▽焦凍の双子の妹は無個性(MHA) |
---|
MHA。焦凍の双子の妹は無個性。n番煎じネタ。 とりあえず書きたい所を書いたら満足しちゃったので収容。 タイトル:要らない子 轟焦凍の双子の妹は無個性だけどフィジカルエリート。髪の色は焦凍と左右対称で右が赤で左が白、目の色も同様。無個性故にエンデヴァーから目をかけられることもなく、プロヒーローの子供なのに無個性だから友達も出来ず、悔しいので影で身体鍛えまくったらフィジカルエリートになった。まぁ腐ってもエンデヴァーの子供だからね、戦闘センスも良い。文武両道、身体能力も高く武器の扱いも一流。“個性”はないが体質は両親のものを色濃く受け継いでおり寒さと熱に対する耐性が強い。 焦凍は自分が夢主の個性を奪ってしまったと気に病んでいた時期もあったけどあっけらかんとしている夢主を見て考えを改める。 父親を見て育ったのでヒーローになるつもりなどさらさら無く雄英普通科に余裕合格。体育祭でフィジカルエリートっぷりを如何なく見せつける。本人はヒーロー科とか興味なくただただ体動かすの楽しんでるだけ。 ・騎馬戦は心操とクラスメイトの友達なので普通に組む。 ・一回戦、対ヤオモモ、動体視力の良さを活かして全ての攻撃を躱し、タングステンの盾も凹ませるパンチを見せつけ、最終的に一本背負でヤオモモを場外へ。二回戦、対芦戸では酸攻撃に苦戦するかと思いきや速攻の特攻、。三回戦、対爆豪では爆発などどこ吹く風、手のひらさえ気をつければ平気だよね、と爆発を翻弄し、ふと思い出したように動きを止め、焦凍と戦いたくないという理由で棄権。今の焦凍と戦ったらきっと兄弟喧嘩に発展しちゃうから。それに十二分に体を動かせたから満足した! ・荼毘を見てすぐに燈矢だと気づく。 「無個性だからヒーローを目指してないって思われるのが一番嫌」 「この時代に生まれた子供は一人の例外なくヒーローを目指すのが当たり前と思っている事自体がナンセンス」 「“個性”の有無とか関係なくヒーローに興味ない人なんて沢山いるでしょ」 ・兄妹喧嘩しようぜ(体育祭) 「ヒーロー科が無個性なんかに負けてんじゃねぇよ」 誰かのヤジが聞こえてくる。耳障りだ。 「焦凍は知らないだろうけど……というかお父さんもお母さんもお姉ちゃんも夏兄も知らないことなんだけど、私熱さと寒さに強い体質なんだよ。だからちょっとのことじゃ火傷もしないし指先が震えることない」 燈矢兄が何よりも欲しがった体質を、無個性の私が持っている。なんて皮肉だろう。 「だから、焦凍の氷も私には効かない」 「ッ!」 体の半分以上を覆う分厚い氷の塊を拳や肘を使って殴り割って抜け出す。寒さはあまり感じないが流石に痛い。どうせこんなことになるだろうと予想していたが双子の妹にも容赦ないんだもんなぁ。 『拳で分厚い氷を割った〜〜!!? どうなってやがんだ轟家!!』 「焦凍、炎の“個性”使いなよ」 「っ……親父の力は使わない」 「はあ!?」 「確かに炎は親父からの遺伝だけどそれが何でそうなるの」 「親父はお母さんを傷つけて、おれ達家族をないがしろにした……! 俺はあいつの力なんてなくても立派なヒーローになるって決めたんだ!」 「……控え室で親父に何か言われた?」 「!」 「図星か。ちなみに私は何も言われてないよ。私の意志でここに立って、焦凍と喧嘩する気でいる」 親父はいつも通り、私なんかに興味なし。 「昔みたいに私に気使ってるだけなら一発殴って許してたけど今のは流石にカチンときた」 「一発くらいじゃ許してやんない」 『こんな無個性いていいのか!?』 「無個性だからヒーローにはなれないなぁ」 「うーん、無個性なのが惜しいな」 「“個性”があればサイドキックにスカウトしてたのに」 「確かに強いけどそれだけじゃあヒーロー科に編入は無理だね」 「無個性だから仕方ない」 ピタリを動きを止めて睨みつけるように観客席を一瞥しプレゼント・マイクを見上げる。 「“無個性だから”、何?」 “無個性だから”という言葉が一番嫌い。 どんなに努力をしても『“無個性だから”他の事で頑張らないといけないもんね』。ヒーローに憧れてないって言えば『“無個性だから”目指しても仕方ないもんね』。 何を言っても何を行っても私の言動には常に“無個性だから”という言葉がついて回る。もううんざりだ。 努力の有無に“個性”なんて関係ないし、仮にもし私が“個性”を持っていたとしてもあの父親を見てヒーローに憧れを抱くわけがないのだ。都度その旨を説明しても結局“無個性の負け惜しみ”として捉えられてしまうので私は否定することすらやめていた。 「無個性だから何なの?」 「何をしても何をしなくても“無個性だから”って枕詞を付けられる……もううんざりなんだよ」 「“無個性だから”なんだよ。“無個性なのに”何なんだよ!」 「“個性”を持ってたら偉いの!? “個性”が無ければ人間じゃないの!?」 「あんたら何様のつもりだよ!?」 「みんな等しく同じ人間じゃん!」 “個性”を前に人は不平等だ。 「無個性なら憐れまれなきゃいえけないのかよ……無個性なら見下してもいいのかよ……」 「誰も私を見ない……世間にとって私は“無個性の人”でありエンデヴァーの娘でしかない。轟名前じゃないんだよ」 「ん〜、なんか言いたいこと言ったらスッキリしたわ」 「私は元来の性格と環境が合致しただけで、無個性で悩んでる人がほとんどだろうから、私の言葉が無個性の人達の意見だと思わないで欲しい、私を無個性の代表みたいに扱わないで欲しい」 「そもそも無個性に代表なんて必要ないんだよ。“個性”の有無以前に一人の人間として見るべきなんだ」 ・そもそも荼毘=燈矢と気付いていた 「私は知ってたよ。荼毘が燈矢兄ってこと」 「知ってたって言うのは語弊があるのか。気付いてたって言うのが正しいかも……初めて荼毘を見た時に、あ、燈矢兄だって感じたの」 「焦凍は天然だから気付けないだろうけど、私は気づいた」 「俺は天然じゃねぇ」 「天然はみんなそう言うんだよ」 「気付いてたなら何でそれを言わなかった!?」 「言ったところで何? 私が燈矢兄だって気付いた時にはもう荼毘として罪のない人を何人も殺した後だったし、どうせ伝えたら伝えたであの人、自分のせいでとか何とか言って腑抜けになるに決まってる。現に今なってるじゃん」 「それに私の言葉を聞いてくれなかったのはそっちでしょ?」 「名前って相当根に持つタイプなんだな」 「名前お前……! 瀬古杜岳に行ってたのか……!?」 「うん。燈矢兄が心配で秘密の特訓にこっそりついて行ってたの……」 「あの日も、燈矢兄が心配でこっそりついて行ったの……」 「子供だからって見下しておざなりにお母さんに押し付けて、怒鳴って言うことを聞かせようとしたあんたが悪いんだよ。ちゃんと燈矢兄と向き合って納得するまで誠意をもって説明すれば少なくともこうはならなかった。中途半端な状態で半冷半燃の焦凍に傾倒し始めてから燈矢兄は余計に追い詰められたんだよ。自分の格上に相対する劣等感と嫉妬心の醜さを一番よく知っている癖に、同じことを燈矢兄にするなんてさ」 「あんたの下らない劣等感と嫉妬心が燈矢兄を傷付けたんだよ」 ・荼毘vs轟家 「私は負けず嫌いなんだ!!」 「燈矢兄、瀬古杜岳で助けてくれてありがとう」 唯一燈矢を見ていた妹。燈矢を心配して瀬古杜岳にこっそりついて行っていて、燈矢が発火した際にこのままだと妹が巻き込まれてしまうと思い咄嗟に炎で吹き飛ばして逃げるように言っていた。 「流石の私でもあの炎に巻かれたら死んでたから……!」 「だから!!」 「あの時燈矢兄が私を突き飛ばして下山させてくれて嬉しかった!」 「!」 「あの時初めて燈矢兄が私を見てくれたから!」 「名前、ちゃ……」 「燈矢兄は私のヒーローだよ」 最後の最後に気付く。この子だけは、名前だけは自分を見てくれていた。見てくれていたのに、俺は無視した。父親以外に見てもらっても何の価値もないと思っていた。 温度差に強い体質に気付いたのは燈矢兄の秘密の特訓をこっそり見ていた時だった。燈矢兄の放った炎がたまたま物陰に隠れていた私に当たって、びっくりして飛び出した私に燈矢兄はひどく狼狽した。炎は直ぐに消え、無個性の私が火傷を負っていたら必然的に燈矢兄の秘密の特訓もバレて、妹を危険な目に遭わせたとして更に父からのあたりが強くなっただろう。しかし火傷どころか赤くすらなっていない肌を見てその時初めて私の体質について気付いたのだ。 燈矢兄にとって私は失敗作以前の存在だった。熱と冷の両方を持った子供が生まれたから、そのついでに取り上げられただけのおまけの子で。 “個性”を持っていないから同じ土俵に上がらせてもらえない。だから誰の目にも映らない。 しかしどうだ。蓋を開けてみれば燈矢兄が欲しくてたまらなかった体質を持っていたのだ。 それからこっそり燈矢兄の秘密特訓について行っては無個性だからと見下す同級生に負けないよう身体を鍛えていた。 |
<< 戻る >> |