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「#ファンタジー」のBL小説を読む
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▽銀の悪魔小ネタ(東方/→T&B/→FGO/→PDL/→OP/→KLK)
 スカーレット長女夢主の小ネタ等まとめ。


▽ヴァンパイアに20の質問

[--] ようこそおいでくださいました。どうぞよろしくお願いします。

「ええ、お願いされるわ」


[01] まず、あなたのお名前と差し支えなければお歳を教えてください。

「ナマエ・スカーレット。歳は千二百と……咲夜」
「千二百と二十八歳でございます、ナマエ様」
「ありがとう、頼りになるわ」
「身に余るお言葉で御座います」


[02] こちらに来るまでに血は吸ってきましたか?

「ええ、咲夜が用意した物を頂いたわ」


[03] 普段、どんな服装をしていますか?

「ナマエ様は中世の貴族のような、フリルをふんだんにあしらった真っ赤なドレスを着用しております。肩から胸元にかけてざっくりと開いており素敵な谷間が垣間見られ……げふげふ。帽子は妹君様たちと同じデザインの色違いを愛用しております」
「咲夜、途中に何か……」
「ナマエ様が気になさる必要は何一つ御座いません」
「そう。ならいいわ」


[04] 人間の血は無作為に吸っていますか?それとも提供者がいるのでしょうか?

「スカーレット家の食事は基本的に私が用意しています。異世界へ行かれる時も、私めを連れて行って頂けたら場合もその通りに」
「一人の時は美味しそうな者を適当に選んで食べているわ。自ら提供してくる好事家もいるわね」
「ナマエ様に手を出す者は私が根絶やしにして差し上げます」
「まあ咲夜ったら。程々になさいね」
「はい!」


[05] 血はストックする方ですか?新鮮なものしか受け付けませんか?

「基本的に新鮮なものを用意いたします。血液は鮮度が大事ですから」


[06] 自分が好きな血の種類などありましたら教えてください。

「破瓜を迎えてから二十代までの健康な処女、健康な童貞(16〜30くらい)がナマエ様の好みですわ」
「千二百年も生きていると舌が肥えて仕方ないのよ。咲夜は私の好みをよく理解しているわ」
「身に余る光栄に御座います」


[07] 血を吸わないと、あなた自身はどうなりますか?

「千二百年も生きていると軽く一年位なら飲まなくても平気だと思うわ。ただ、それだけの期間食事を絶やした事がないからどうなるのかは分からないわね」
「私がナマエ様を飢えさせはいたしません」
「頼りにしてるわよ、咲夜」
「はいっ!」


[08] 血が吸えない時、どのくらいの間なら耐えることができますか?

「先程も言ったけれど軽く一年位は平気ね。たぶん」


[09] なかなか血を吸うことができず、自身に危機を感じた経験はこれまでにありますか?

「ないわね」
「ナマエ様はお強いですから」


[10] 翼はお持ちですか?あるなら、翼の説明を簡単にお願いします。

「蝙蝠よりも気高く、広く大きい翼は見る者全てを魅了する虹色。とても立派な翼に御座います」


[11] 爪は長い方ですか?特徴などありましたら教えてください。

「綺麗に整えてあるわ」
「マニキュアも私めが塗っております。ナマエ様によくお似合いになるワインレッド色です」


[12] 歯は頑丈ですか?ザクッといつもイケますか?

「勿論ケアは欠かさないわ」
「真っ白で丈夫な歯で御座います」


[13] 血の匂いは垂れ流しにしていますか?

「ナマエ様はいつも清潔です。強いて言うならば甘くて良い香りがいたしますね」


[14] 苦手なものはありますか?理由も合わせてお答えください。

「ナマエ様や妹君様たちを始めとするヴァンパイアは流れる水を跨ぐ事が出来ません。飛んでおられるので関係ありませんが」
「そうね」
「日差しも苦手ですので外出時は日傘は欠かせません。にんにくを使った料理も苦手です」
「そこら辺にいるヴァンパイアよりは弱点に対する耐性は強いと自負してるわ」
「他にも沢山苦手なものは御座いますが割愛させていただきます」


[15] 人間と大きく違う点を教えてください。

「有りすぎて語りきれないわね」
「では私めが……」
「お止めなさい。貴女が語り出すと長くなるわ」
「……はい」


[16] 自分がヴァンパイアであることを周囲に公表していますか?

「しているわ」
「幻想郷はそういう者たちの集まりですので」


[17] (↑続き)公開している方、周りの反応はどうですか? していない方、何故秘密にしているのですか?

「別に普通よね」
「はい。幻想郷は人間の方が少ないですからね。異世界の場合は様々です、怪異がいる世界もあれば普通の人間しかいない世界も有りますから」


[18] ヴァンパイアであることを恨んだ経験はありますか?

「有るわけがないわ。こんなに楽しい人生、他にはないもの」


[19] 大まかで構いませんので、あなたの1日の行動を教えてください。

「では、私めが……お昼頃に起床し、遅めの朝食。夕方まで遊ばれたら昼食をとり隙間妖怪や幽霊少女と饗宴、深夜に夕食を召し上がられたら妹君様たちと団欒し、朝方に就寝なされます」


[20] 今後の予定などありましたら教えてください。

「妹たちと遊んだりアリスの家でもてなされたり霊夢たちと宴をしたり……あとは地底へ遊びに行ったり冥界の桜を見ながら幽々子とお酒を飲むのも良いわね」
「隙間妖怪とも宴の約束をしております」
「そうだったわ……あとはパーティーを主催したいわ」
「準備はお任せ下さいまし」
「頼りにしているわ。……暇になったらまた異世界に遊びに行きたいわね」
「その時は喜んでお供いたします」


[--] どうも有り難う御座いました。

「暇潰しにはなったわ」
「ナマエ様、お食事の用意が整いました」
「そう。じゃあ頂くわ」


(質問はお借りしました!)




・銀の悪魔がアリスに饗されにいく


 その吸血鬼はいつも唐突に姿を現しては家主である彼女に持て成しを要求する。

「アリス、持て成されに来たわよ」

 空間を切って現れた彼女は自慢の銀髪を揺らして人形を製作していたアリスの目の前でその端正な作りの顔に笑みを浮かべてみせた。

 唐突な登場にアリスは最初こそ驚いて見せたがその後はいつも通りの対応をする。

 人形の関節をつなぐ作業を中断し、

「もう、急に来ないでっていつも言ってるでしょ」

 ぶつぶつと文句を言いながらもお湯を沸かす為にやかんを火にかけているあたり彼女の慣れ具合が伺える。

 その片手間に戸棚に入れておいた茶葉の缶から目的の一つを取り出す。
 いつだったか、彼女が好きだと言った紅茶の茶葉だ。

 お湯が沸くまでの間、手持ち無沙汰を誤魔化すように

 彼女が好きだと言った茶葉を欠かせたことはなく、お茶菓子も常に二種類以上常備している。ナマエがいつ来ても良いようにと、アリスにとっては当たり前となってしまった習慣だ。

 ポットにお湯を注いだ後、予めカップを温めておくためのお湯を入れておくのも忘れない。
 すっかりと身についてしまった紅茶の煎れ方は

 それもこれもナマエ・スカーレットという吸血鬼は唐突で、気まぐれだと理解しているからこそだ。

「だって貴女、いつ来ても持て成してくれるじゃない」
「うっ、それは……」

「だ、だって貴女、用意しないと五月蠅いでしょう? 別に貴女のためではないんだから!」
「ふふふ。可愛い子」


※幻想郷って最新のはなくても氷式とかの古いタイプの冷蔵庫ならありそう。




→T&B。

「ディナーの用意が整いました」

 咲夜の手には細やかな細工が施された年代物のデキャンターが握られており、彼女の動作に併せて中に入った赤黒い液体が揺れる。
 ゆったりと優雅な動作でデキャンターの中身をナマエのグラスへ注ぐ。
 二人はデキャンターの中身に注目していた。

「それは……」
「申し訳ございませんがこちらはナマエ様専用でございます。御客人にはシーモア様から頂いたワインをご用意しております」
「いえ、僕が聞きたいのは中身のことで……」

 バーナビーが再び質問を口にすると彼女はデキャンターをワインの瓶へと持ち替え、にこりと愛想の良い笑みを浮かべる。

「知らない方がよろしいかと。差し出がましいかもしれませんが、あなた方の職業を把握した上での判断にございます」

 その言葉は彼らの思っていることを肯定しているも同然だった。だからこそ彼らは、彼女の気遣いを無碍にする人間ではない。
 何より、それを暴いたところで得をする人間は誰もいない。ヒーローにあるまじき私考だが彼女の存在は天秤に掛けられる程軽くはないのだ。


・折紙のNEXTを使ってお戯れ

「さぁ咲夜、本物はどっちか判るかしら?」

 咲夜の目の前には二人のナマエ。髪の長さ一本に至るまでが寸分違わぬナマエ・スカーレットだった。
 二人とも本物であるはずもなく、どちらかは能力で彼女に擬態したイワン・カレリンだ。彼のNEXT能力は触った相手の、細部に至るまでを擬態する。ナマエに指示されているため口調や表情、態度までもを彼女と同様に。彼女をよく見ているイワンだからこそ似せられる。
 見た目だけでは一般人には勿論、彼女と付き合いの長い隙間妖怪や冥界の亡霊少女でさえ区別が付かないだろう。
 その違いなき違いを一従者に見分けさせようとしているのだから彼女は文字通りの鬼である。しかし、例え姿形が同じでも己の主人を間違えるほど愚かな行為はしてはいけない。

 咲夜は二人を交互に、数回だけ見やりゆっくりと瞼を下ろした。

「簡単でございます」


 ちう、そんな可愛らしいリップ音を鳴らしナマエは目の前の自分にキスをする。尤も、それは彼女自身ではなく彼女に擬態したイワン・カレリンであるのだが。

「!?」

 突然の事にイワンは擬態を解いて熱のこもった顔を晒す。

「えっ……あって、ナマエさ、ん……!?」
「今夜は楽しかったわ。狸の能力じゃこんなに上手く化けられないもの」

 そのご褒美よ、と目の前の吸血鬼は真っ赤に彩られた唇に美しい弧を描いた。




→FGO。

※ちょいメタ、ぐだ男変態臭い


 その瞬間、俺は声にならない声を上げて喜んだ。
 崩れるように倒れた俺をマシュが心配して駆け寄ってくれたが仕方のないこと。何故なら眼前で真紅の瞳を細めた女性は、俺が十年間恋い焦がれた人なのだから。

「エクストラクラス、降臨者フォーリナー。ナマエ・スカーレットよ。うふふっ、貴方の血は美味しそうね、今すぐにでも食べちゃいたいくらい……でも楽しみは取っておくわ。精々私に飽きられてしまう前に命乞いの練習に励むことね」

「〜〜!!!」
「せ、先輩大丈夫ですか!?」

 所謂創作物であってもそれが“英雄”や“偉人”であると人々から信じられていれば、英霊となりサーヴァントとして召喚することは可能となるのだ。ナーサリーライムやサンタオルタのように。
 今回のピックアップ召喚の限定新サーヴァントはそんな“創作の登場人物”である。貯金崩した甲斐があった。

 ナマエ・スカーレット。自己紹介でも言っていたがそれが彼女の真名であり、彼女自身の称号だ。動画サイトでたまたま目にした銀髪紅眼の女性のサムネイルが彼女との出逢いだった。
 紅魔郷のEXボスとして初登場した彼女を見るために人生で初めての弾幕シューティングをプレイしそこから東方にハマり今の今まで彼女に恋をしたまま生きてきた。ヲタクと罵られようと俺がナマエに会いたかったという事実は変わらないしこうして画面越しではなく直接面と向かって出逢えたのだからこの恋心も報われるというもの。東方コラボピックアップ最高。

「あ、あの! お、おおお俺、藤丸立香と申しまふ!」

 勢いよく頭を上げる。緊張のあまり噛みまくってしまったので上手く伝わったか怪しいところ。ふわふわと優雅に浮きながら此方へ近づいてくるナマエに心臓が一層高鳴る。求聞史紀でも描かれていた踵の高いブーツが、ドレスの裾から見えた。

「そう、立香。貴方なかなか面白いわね。気に入ったわ」
「〜〜っ!!」
「先輩!?」

 俺の顎に指で持ち上げ顔を近づけるナマエ。一見整った顔立ちだが、その中にはちゃんと東方キャラ特有の幼さが残されていて、美しいの一言だけでは表現出来ない。まぁ俺は十年間可愛いと表現していたけど。
 それだけでも顔に熱が集まって死にそうなのに、愉しそうに口元に笑みを浮かべる様は、まさに画面越しに見ていたナマエそのもので。俺は本日二回目となる声にならない声を上げて、その場に倒れたのだった。マシュ、度々心配かけてごめん。
 ナマエが冷めた目で俺を見下しているのすら美しい。

「ところで霊夢たちはいないのかしら?」
「ああ、彼女たちなら概念礼装で揃ってます」

 ぺらりと概念礼装のカードを扇状に広げて見せるとナマエは興味深げにそれらを眺め始める。顔が近くて落ち着かない。
 これらの限定礼装もナマエが出てくる前にコンプリートしてしまったので霊夢も魔理沙も咲夜さんも美鈴もゆかりんも揃っている。ただナマエの妹であるレミリアとフランドールはいなかったのできっと彼女の絆礼装がそれなのだろう。早く見たい。

「あら、妹たち以外はみんなカードになってるのね。うふふ」
「!」
「せ、先輩ー!!」

 その瞬間、三度目である。マシュよ、何度も叫ばせてしまってほんとごめん。でも仕方ないんだ。

 だってナマエが俺に向かってふわりと微笑んだのだから。

 もう一度言う。

 この至近距離でナマエがふわりと微笑んでくれた。

 例えそれが礼装に向けられた笑みであって決して俺に向かってしてくれた訳じゃないと分かっていても、こんな近くでその微笑みを目の当たりにしてしまったらそれはもうボム級ですよ。何がって、ほら、あれが。
 つまり何が言いたいのかといいますと。

「か゛わ゛い゛い゛……!!」


・その後

 初期状態でこれなら絆レベルマックスだとどれだけデレて下さるのか。カーミラさんの例を見るに相当ヤバいことになる、主に俺が。
  属性が“混沌・悪”だなんてまさにナマエに合っていて良すぎる。

「ぐへへ、絆レベル上げしないと……」
「あら遊びに行くの?」
「はい! ぜひ種火集めでも行きましょう!」
「ふうん……何かつまらなそうね」
「分かりました! 別のクエストにしましょう!!!」




→PDL。

・丘の上の屋敷に足繁く通う真波


「それじゃあ俺、自主練行ってきます!」

 白と青でデザインされた伝統的なサイクルジャージに身を包ませた真波は、自慢の愛車に跨り颯爽と姿を消した。

「最近の真波は明らかに変だ」

 俺の言葉にその場にいたレギュラー陣が頷き同意する。
 最近の真波はいつにも増して自主練習と称して山へ走りに行くようになった。それに比例するように遅刻の頻度も増している。
 練習に励むのは良いことではあるが、少々勝手が過ぎる。
 そこまでして行きたい山があるのならば言えばいい、具合によっては練習に組み込まんでもないのに。いくら行き先を尋ねてみても、奴は爽やかな笑顔を浮かべはぐらかすのだ。
 全体練習にも出ているしタイムも確実に縮んでいるからと言って、好き勝手して良い理由とはならない。
 何より、遅刻癖の悪化は擁護のしようがない。いずれにせよチームワークの乱れにも繋がる可能性がある以上、ビシッと言って聞かせねばなるまい。
 そんな訳で、真波に遅れること数分、俺は愛車のリドレーに跨り奴を追いかける。俗に言う尾行と言うものだ。
 真波が頑なに秘密にしておきたい場所とはどこなのか、それを調査する役をクライマーの先輩である俺が買って出たのだ。
 決して皆が面倒がった訳ではないぞ。俺のスリーピングビューティーな走りでないと気付かれてしまう恐れがあるからだ。気付かれれば尾行の意味をなさないであろう。

 普段の練習では使わない道を行く真波の後ろ、数十メートルの距離を保ちつつも見失わぬよう気をつける。
 何度か信号を曲がったのだが、隠れてやり過ごすのが一番気合いが要った。目立つことに慣れている上にこの美形だ、女子達の黄色い声で真波に気付かれてしまわないかと肝を冷やしたではないか。
 そうこうしているうちに目的地であろう山の入り口に到着した。決して緩やかとは言えないコンクリート舗装された傾斜を揚々と登って行く真波の背を見て、やはり俺が来て良かったと改めて思った。
 それにしても、この近くには何度か足を運んだことがあったが、ここに山なんてあっただろうか。
 しかし、いきなり山が現れたのならばニュースになって然るべきだし、そもそもが有り得ない。きっと俺の記憶違いであろう。
 適度な葛折りとなっているその山道は、確かにクライムの練習には持って来いではある。がしかし、クライムの練習をするならばこの山以外にも良い山は学園の近くにそれこそ山ほどある。
 山頂に近付くにつれ斜度はゆるくなり遂に見晴らしの良い頭頂部に着きそれを目にした時、俺は思わず息をのんだ。

「……!」

 鬱蒼としていた木々たちは消え、代わりに派手な建物が姿を現したのだ。真紅に染まったその洋館は実に瀟洒で、絵画から出てきたと言われても信じてしまうだろう。
 生憎この洋館を表現出来得る言葉を今の俺は持ち合わせていない。それに、あまり多くの言葉で表現すると陳腐で、この建物に失礼になってしまう。
 手入れの行き渡った中庭に佇む真っ白なガゼボの中では真っ赤なドレスを纏った淑女と侍女らしき女性、そして真波。

「あら、また来たの。物好きね」
「ナマエさんに会いたくて来ちゃいました!」
「ふふ、可愛い子」
「えへへ」

 女性と共に紅茶を飲んでいる真波は、だらしのない笑みを浮かべている。

「何かご用でしょうか?」
「!?」

 その美しさに見惚れていると不意に背後から声を掛けられ肩が跳ねる。恐る恐る振り返ると背筋をピンと伸ばした品のある銀髪の女性が立っているではないか。咄嗟にガゼボの方を一瞥する。純白のエプロンにメイド服を着用してい姿を見るに彼女は先ほど侍女と上位つ人物だろうがこの一瞬で俺の背後に移動するなんて

「あ、あぁ。知り合いを追いかけてきたらここに着いたもので……」
「東堂さん!」
「真波! 最近自主練が多いと思ったらここに通っていたのか」
「隠してた訳じゃないんですけど……ナマエさんの存在を知ってていいのは俺だけでいいって言うか……」


「真波学校へ戻るぞ! そしてもうここには近づくな!」
「でも俺、ナマエさんに食べてもらう約束をしたんです」


「この世界も十分に楽しんだわ。咲夜、もうお終いにしましょう」
「はい、かしこまりました」
「えっ……俺との約束は……」
「本当は貴方を食べてあげようと思ったのだけど、飽きちゃった」
「そっ、んなっ、どうして……!」
「あら、知らなかったの? わたし気まぐれな吸血鬼なのよ」


「あんなにっ、毎日通っていたのに、場所が分からない、んですっ。ぽっかりと、記憶に穴が空いたみたいに、思い出せない……っ!」
「真波……」
「本当に、終わったんだ……」

「ナマエさん……!」

 大事な後輩が食べられなかったことは安心したが結果として真波の心に大きな傷を残していった彼女は、まさに悪魔だ。




→OP。

 咲夜ではなく美鈴を連れていく。


「ナマエ様ぁ〜」
「美鈴、貴女飛べなかったかしら」
「あっ……そうでした。いやはや失念してました」


「普通の人間が美鈴に勝つなんてことはまずないわ」

「飛べないなんて、人間って難儀な生き物ですね」


・正義の門

「立派な門ですねぇ」
「あら、ここの門番にでもなる?」
「冗談。私が守りたいと思う門は一つだけですよ」


「美鈴」
「はい! かしこまりました!」

 美鈴はただの手刀で海兵を伸すと、一人ひとり丁寧にナマエの足元へ積んでゆく。
 その山に降り立つ姿はまさに妖怪の王、吸血鬼に相応しい。彼女が形の良い口を開けば白い歯がよく映える真っ赤な舌が覗く。

 周りの人間を、敵味方関係なく人間を魅了する絶対無二の女王。
 美鈴が人間の山から一人を選んでナマエに差し出せば、だらしなく傾いた首筋に手を当て、静かに瞼を下ろす。

「頂くわ」

 人間が食事の前に手を合わせるように、上品な言葉を口にすると鋭く尖った両の牙が妖しく光った気がした。
 そのまま首筋に埋め込まれ、溢れ出る血液を吸い上げる。それまでの動作全てが止まったように見えた。

 一口分喉が動くと口を離す。

「……駄目ね、美味しくない」
「はぅ〜! やっぱり咲夜さんみたいにはいきませんか……」
「咲夜に勝ると思っていたのね、可愛い子」


「あら、美味しそうな男がいるわ」
「まーたナマエ様の悪い癖が出た」



「汚い弾幕……本当の弾幕を魅せてあげる」

 艶やかな笑みを浮かべるナマエに男たちは思わず生唾を飲む。

 美鈴はこれから見られるであろう光景に頬を染め息を飲んだ。




→KLK。

・今回の従者は美鈴。

「あら。私に勝負を挑んでいるのかしら?」
「ナマエ様。お戯れも程々にお願いしますね」
「人間って無謀なことが好きなのね」
「……あの者の服から妙な気を感じます」
「そう。お前が言うのだから間違いは無いわね」


・vs蛇崩

「私に弾幕勝負を挑むなんて命知らずね」
「何なのよアンタ!!」
「鬼符『公爵夫人の子守歌』」

 蛇崩の攻撃を全て避けると高らかにスペルカード宣言をする。


「ふぅん。服が無くなればただの人間の子供ね」

「あら、吸血鬼の力を借りるのに対価が血液なんて有りがちだったかしら?」
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