」

 リヴァイさんに教えられた偽りの故郷を口にすれば他の志願兵たちは見るからにざわついた。
 はて、私は何か変なことでも言ったのだろうか。リヴァイ兵長にそう言えと言われたから言っただけなのに。
 確かペトラさんにこの世界のことを教わった時に地下街のことも聞いたけど、そんなに治安の悪い所だったのか。
 北流魂街80地区の更木みたいな場所なのか。まあ両方とも行ったことないから実態は分からないけれど。

「静かにしろ! 名字、お前はここに何しにきた!」
「調査兵団に入るためです!」

 そしてまたもや辺りはざわつき始めた。特に嘘は吐いていない。調査兵団に入らなければ私の命は保証してくれないと言われたから、そう言ったのだ。

「そうか! お前は家畜以下の巨人の餌となるだろう!」

 それだけを言うと教官は隣へと移動し、罵倒を繰り返した。こんなやり取りから悔しさなんて生まれない。
 私は死ぬことなぞ考えていないのだ。生きて、三番隊に戻ると決めたのだから、死なない。でも、いざ帰って私の居場所がなかったらどうしよう。新しい隊長とかいたら気まずいことこの上ない。
 いやいや、私を信頼しきっている吉良君に限ってそれは無いだろうし、新しい隊長が来ていても何とかなるさ。ああでも、三番隊に隊長不在の今、私がこのまま帰れなくて隊長代理の吉良君が働き過ぎて倒れたらどうしよう。最悪過労死なんてこともあり得る、それはやばい。
 吉良君が死んじゃう前に早く帰らねば。それに、私が帰らなければ誰が宇練を後世へ残すというのだ。門下生たちも待っている。
 三番隊と道場の行く末を心配している間に洗礼式は終わっていて、その場は解散となっていた。宿舎へ歩いてゆく同期たちに遅れて私もそれに着いてゆく。

「名字、貴様は教官室横の一人部屋だ。荷物は既に運んである」
「分かりました。何から何までありがとうございます」


 それから私はあからさまに他の訓練兵に避けられていて、地下街出身と言ったのは失敗であったと気付く。
 後悔先に立たずとはこのことだろう。しかしここにいるのは調査兵団に入るためであり、詰まるところ尸魂界に帰るためだ。慣れ合う必要などない。

 その日の食事はとても質素な物で、薄いスープにパンが一つ。リヴァイ兵長の所にいた時はまだ良い物を食べられた。
 もっと言えば、瀞霊廷にいた頃はそれこそ豪華とまではいかないが十二分な食事や、嗜好品の類も自由に食べられたのだ。尸魂界が恋しい。
 生きて尸魂界に帰るため、今は与えられた食事をしっかりと食べることが大事。いただきますと手を合わせた時だった。

「隣、いいかな?」
「どうぞ」

 とても背の高い、見上げるだけで首を痛めそうな男の子が立っていて、確か彼は洗礼式の時隣にいた人だ。彼は食事を乗せた盆をテーブルに置くと私の隣に腰を降ろした。




「地下街出身はまともな教育受けれねぇもんな」
「私の出身地を聞いて不快にさせてしまったのであれば謝ります。しかし出身地と教養は必ずしも比例するとは言い切れませんよ」


 一人部屋というのは良いもので、こうして夜中に一人で、日課である瞑想をする事ができる。相部屋で長時間鍛錬や瞑想をしてしまっては相手に悪い。
 

 三年ぶりに飲んだ酒は五臓六腑に染み渡る美味しさだった。最後に飲んだのは確か仕事終わりに乱菊さんや吉良君たちと飲んだときだ。

「いい飲みっぷりじゃねぇか!」


「私の特技は居合いです。その気になれば此処にいる全員の首を一瞬で跳ねてみせます」


「動くなっつってんだよ。次はねぇぞ」

「指一本でも動いたらこの場にいる全員の首を跳ねるからな」


「私の剣は弱きを助け悪を挫くためにあります」


 この世界で送った魂は尸魂界へと行くのだろうか、それともどこか別の、彼らの言うところの天国という場所へ行くのだろうか。


「名前! ぶった斬んなよ!」
「ちっ」

 斬魄刀を引き寄せ柄を握る。

「ユミル! 死にたくなくりゃ縮こまってろよ!」

 地面を蹴り巨人たちのうなじほどの高さまで飛び上がる。

「うねりを上げろ、鈍」

 始解と共に自らの腕を斬りつける。私の奇行に皆目を見開くが関係ない。
 斬りつけられた腕からは血が滴り鈍の刀身へ染み入る。始解により黒かった刀身は見る見るうちに赤く染まり卍解状態へと変わった。

「斬刀鈍」

「こんな遠くからいったい何を……!」

 次の瞬間、ユミルを囲んでいた巨人たちから首が切り離されていた。
 斬撃がユミル以外の巨人の首を綺麗に跳ねたのだ。




「ひ、日番谷隊長……?」
「助けが遅くなった」
「隊長! たいちょおおお!!」
「ったく、心配かけさせやがって」
「き、吉良君は無事ですか!?」
「吉良か……惜しい奴を失ったな」
「ひゃーっ! 私が帰れなかったから吉良君が過労死しちゃった!」
「おい冗談だから落ち着け! 吉良は大丈夫だ、死んでない。その代わり心労と過労でぶっ倒れて今は四番隊で療養中だ」
「ひゃーっ!!」




・初期設定十一番隊だった時の名残りの文章

 正直言って私は頭がそれ程よろしくない。戦術は大の得意だが教養の類にはそこそこ弱い。中央霊術院にいた時は座学は中の下辺りで、実技の方で何とかしていたと言いますか、実技成績の飛び級で卒業したから座学はあまり重要視されていなかったのです。
 それは十一番隊特有と言うべきか、戦闘特化部隊故のデメリットと言うべきなのか、兎に角十一番隊に所属さている者は頭がよろしくない。ああでも、弓親君は結構頭がいい。狡猾とも言えるが。
 とまあ、何が言いたいのかというと、座学の成績が危ういのです。大ピンチ。
 ただでさえこの世界の言語を学ぶのに時間がかかったのに、加えて元々頭が良くないのだ。普通の勉強ですら他人より時間がかかるのは目に見えている。
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