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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▽真庭忍主の転生トリップ(刀語→nrt)
・夢主は刀語に登場する刀を使用します
・刀語の登場人物は出てきませんが回想や名前程度には出てきます
・サスケ水月寄り、水月落ち
・夢主の前世は真庭忍

 水の国出身。幼い頃に父親に連れられ火の国へ移住後暫くして父親が他界、現在は木の葉隠れの里に一人暮らし。
 愛刀は絶刀「鉋」。前世から持ち越した、決して折れず曲がらない『頑丈さ』に主眼を置いた切刃造の直刀。刃渡りは五尺程。鍔や鞘がなく、綾杉肌に二筋桶が彫られている。柄には花柄の装飾が施されている。詳しくは画像検索推奨。斬るよりも刺す方が向いている。
 水遁と風遁を得意とし、氷遁の血系限界を持つ。身長五尺四寸。体重十四貫。趣味は「観察」。

 前世は真庭忍が一人「創造の山猫」。獣組。使用する忍法は物質を粘土のようにこね、自在に形状変化させる「忍法神の手」。二種以上の物質同士を組み合わせることも可能。頭領には成れなかったが実力は頭領に匹敵する。蝙蝠や川獺とは仲がよい。
 身体能力や知識、真庭忍法等は前世から半分ほど引き継いでいる。




 時は戦乱の時代。

「すまない山猫。真庭忍軍の、延いてはの里のために死んでくれ」
「はい、よろこんで」

 それが私の最後の記憶。それが私の最期。




 紆余曲折を経ずに忍者学校を卒業した私は晴れて忍の端くれへと昇格した。次期頭領とまで噂されていた私には朝飯前のお茶の子さいさいである。
 元より忍であった前世と、前世から引き継いだ知識や身体能力を持つ私には、世界が違えど忍者としての基本的な知識や素養、心構えが備わっていたため卒業時の成績は僅差ではあるが主席を維持していた。
 ただチャクラという精神能力的な存在を理解するには時間を要した。コントロールも完璧、使いこなすのは出来るのだが如何せん前世に無かった物質ゆえに理解しがたかった。
 感覚で覚えるのは楽なのだが理論を理解するのは、私にとっては哲学と同等の難解さなのだ。完璧に理解した上で使用できる者など真庭忍でも鳳凰様くらいだろう。


 絶刀「鉋」を持ち運ぶにあたっての問題点が二つほど生じた。一つは長さだ。全長が、私の身長より寸分長く背負うにしても、刀を斜めにしなければならない。その点については柄が私の頭より高くなってしまうだけなのでそれほど重要ではない。
 そしてもう一つ、こちらの問題の方が最も重要。鞘もなければ鍔もなく、かつ直刀のため都合のよい帯刀方法が見つからないのだ。ベルトのような物で刀の中心あたりを括るのでは刀の重みで下がってきてしまう。かといって、鞘がないこその絶刀なのだから、私の都合だけで鞘をつけるなんて無粋なことはしたくない。
 武器口寄せという時空間忍術もを用いれば鉋を持たず行動でき、任意の場所、時間に手元に呼び出すことが出来る。大変便利で都合がよいのだが、私にはこの刀を手元に置いておきたいという願望がある。それに、前世から持ち出した唯一の物でありこの世界では異物でもあるため、忍術を用いるのは好ましくないと考えている。何か起こってからでは遅い。

元来忍刀は懐に隠すか腰に差すもの。
忍は


 とりあえず皮の素材を使い、ベルトの要領で刀身を真ん中やや下辺りで二カ所固定し、そこからリボン状に布を垂らし先を袋状にし、刃先を納めてみた。傍目からは刀身の中央と刃先のみを布で覆っている状態なので、見栄えも良し。
 私の得意とする真庭忍法「神の手」に掛かれば針と糸を通しづらい皮の素材でも自在に形を変えることが出来る。さらに言えば針と糸も、鋏さえも入れずに造り上げられる。創造の名字たる所以だ。
 ぐにゃぐにゃと粘土をこねるよう皮を一つの塊にし、そこから任意の形に伸ばしてゆくだけで針も糸も使わず良案通りの物が完成した。それを私の体に括る用の、襷のような部位を付ければ完璧だ。
 背負ってみても安定感があり、それなりに重量のある刀のため割りあい激しく動いても刀が抜けることもない。一夜漬けのような短絡的な策ではあったが中々に良案でもあった。



「真庭名前。趣味は惰眠です。将来の夢や好き嫌いを教えるつもりはありません」

 取扱説明書を読むが如くただ淡々と自己紹介を済ます。おそらく四人の心証は最悪に近いだろう。
 同じ班の仲間になろうという人たちとはいえ所詮は他人、己の情報を易々と話してしまう程愚かではない。
 元より私はこの里に長居するつもりはないのだから、いずれ敵になるやもしれぬ相手に情報は与えぬ。大層愛想の良くない小娘だと思ったことだろう。これでも忍者学校時代はそれなりに愛想は良くしていたし、これからも仲がよく見えるよう取り繕いはする。機会が来るまで。

 生憎私は狂犬様のように感情的でもなければ蜜蜂のように大人しくもない。まあ、蝙蝠や川獺のように楽天的でお喋りではあるが。相手に情報をついつい話してしまう類のお喋りではないことは確かだ。
 

 もしもここに虫組の三人がいて鈴が二つしかなかったならば、誰が不利益を被ろうが三位一体となり全力で向かっていっただろう。
 虫組ならば、という訳ではなく真庭の忍ならば、と云いたいのだ。真庭虫組を例に出したのは彼らの結束がどの頭領組よりも固く確かなものだから例えやすかっただけであり、他意はない。
 そもそも忍とは、常に耐え忍ぶ者、己の損得に関係なく任務を遂行する者。利己的になってしまった時点で忍失格なのだ。まあ、里のためとは言え君主である幕府を裏切った真庭忍が口にして良いことではないのだろうが。

 任務遂行のためにはどのような手段も犠牲も厭わない。



 演習と名を付けているが、これを任務に置き換えてみればどうだろう。四人で三つの密書を奪い取るだなんてよくある任務だと思わないか。
わざわざ班に振り分けた上でこのような演習を組んだのも

 記憶は半分ほどしか有していないとはいえ、元は真庭忍獣組が一人。お喋りなのは性分ということでここは一つ。


 元々任務遂行のために死して今世にきた身だ。任務のために命を落とすなど真庭忍軍に所属している者には当たり前のことであった。


「その刀譲って頂けません? 私の友人が欲しがっているのです」
「嫌と言ったら?」
「ならば力ずくで……といきたいところですが」

「お前も良い刀持ってんじゃねえか、手前の刀じゃ不満か」


「四季崎記紀が造りし完成形変体刀十二本が一本、絶刀鉋」

「限定奥義・報復絶刀!」




▽→落乱

 今までいた世界よりも、どちらかと言えば前世に近い懐かしさすら感じられる時代背景。

「鬼灯名前と申します」

 鴛鴦さんもこんな気持ちだったのか。私だけが生まれ変わり忍びとして、女として生きていて良いのだろうか。



「半助なんてどうじゃ?」
「どうだと言われましても……」
「お前さんからしたらちと年齢は上かもしれんが小奴も……」

 いやはや、困った。重要な話があるとは聞いていたがこういう話だったとは思いも寄らなかった。
 蝙蝠よろしく喋りに喋り続ける学園長先生に、私と土井先生は苦笑しか出てかない。言い出すタイミングが分からない。


「旧姓は真庭です」
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