▽池袋吸血鬼伝説(drrr) |
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※ヴぁんぷとは無関係 現代に生きる吸血鬼。白い肌に金髪碧眼の美女で、時代がかった古風な口調で話す。外見年齢は20歳前半くらいで、実年齢は603歳。ICV甲斐田裕子。 好物は、ドーナツと赤ワイン。ニンニク料理、冷たい飲み物(ワインは除く)が嫌い。聖辺ルリに対して特にこれといった感情はないが彼女からは好かれている。 再生能力に特化した吸血鬼であり、吸血鬼の弱点の大半を無効化できる貴重種。日の光を浴びても消滅しないが、弱体化する事には変わりないため常に日傘を持ち歩いている。当然夜には吸血鬼の能力が最大限に活発化され、その時眼の色が赤くなる。 高い再生力・不死性と身体能力を持ち、変身能力によって全身もしくは体の一部を武器や翼、霧などに変化させられる。また体液(血液や唾液)を患部に垂らすことで他者の回復を促すこともできる。弱点はニンニク、銀の十字架、聖水、毒なのだが、耐性は他の吸血鬼の倍以上。愛する者に杭を心臓に打ち込まれる事により完全に死亡する。 相手の血を吸うことにより眷属にすることが出来る。食事目的の吸血行為は吸血後、肉体を残すことなく喰らう。初めて訪問した家では、その家人に招かれなければ侵入できない。川などの流れる水を越える事ができない(空を飛ぶ動物に変身していたり、橋やボート等があれば別)。基本的に鏡に映らないが本人の気合しだいで映ることも出来るらしい。 その女性は、雨の日を除きほぼ毎日池袋を徘徊している。 日焼けを知らない白い肌、流れるような金髪に透き通るような碧眼。すらりと伸びた手足にグラマラスな体つき。 真っ白なワンピースに真っ白な長手袋、真っ白なロングブーツを履いて真っ白な日傘を差している。煌びやかな金髪と透き通るような碧眼がアクセントとなり、より美しさを際だたせる。 とどのつまり彼女は全身が白尽くめ。 一見するとどこかの国のお姫様がお忍びで訪れたようだが、お付きも居なければお忍び訪問でもない。 これといった目的も目標を持たず、ただ池袋を歩き続けているだけ。彼女の個人的な、ただの徘徊だ。 そんな彼女の存在は池袋の街に否応なく目立っていたが、彼女に気安く声をかける者はほとんどいない。彼女の纏う空気に、雰囲気に、オーラに、本能が無意識のうちに拒否しているのだ。 「カーノジョ、一人なの? 良かったら俺らと遊ばない?」 「そーそー、食事でも行こうよ」 しかしながらこういった危機管理能力の低い者は少なからずも存在する。彼女が何者であるかも、これから何をされるかも考えずに声を掛けてしまうのだ。 時間帯は夜。昼間とは打って変わり危険な雰囲気を醸し出す池袋、彼女はその日も歩いていた。 夜間にもかかわらず日傘を差している彼女は 男二人のナンパに彼女は足を止めた。 「……丁度よい。儂も腹が減っていたところだ」 とりあえずナンパは成功したようが、誘った相手の身分が違いすぎると後悔するのも束の間。次の瞬間には緊張に二人は固まってしまう。 が、彼女はお構いなしに二人の顔を交互に見やり、品定めをするよう全身を見渡す。 日傘で隠れていたが 「主ら、顔はそこそこ良い。喜べ、儂の眼鏡に適ったぞ」 舌なめずりする彼女は実に妖艶で、彼らは息をのむ。 彼女に連れられ路地裏へと入っていった若者二人は翌朝衣服だけが発見された。 池袋の街がどよめき、新聞社もマスコミも騒ぎ立てる。また、吸血鬼が現れたと。 数年前から池袋を徘徊している彼女の名はナマエ・名字・アルカード。池袋に巣くう吸血鬼伝説の張本人だ。 数年前から不定期的に起きている事件のあらましを説明しよう。 不定期的連続失踪事件、警察及び関係者の間で最初はそう呼ばれていた。 現場に被害者の遺体はなく衣服だけが現場に残されていたのだという。争った形跡もなく財布からは現金だけが抜かれていたが防犯カメラには犯人と思わしき人物は一切映っていない。故に最初は失踪の類だと考えられ、公な報道はされていなかった。 事件はこのまま闇の中へと消え去るのかと思われていた、がしかし、目撃者が現れたのだ。 彼の話によると犯人は全身黒ずくめで真っ赤な瞳を光らせ、背中には大きい蝙蝠のような翼を持っていたとのこと。 そこで目撃者は恐怖し現場から走り去ったのだが、首もとにかぶりつくその姿はさながら吸血鬼のようであったと語っている。 そしてやはり、その現場にも残されていたのは被害者の衣服と空の財布のみだった。目撃者の証言と共に一連の事件は明るみへと出た。 さらに、その事件に触発されたとある記者の調べより、海外の至る所でも同じような事件が起こっていた記録が残されていたことが分かり、その目撃者のいずれもが吸血鬼を見た言う。 しかもどの事件もあまり公にはされておらず、時期も被っていない。そして何よりその事件は何百年前からあるのだという。 模倣犯や愉快犯の類も考えられたが、肉体のみを何の痕跡も残さずさっぱりと消すなんて一般人には不可能に近い。全ての目撃者が皆一様に同じ人物を示す証言をしている。 ならば、目撃者が言うように、本当に吸血鬼がやったのだろうか。答えは是なのだが、真相は未だ不明確。 しかしマスコミが大きく騒ぎ立てたものだから瞬く間に噂は都市伝説となり、首無しライダーの存在と共にネット上を賑わせた。 池袋吸血鬼伝説の始まりである。 《また出たらしいですよ!》 【何がですか?】 《吸血鬼ですよ! きゅ・う・け・つ・き!》 「お前らは食事にも価せぬ」 「そこの首無し……いや、デュラハンと呼ぶべきか。まあどちらにせよ、此方へ来い」 言われた通り、セルティは彼女の前へと 異形の王である吸血鬼に、ただ見つめられているだけでセルティはその場から動けなく成ってしまっていた。蛇に睨まれた蛙。 これは支配されているにすら近い感覚だ。 『お前は一体……。それに何故私の正体を知っている?』 「儂もお主と同じ、異形そのものだ」 「お主より何百年も長く生きておるでの、そんなもの朝飯前だ」 「吸血鬼、とでも云えば分かるか?」 「だてに六百年近くも生きとらんわ」 「君可愛いね、モデルとか興味ない?」 「モデル、とな」 「そ 普段は渋谷とか新宿の子に声を掛けさせてもらってるんだけど、池袋に飛び切りキレイな娘がいるって聞いてきたんだよね〜」 「ふん。面白い。退屈しのぎにはなろうて」 「まずは同棲から」 「それは儂の魔力に魅了されておるだけじゃ」 「確かに。俺はあなたの虜だ」 「何故儂がお主と住まわねばならんのだ」 「猫飼ってますよ」 「理由になっておらん」 「お主はアイドルなのであろう。商売道具に傷をつけてはいかんぞ」 そう言い口を開き舌を出すとルリの傷口に近づける。 舌先へと集まった唾液が一滴、彼女の傷口へと滴る。刹那、傷口は見る見るうちに塞がり傷跡すら消えていた。 「儂の体液をくれてやることなぞ滅多にないのだからな、ありがたく思え」 「! 好きです」 「お主もか……」 |
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