×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

▽ウォロ夢(pkmnLA)
 LA夢主(≒主人公≠ヒカリ)。年の離れたヒカリの姉、ゲーム軸冒頭時点でヒカリは生まれたばかり。ウォロ相手。ヒスイでの冒険を経て心身共に逞しく成長し、朧げな記憶だけを持って元の時代に帰る。

 ウォロ戦後はウォロに対して敬語を外す。夢主から逃げるようにウォロは姿を消すが結局ヒスイから出る事はないので事ある毎に夢主に居場所を特定されその度に悪態をついては逃げる様に姿を消しまた見つかる、というイタチごっこを繰り返していた。
 ある日いつものように見つかり、逃げようとしたウォロを捕まえて図鑑が完成したから見てくれと図鑑を渡す。一応目を通しておきましょう、と渋々感を装いつつ興味深げに図鑑を読むウォロ。図鑑を見終え「まぁ貴女にしては頑張ったんじゃないですか」と嫌味っぽく返しても、目を輝かせながら図鑑を読んでいたのを知っているのでナマエは優しく微笑むだけ。それが余計にムカついたので、図鑑も読み終わったことだしさっさとこの場を去ろうと立ち上がったウォロにナマエが口を開く。

「今日は貴方にお別れを言いに来たの」

 図鑑が完成したからこれからアルセウスに会いに行く、その先できっと元の時代に帰れる。そういう予感めいた自覚がある、と続けるナマエ。
 は、と振り返ると寂しそうな表情をしているナマエがいて、ウォロとの追いかけっこ楽しかったよ、とすぐにいつもの笑みを作る。衝撃の事実に固まっているウォロを残してその場を去ろうとしているナマエになんて声をかけていいのか分からず、何かを言わなくてはと口をついては出たのは「見つからないように細心の注意を払っていたのに何故見つかるのか」と、ずっと疑問に思っていたことだった。いやそうじゃねぇーだろ、と心で自分にツッコミを入れるウォロだったが夢主は素直に「うーんそうだなぁ……」と考えるそぶりを見せて、悪戯を思いついた子供のように「今からずっと先の未来……私の時代でまた出逢えたら教えてあげる」と悪戯っぽい笑みを浮かべてウォロの元から去り、元の時代へ帰る。
 その言葉を信じている訳でもナマエと再会したい訳でもないが、彼女が去った後もウォロは長い歳月を生き続け、アルセウスと出会うという建前を掲げたまま彼女を探し続けることとなる。
 そうしてついに夢主の時代まで生き続けたウォロだったが、そもそもこの時代がナマエの生きている時代とは知らないので、百年以上の歳月を費やしても夢主を見つけらずいいることに苛立ちが募っていた。
 更に数年が経った頃に髪の色と髪型は違うがそれ以外は夢主そっくりの女の子がチャンピオンとなった旨をたまたま通りかかった街頭テレビで知り、現チャンピオンであるヒカリに接触しナマエの情報を知っているかそれとなく聞き出そうとした時にヒカリのスマホに着信、相手は件のナマエでありスマホ越しの声を聴き本人であると確信し同時にヒカリからの呼び名で彼女の姉であることも知る。電話を終えたヒカリに、彼女の姉の知り合いでありナマエを探している旨を伝え居場所を訊き出す。
 曰くナマエは数年前から他の地方で暮らしているのだと。それを聞き、道理で見つけられなかった訳だと納得と憤慨。その足でその地方へ。
 道中ナマエの居場所を尋ねながら情報のあった町へ行くとすっかり大人に成ったナマエを見つけ、ようやく再会。
「うわっ……わざわざここまで探しに来たの?」
「お前が再会したら答えを教えるって言ったんだろうが!」
「その口約束だけで百年以上も私を探していたの? やば、愛じゃんもうそれ」
「違う!」

 ここでは目立つからと、場所を変えてカフェへ。

「何故違う地方に行ったんです」
「そうしたら貴方は私を見つけられないでしょう?」

 くっそいい笑顔で答えるナマエ。

「(このクソガキ……)」
「でも、また出逢うことが出来たから、答え、教えるね」

 そう言ってスマホを取り出して何かを操作するナマエ。そして何かに気付いて嬉しそうに頬を緩ませウォロを見上げる。当然ウォロには何が何だか分からない。

「後生大事に持っててくれたんだね」
「は? 何を――」

 そこでウォロは何かに気付き、リュックから昔猫を被っていた頃に渡されたアルセウスを象ったナマエ手製のぬいぐるみを取り出す。ボロボロで所々継ぎ接ぎされているそれを見て更に嬉しそうに笑うナマエ。

「やっぱり。大事にしてくれてたんだ」
「……アルセウスを象っているものですから、仕方なくです」
「実はそれに忘れ物防止タグ入れてたんだよね」

 ポケットに入れたままスマホと共にヒスイに持って行っていた、タグの位置をスマホから確認できる“忘れ物防止タグ”。何故かあの時代でもアルセウスフォンから位置特定が出来ることが分かりどうせなら調査中でも物が買えるように流浪の商人であるウォロに持たせておこうと、ぬいぐるみの中に仕込んで渡しておいたのだ。
 その真実を教えられたウォロはぬいぐるみを割き中からタグが出てきたのを確認してタグを地面に叩きつける。

「ストーカーか!!」
「合理性を考慮した結果でーす」
「……貴女、実はワタクシより性格悪いのでは?」
「あらようやく分かったの」
「……」
「あの時はとにかく早く図鑑を完成させて元の時代に帰りたかったから。手段は選んでいられなかった」
「……」
「まぁ完成した図鑑を見せるのに探す手間が省けたから結果オーライじゃない?」
「……わたくしは貴女が嫌いだ」
「そう? 私は貴方が好きよ」



「それで? まだアルセウスを狙ってるの? この世界には未解明の事象がまだ沢山眠っているのに、それらを見ずに新世界の想像を夢見るだなんて。片腹痛いわ」
「おい最後キャラ変わってんぞ」
「あらやだ、うふふ……それで、貴方の答えは?」
「……逆に訊きますがわたくしからアルセウスを取ったら何が残ると?」
「イケメンな顔とドブを煮込んだような性格」
「ぶん殴るぞ」
「オヤブンの破壊光線に比べたらぬるい」
「バケモンかよ」
「何百年と生きている貴方に言われなくない」




 そんなこんなでケンカップルここに爆誕。仲良く喧嘩しな。というウォロ夢。この二人に純愛とかは存在しない。確かに互いに愛はあるが決して清らか愛ではないく愛憎と情愛。最期は互いの腹を刺し合いながら一緒に死んでいくのが理想。
<< 戻る >>