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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -

▽FGO湖の乙女主(鯖主/FGO/×DC/→MHA)
レアリティ:☆4
クラス:キャスター
出典:アーサー王物語
属性:秩序・中庸
隠し属性:地
真名:ナマエ
時代:五世紀ごろ
地域:ブリテン

筋力:D
耐久:D
敏捷:C
魔力:A
幸運:A+
宝具:B+
所有カード:Quick×1 Arts×3 Buster×1

・クラススキル
陣地作成[B]:彼女の場合工房ではなく湖とその中に聳える城を作る。‐自身のArtsカードの性能をアップ
道具作成[A]:かの有名な聖剣も彼女が作ったとか作っていないとか。‐自身の弱体付与成功率をアップ
混血[EX]:妖精との血が混ざっており妖精としての性質を十全に備えている。‐自身に毎ターンNP獲得状態を付与

・保有スキル
高速詠唱[A]:かつての師とは違い詠唱中に噛むことはほとんどない。‐自身のNPをすごく増やす
魔術師の弟子[EX]:本人的には大いに不本意だが、彼の魔術師の愛弟子でありその技量の殆どをを受け継いでいる。‐味方全体のHPを回復/味方全体の防御力をアップ
魔力節約:少ない魔力でも十全に魔術を扱える。‐自身のクリティカル発生率をアップ/自身のArtsカード性能をアップ/自身のNPを増やす

宝具:悪戯好きな湖の妖精達フラワリング・オブ・フェアリー→強化後:悪戯好きな妖精郷の住人フラワリング・オブ・フェアリー(B+/Arts/妖精宝具)
彼女が召喚する花から出てくる無数の妖精達。彼女の友達であり、数の暴力で何とかする宝具。‐敵全体に強力な防御無視攻撃&敵全体に確率でスタン状態を付与(1ターン)&敵全体の防御力をダウン(3ターン/強化後)


 アーサー王物語に於いて“湖の乙女”と呼ばれていた存在そのもの。複数人いるとされているが詳細は不明。ただし伝承とは一部異なる人生を送っていた。(妄想の末のFate世界での話だと思って頂ければ)
 人と妖精との間に生まれた女。見た目はうら若い女性だがこれは妖精との混血による長寿であり肉体の成長が著しく遅い為。実年齢はかなりいっているらしい。

 妖精に唆され彼女を身籠った母親は魔女と糾弾されるが、それでも彼女を育て上げ亡くなった。独りになったナマエはとある湖の底に沈んだ城に住むようになる。そこからはエクスカリバーをアルトリア王に渡したり、ベイリン卿に首を刎ねられたり、孤児だったランスロットを拾い育てたりと、大凡は史実通り。首を刎ねられた時は妖精としての性質と加護によりそう“見せていた”だけ。

 マーリンと出会い彼の弟子となってからは色々と苦労したらしいがそのお陰で彼から魔術師としての技量を十全に学んだ。
 マーリンの元を離れ暫くしてから彼が幽閉されたと妖精の噂で聞く。アヴァロンに戻ってみるも塔は既に封印されており、それを施したのが彼自身だと分かると塔の周りに花畑を築きその場を去る。
 その後ペレアス卿と恋仲になり結婚、彼の死後は妖精郷と外界を行き来しながら長い生涯を全うした。妖精郷と外界を行き来出来るのは彼女が妖精と人間混血である故。
 (以上、妄想・捏造を含む彼女の人生。)

・セリフ

開始1「そうね、さっさと終わらせましょう」
開始2「戦いはあまり好まないのだけど、マスターの為なら」
スキル1「湖の妖精の加護を」
スキル2「受け取って!」
コマンドカード1「ええ」
コマンドカード2「そうね」
コマンドカード3「任せてちょうだい」
宝具カード「堪え性のない子ね」
アタック1「そこっ!」
アタック2「どう?」
アタック3「いくわ!」
エクストラアタック「こんな感じかしら」
宝具「みんな集まって。──『悪戯好きな湖の妖精達フラワリング・オブ・フェアリー』!!」
ダメージ1「くっ」
ダメージ2「きゃっ」
戦闘不能1「私はここで降りるわね」
戦闘不能2「マスター、ごめんなさい」
勝利1「まぁ、こんなものね」
勝利2「この勝利をマスターに」
レベルアップ「また一つ」
霊基再臨1「これが霊基再臨……衣装が変わって面白いのね」
霊基再臨2「私のような凡庸サーヴァントにここまでしてもらえるなんて、幸せなことね」
霊基再臨3「ヴィヴィアン、ニミュエ、エレイン、ニニアン、ニマーヌ……沢山の名を持つ私だけれど、ここでの私はナマエよ」
霊基再臨4「私のためにここまでしてくれるなんて……これまでにない最高の私がここにいるわ」

絆Lv1「何かしら? あまりベタベタされるのは好きじゃないのだけど……」
絆Lv2「マスター、ちょうどいいところに。紅茶でも飲みながら、少しお話でもどうかしら」
絆Lv3「触りたいの? 良いわよ。好きなだけ触って」
絆Lv4「貴方の手は不安定で折れそうだけど、ちゃんと掴むべきものを掴めている。強くて、温かい。ちゃんと生きている人間の手。私は好きよ」
絆Lv5「あの人以上に誰かを愛することなどないと思っていだけれど……貴方といると幸せな気分で満たされるわ」(あの人=ペレアス卿)
マイルーム1「暇ね。何処かへ行くのなら付き合うわ」
マイルーム2「貴方は私の首を撥ねたりしないわよね?……ふふ、冗談よ」
マイルーム3「貴方も聖剣が欲しい? そうね、考えておくわ」
マイルーム4「そういえばあの子、あの約束を覚えているのかしら? 聖剣を返納したから無かったことに、なんて美味い話は存在しないのよ」(アルトリア・ペンドラゴン所持時)
マイルーム5「彼には魔術師の技量を教わったから尊敬すべきなんでしょうけど、あの人のだらしなさがそれをさせないのよ。特に女性関係は……半分夢魔だから仕方ないと言ったらそれまでなのだけど」(マーリン所持時)
マイルーム6「あの子の女性に対する態度……どこかで育て方を間違えたのかしら」(ランスロット所持時)
マイルーム7「マスターからもマシュに言っておいて欲しいのだけど、私のことは“お祖母ちゃん”ではなく“お姉さん”、もしくは“スーパーマム”と呼んでちょうだい」(第六特異点クリア後)
好きなこと「意外に思うかも知れないけど私、賑やかなのも好きなのよ」
嫌いなこと「……女手一つで私を育ててくれた母を悪く言う輩は嫌いよ」
聖杯について「聖杯に願い?……今叶えてほしい願いはないから貴方が使いなさい」
イベント開催中「何だか騒がしいわね。行ってみて確かめましょう?」
誕生日「貴方が生まれた大切な日だもの。聖剣の一つでもプレゼントしたい気分ね」
召喚「キャスターのサーヴァントよ。そうね……アーサー王伝説の“湖の乙女”と言えば分かるかしら?」

・他のサーヴァントのナマエ所持時のセリフ
マーリン「彼女はね、私の最初で最後の恋だっだ。秘匿すべき神秘の全てを教えてでも繋ぎ留めておきたかった唯一の存在さ。……まぁ今も猛アタック中なんだけどね!」
虞美人「まさかあいつとも契約するなんてね。お前、相当な果報者よ。あいつ……ナマエは魔術師としては相当なモノよ。ただ、ナマエと恋愛話すると必ず昔の男の愚痴になるのだけは勘弁してほしいわ」
アルトリア「折角聖剣を授けて下さったのに私はその期待に応えきれなかった……せめて彼女との約束は果たさねば……」
ランスロット「はぁ……あぁ、いえ……先ほど女性関係の事で母上に注意を受けまして……しばらく放っておいて頂けると有難いです……」
マシュ「お父さんの育ての親ですので私のお祖母ちゃん……になるのですよね。でもこの間お祖母ちゃんと呼んだら怒られてしまいました、そんなに老けて見えるのか、と……何と呼べば良いのでしょうか」

▽水着ver

レアリティ:☆5
クラス:セイバー
属性:秩序・夏
隠し属性:地
真名:ナマエ
時代:五世紀ごろ
地域:ブリテン

筋力:C+
耐久:D
敏捷:C
魔力:B+
幸運:A+
宝具:A+
所有カード:Quick×1 Arts×2 Buster×2

宝具:帰還せし王への剣エクスカリバー・アゲイン(B+/Buster/対軍宝具)
 返却された聖剣。陣地作成により湖を作ることでそこから宝具である聖剣を取り出し発動させる。‐敵単体に超強力な攻撃&自身のNPをリチャージする<オーバーチャージでリチャージ量アップ>

・クラススキル
対魔力[A+]:並の魔術は効かない。‐弱体耐性をアップ
騎乗[C]:人並みに人慣れした物ならばそれなりに乗りこなせる。‐自身のQuickカードの性能をアップ
混血[EX]:妖精との血が混ざっており妖精としての性質を十全に備えている。‐自身に毎ターンNP獲得状態を付与

・保有スキル
サマー・プレジャーシーン![B]:夏は開放的になってあんなことやこんなことをしてしまいそう。湖の乙女は海との相性も最高! 別名、魔力放出(水)。‐自身のBusterカード性能をアップ&宝具威力をアップ
湖の妖精(夏)[A]:水の妖精である彼女にとって湖に限らず水辺は全てテリトリーと化すのだ。‐自身のNPを増やす&〔水辺〕のあるフィールドにおいてのみ、自身の攻撃力と防御力をアップ
英雄作成[C]:偽名時代にランスロットを育てた輝かしき経歴から。でも彼の女性関係だけは育て方を間違ったかもしれないと悩んでいる。‐味方単体のBusterカード性能をアップ&味方単体の最大HPを増やす&味方単体のクリティカル威力をアップ


 返納された聖剣を携え海水浴を楽しむナマエ。水着は黒色のパレオ付きホルタービキニ。聖剣を背負う際邪魔にならないよう長い髪を後ろで一つに纏めている。
 キャスター時より筋力や耐久が上がっているのは強化魔術を施している為。魔力が下がっているのもその影響。
 再臨前は水着の上に丈の短いTシャツを着ており、再臨でパレオの色が変わったり髪型を変えたりTシャツを脱いだりするが最終再臨ではパレオを外した黒のホルタービキニのみの姿。




・もしも虞美人の様に正体を偽ってマスター候補生をしていたら、というifを妄想した時の名残のマイルームセリフ。後に立香の鯖として契約する設定だった

マイルーム「あの子は真面目だから変に劣等感を感じちゃうのよ。周りがより秀でていただけで、あの子だって相当優秀な魔術師よ?」(Lostbelt No.1クリア後)
マイルーム「そうね、あの子の瞳に映るそれは確かに恋だったわ……。カルデアにいた頃は恋なんて知らない魔術師の女の子だったけれど、最期に素敵な恋を知ったのね」(Lostbelt No.2クリア後)
マイルーム「まさか自分と同じような存在と南極の山の上で出会うなんてね。あの子わたし以上に人間嫌いだから色々と心配していたのだけれど……でも本当に、旦那と再会出来て良かったわよね」(Lostbelt No.3クリア後)
マイルーム「ヒナちゃん……あ、もう虞っちゃんって呼んでいいのよね。あの子とは存在が似ているのよ、永く生き過ぎた妖精と精霊だから……初めて会った時にお互い気づいたわ。だから仲良くなれたのかもね」(Lostbelt No.3クリア後かつ虞美人所持時)
マイルーム「彼女とはよく恋愛話で盛り上がったのよ? 虞っちゃんの正体には何となく気づいていたみたいだけど流石にわたしの正体までは分からなかったみたいね。ふふっ、わたしの正体誤認魔術はよく効くのよ?」(Lostbelt No.4クリア後)

好きなこと「恋をするのは素敵なことよ。よくAチームの子たちとも恋バナしていたのよ?」
嫌いなこと「嫌いなもの? 浮気症なナンパ野郎。あんな奴を一時でも愛してしまった過去の自分を消し去りたい!……あーもう、思い出しただけでイライラする……!」
聖杯について「聖杯に願い? そうね……今は振り向かせたい人もいないし……他に願いもないから、君が使いなさい」




▼藤丸立香♂と聖杯戦争

タイトル:Fate/Repeat

 とある世界線におけるFGO本編後の話。
 人類史を救いマスターの任を解かれた藤丸立香♂が数年後に最愛のサーヴァント(夢主)と聖杯戦争に参加する。

 ストーリーは基本オリジナルで登場人物の殆どがオリジナルキャラクター。

 繰り返される聖杯戦争。終わりのない聖杯戦争。終わらせるための聖杯戦争。
 ループものではなく、別の聖杯戦争がまたすぐに始まってしまう。
 一回目で受肉したのは良いものの、その一年後にはまた新たな聖杯戦争に選ばれる。


・何回目かの聖杯戦争における各陣営設定。立香とナマエ以外はマスターもサーヴァントも都度変わる

セイバー組:/アーサー・ペンドラゴン(面識なし)
 人類史を救った立香に対して嫉妬している時計塔の優特生。名門の嫡男。元カルデアBチーム。
「本来ならばオレがその立場だったんだ! 貴様のような凡人が居ていい場所じゃない!!」
「喚ばれたからには全力で戦うのみさ」

アーチャー組:/アタランテ
 人類救済したい魔術師の名門の出のシスター。ちょい天草思想。
「全ての人を救いましょう。その為ならば手段は厭いません。神が遣わした天使様もいることですし」「ああっ。貴方も私に救わせては下さらないのですね」
「私は私の願いの為、マスターに協力している」

ランサー組:/カルナ
 根源へ至るためならば何でもする覚悟の魔術師。
「俺はこの聖杯戦争、勝利しか見ていない」
「マスターが望むのであればオレは戦うのみ」

キャスター組:藤丸立香/ナマエ
 人類史を救った“人類最後のマスター”とその相棒。カルデアの任を終えて学生に戻った。大学生。

ライダー組:/フランシス・ドレイク
 衰えた魔術師家系の男。一族の復権を願う。
「悪いな。一族の復権の為なら何だってするって決めたんでよ」
「いいねぇ。野望の為なら何でもするっていうその気概。気に入ったよ」

アサシン組:/エミヤ
 立香と同じ大学の男子学生。同じ学部だが面識はあまりない。
「藤丸、お前とはいい友達になれると思っていたよ……残念だ」
「微塵も思ってないくせに」
「はっ。バレたか」
「かつてマスターとなった者と言えど手加減はしない」

バーサーカー組:ルイナイン・ヘラッタ/ヘラクレス
 世界なんてなくなればいいと思ってる魔術師の女の子。訓練と称した虐待経験あり。
「いいからっ、バーサーカー全部壊して!!」
「――■■■■■!!」


・はじまりはじまり(立香視点)

 彼の万能人に人類最後のマスターと呼ばれていたのがつい最近のことのように思える。
 けれども、人理を修復しクリプターと戦い、全てを終わらせてからもう五年も経ったんだ。あの頃に比べると随分と穏やかな生活を送っている。

 カルデアを出てから魔術師とは無縁の生活に戻り、休学となっていた高校を卒業し大学に進学した。進学を機に東京は冬木にて一人暮らしを始め、来年には就職活動を控えた成人男子、大学三回生である。
 通常ならば聖遺物としてアーサー王が聖剣を授かったとされるスラダウ湖の水を用意する必要があるのだが俺にはそんな物は不要だった。
 絆が深まった証として彼女から貰った一枚の礼装。美しい湖が描かれたそれを、彼女が座に還った後も肌身離さず持ち続けていたのだ。

「数多いる英霊からわざわざ私を選んでくれたという事実が嬉しくて堪らないの」
「俺の相棒はずっとナマエだけだからね」

 人類史を救った英雄と讃えられようと沢山のサーヴァントと縁を結ぼうとも殊聖杯戦争に関してはてんで素人である俺に、ナマエは一からその仕組みを教えてくれた。
 七人のマスターと、エクストラクラスを除く七騎のサーヴァントによる聖杯争奪戦、それが聖杯戦争だ。生き残った者がその万能の願望器たる聖杯を手にし願いを叶える。勝者が手にする聖杯は、俺たちが聖杯探索グランドオーダーで手に入れた物とは規模が違い、本当にどんな願いでも叶えてくれるのだそう。あの時の物でさえ結構凄かったのにそれ以上ともなると溜息しか出てこない。
 前知識として多少は知っていたがこう改めて聞くと、カルデアでのマスターとして働いていた俺ですら夢のような話だ。

 それと、令呪の使い方もカルデアにいた頃とは違うらしく、それについても詳しく教えてくれた。令呪による各種スキルは存在せず、回復しない上に三画使い切るとマスター権を失ってしまうので考え無しに使ってはいけないのだと。命令権に関してはかなり強く作用するとも言っていた。
 そもそもカルデアでの令呪が例外なのであってこちらの令呪が本来の用途なのだが。
 同じものでも状況次第でこうも変わってしまうものかと、左手の甲に刻まれたあの頃と同じ模様のそれを見つめる。

 カルデアにいた頃はカルデアからの供給がなければサーヴァントの現界を維持出来ていなかったが今はサーヴァントは一人だけだし、ナマエは魔力節約のスキルで少ない魔力量でも十全に活動可能だから常に実体化していても魔力が余るくらいだった。



・聖杯にかける願い(立香視点)

「マスターは聖杯に何を願う予定なのかしら?」
「えっと……他の人からしたら小さな、本当にちっぽけな願いだけど……」
「そんなことないわ。ぜひ教えて」
「す……好きな人と結ばれたい……ずっと一緒にいたいんだ」

 言ってしまった。本人の目の前で言ってしまった。最早告白したも同然だぞこれは。恥ずかしさに顔が熱くなる。
 ナマエが俺の想いを受け入れてくれた暁には彼女の受肉を願うともりでいる。

「そう……わかったわ。必ず聖杯を貴方に持ってくると誓うから、安心して」
「……ん?」
「私にも願いはあったけれど、もういいの。マスターの願いの方が大事だもの」

 あれ、ちょっと待って。

「貴方が大切な人と結ばれるその為ならばどんな者でも倒すわ」

 あれ、これ伝わってないんじゃね。



・何度目かの聖杯戦争にて(上記とは別の陣営)。神秘の秘匿から日中に戦うことは滅多にないので羽を伸ばそうと二人で海水浴へ。デートじゃん! と内心はしゃぐ立香と水着姿のナマエ。

 夕暮れの水辺、二人きり、日が沈みかけてきた頃。重ねられた立香の手から焦れるくらいの熱がナマエへ伝わっている。
 砂浜に並んで座る二人の影ががゆっくりと重なろうとした時だった。

「――!」
「っ!?」

 ランサーのサーヴァントからの強襲がマスターである立香を襲うが寸でのところでナマエの防御魔術がその切っ先をしっかりと防いだ。

「よくも邪魔してくれわね……」
「あっ……」

 怒りの感情をあらわにした彼女の背中に魔力によって生み出された武器を見て、立香は短く声を漏らす。

「ランサー、気を付けた方が……」
「へっ、自分を襲った敵さんに!?」

 相手がかつて自分と契約を交わしたことのあるサーヴァントだったせいか立香は咄嗟にランサーへの同情心で助言をしてしまったが、もう遅い。
 ドレスを脱ぎ水着を纏った今の彼女はキャスターのサーヴァントではない。

「水着の時のナマエはセイバーだから」
帰還せし王への剣エクスカリバー・アゲイン!!」
「何だそれえぇええええぇ!?」

 キャスターとしての豊富な魔力を使用したセイバークラスでの宝具使用。返還された王の剣を再現したそれはランサーをあっさりを吹き飛ばした。

「えぇ、クラスチェンジって……何でもありかよ……」

 物陰から様子を伺っていたランサーのマスターが口元を震わせながら呟く。独り言のつもりだったそれにどこからともなく誰かが返事をする。

「はい、ありですよ。今回の聖杯戦争はクラスチェンジにプロトタイプに何でもありの戦争です」
「!?」

 男が振り返った先にはカソックを纏った褐色白髪の男が穏やかな笑みを湛えて立っていた。

「あ、天草だ」
「またお会いしましたね。カルデアのマスター」
「元、ね」
「何にこやかに談笑してんだ! つかお前誰だよ!?」
「申し遅れました。私の名はシロウ・コトミネ。聖堂協会から派遣された監督役です」
「天草監督役なの? それ大丈夫?」

「いえ全く。この聖杯戦争における聖杯は私の願いを叶えるに値しないもの。ですので、ほんとうにただの協会から派遣されたあれですよ。まぁルーラーなのでちょうど良いでしょう」
「テキトーだな!」
「テキトーだね!?」

 ランサーのマスターと立香のツッコミが重なる。立香の後ろで睨むように天草を見やるナマエに、天草はいつもの笑みを向けた。



・真相案

 実は聖杯戦争は最初の一回しか行われておらず、再会したナマエと離れたがらない立香の願いによって延々とループしていた。

 もしくは。実は本編後の世界などではなく立香への愛が抑えきれなくなったナマエが起点となった特異点で、立香を取り込んで延々と聖杯戦争を繰り返している。マーリンの魔術を十全に備えているのであらゆるサーヴァントの干渉を拒み続けている。(故にルーラー枠とはいえ天草が干渉してきたことにナマエは内心焦りを感じている)
 見かねたマーリンが単独顕現を上手いこと利用して介入、ナマエが水着霊基でセイバー陣営なのを良いことにキャスター陣営のサーヴァントとして、何度目になるか分からない聖杯戦争に参加。ナマエの目を盗んで(夢に干渉するなど)立香とコンタクトを取り真実を伝え、立香にけじめを着けさせる。悔しいけど私では駄目だから、マスター、君が彼女を止めるんだ。
 両片思い拗らせるぐだ主。




▽藤丸立香♂と受肉済み元サーヴァントが事件に巻き込まれながら一生懸命に生きる(Fate×dc)

藤丸立香:人類史を救った“人類最後のマスター”その人。カルデアでの全ての任を終え、一般人に戻った。その際褒美として小聖杯を貰ったので晴れて恋仲となったナマエの受肉にこれを使用。カルデアにいた期間は海外留学ということになっており帰省後は通っていた帝丹高校の2年B組に進級。

ナマエ:キャスターのサーヴァント、アーサー王物語に登場する“湖の乙女”その人。人理修復中に立香と恋仲となり受肉して彼と共に一般人として過ごすことに。現在は彼の恋人として藤丸家に居住し彼の通う帝丹高校に転入。妖精系女子。

マシュ・キリエライト:立香と契約していたデミ・サーヴァントであり、彼の後輩。今でも連絡を取り合うなど関係はすこぶる良好。現在は局員として勤務し、人理修復の功績からたまにならば外出も許可されている。

ダ・ヴィンチ:カルデアの技術開発部部長。表世界ではレオナルドという名前の謎多き女史として様々な分野に貢献している。

ゴルドルフ・ムジーク:カルデアの現所長。それなりに有能で信頼も人望も厚い。料理上手。カルデアの存在が秘匿のため世界的知名度はほぼない。

シャーロック・ホームズ:カルデアの経営顧問。立香をおちょくるのが楽しくて仕方がない人。

マーリン:アーサー王物語に登場する大魔術師。ナマエに惚れ込み自ら師匠となって自分の持てる技量の全てを教えた。単独顕現スキル持ちなのでマスターがいなくても現界可能。


 主に聖杯転臨に使用されていた小聖杯。レベル100越えの聖杯ならば受肉も出来るかもしれないね、とはダ・ヴィンチちゃんの談。

「ナマエ、俺と一緒に生きてほしい」
「嬉しい……私も貴方と一緒に生きたい」


▼ベイカー街の亡霊。ノアズアークにBBちゃんが干渉している

「コクーンはの天才レオナルド女史との共同作品なのさ」

 謎の天才少女レオナルド。芸術や技術の方面で一躍有名となった新進気鋭のクリエイターで分かることはレオナルドというハンドルネームを持つことと声は女性であること。ネットの一部ではAIなのではないかという説も出ている。


『人理修復ゲーム“カルデアス”。悪い魔術師によって白紙に戻された人類の歴史を元通りにするシミュレーションゲームだよ。召喚した様々な種類の兵士を指揮して勝利に導こう!』
「どこかで聞いたような内容のゲームだなぁ」
「ふふっ。もう一度人理を取り戻しに行く?」
「いや、あの旅路は、あれ以上の旅路は二度とないよ。ロンドンの方にしない?」
「私は立香のやりたいゲームについて行くわ」


「当然の如く魔術も使えないわね」
「ナマエが無理なら俺はもっと無理だろうね」


「ジャックザリッパーに気をつけろ〜、夜道でお前を待ってるぞ〜、死にたくなけりゃどうするか〜、お前も血まみれになるこった〜」

 浮浪者がアコーディオンを弾き語りながら立香たちの横を通っていく。嫌悪感を示す少年たちの傍らで、ふと立香は足を止めて浮浪者を振り返った。

「今の人……」
「……どうかしたの? 立香」
「いや、何となくだけどさっきの人、俺知ってる気がするんだ……」


・舞台袖でアイリーンの姿を確認する

 舞台上で照明を浴びて輝く女性はコナンが予想していた自身の母ではなく、情熱を乗せたような暖かなオレンジ色の髪と太陽を思わせる金色をした若い女性であった。
 舞台袖にいたほとんどが彼女に目を向けている中、ナマエだけはその姿を見て、自身の座に記録されていたとある人物と照らし合わせ、ある種の懐かしさを感じていた。

「ダ・ヴィンチちゃんのことだからてっきりアイリーンは自分の姿にすると思ってたけど……」
「彼女はね、もう一人の貴方なのよ立香」
「もう一人の、俺?」
「そう。彼女はもう一人の藤丸立香」


・ジャック・ザ・リッパーと対峙

「やっぱり。ジャックといったら君だよね」
「子供!?」
「しかも女の子!?」

「?あなたはわたしたちのお母さん?」


・浮浪者の正体について

「何だ君たち。まだ血まみれじゃあないのか」
「……思い出した。この匂い、ホームズがいつも咥えてたパイプの匂いだ」

 車両の屋根に浮かび上がったホログラムの浮浪者は映像を乱れさせ、別の姿へと変化させた。
 懐かしい、例の滝つぼへ自ら身を投げたあの日の彼の姿が鮮明に脳裏に浮かび上がる。

「やっぱりBBちゃんは優しいなぁ。ちゃんとヒントを用意してくれてるんだもん……ありがとう!」

 どういたしましてせーんぱい。いつもと変わらぬ彼女の朗らかな声が聞こえた気がした。




▼MHA世界に転生した夢主にマーリンが猛アタックしてくる(マーリン/FGO→MHA)

・マーリンが夢を介して会いに来る

「今の君はどこにいるんだろうね」
「……会いたいのなら、会いに来ればいいでしょう? 貴方なら簡単なはずよ」

 そもそも、こうして私の夢に干渉できている時点で私の居場所を把握しているも同然ではないか。
 幾重にも広がる世界の一つで永遠ともいえる時を過ごしている彼だが、カルデアで召喚されたように見せていた時同様に塔から抜け出してここへ来ることなど造作もないはずだ。

 彼は、かつての私に惚れ込み魔術師ならば秘匿せねばならない己の粋の結晶である魔術を惜しみなく自ら教えを説いた愚かな男である。


・マーリンがアヴァロン抜け出して雄英の非常勤講師始めた

「やあ。今日からこのクラスの外国語を担当するマーリンお兄さんだよ」

「君は……名字さんだね」
「去ね」
「初対面の先生に対してひどいなぁ」
「……どの面下げて言ってるのよ」
「男前だろう?」
「……」

 この人の減らず口には呆れを通り越して尊敬すらする。

「もう一度アヴァロンに閉じ込められたいようね」
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