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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

▽論破無印ゲーム沿い全員救済苗木夢(rkrn→dnrn)
※ストーリーネタバレ注意




 全員救済苗木夢。超高校級の忍者。表向きは超高校級のSPとして入学。入学前に同級生となる人たちの身辺調査を軽くしていたので全員の肩書きを知っているし戦刃むくろの存在も知っている。霧切の能力も知っているので信頼度でいうと霧切>十神≧その他くらい。
 仕事人間を思わせる真面目さを持つ反面プライベートでは抜けている一面も。故に第一印象は悪くなりがち。

 という夢主設定でゲーム沿い救済夢書きたかった。救済パートはスムーズにいくがあまりにも苗木君夢要素が少なすぎて一旦保留に。あとrkrn要素意味ないことに気付いた。混合夢前提でネタを書き始めるの良くない。ほぼ無理やり混合にしただけだもの。




「モノクマ。いくつか質問をしても?」
「ボクに答えられることなら何でも聞いて!」
「もし殺人が発生した場合、校則では“クロはクロであると知られてはいけない”とありますがクロとバレてはいけないとは設定された期間等があるということでよろしいですか? その場合具体的な日数乃至条件は? それとも犯行現場を見られなければクロは無条件で脱出出来るということでしょうか」
「いい所に目を付けたね〜! ま、本当はコロシアイが起きた時に伝えるつもりだったんだけどさ、何でも聞いてって言っちゃった手前だし、教えてやるよ」

「クロであることが他の生徒にバレてないかを精査するためのシステムとして殺人が起きた一定時間後に“学級裁判”を行います。そこで最終的に投票でクロを決めてもらうよ!」

「つまりここから出たかったらここにいる全員の目を欺けということですか……」

「ついでに聞いておきたいのだけれど、もし共犯者いた場合はその人もここを出られるの?」
「今度は霧切さんですかぁ! ま、答えますよ答えますとも! 共犯者がいたとしても、実際にクロとなるのは殺人を犯した一人だけです」
「ならば共犯には利がないということか」

「因みに先程から連呼している“オシオキ”というのは具体的にどういったものでしょう?」
「むむむ……色々探ってくるねぇ……名字さんは疑り深いねぇ」
「事が起きてから後出しで此方に不利なルールを追加されても困りますからね。あらゆる状況を想定して動くのはSPの基本です」
「オシゴト熱心だこと!」

「では最後の質問です」
「やっと最後かぁ。あぁもう早く言って、もう疲れちゃったよ!」
「むくろ……」
「えっ?」
「もしコロシアイが起きた場合被害者の躯はどうするのです?……江ノ島さん、どうしました?」
「いや、何でも……」
「えー、死体は事件の捜査が終わり次第冷凍保存しますのでご安心を。腐ってゾンビになったら別のゲームになっちゃうからね!」




・十神家にSPとして雇われていた過去があり、実際に十神の生命を救ったこともある。

「十神家と雇用契約を交わした過去があるというだけです」

「名字、俺を守れ」
「お断りします。雇用契約を交わしていない相手を守る義務はありません」
「ならばここで契約してやる」
「現在私は雇用契約を取りやめておりますので。それに二重契約はしないと決めてますのですみません」




「どうせ殺人を犯して出られたとしても監視カメラの映像の録画を世間に晒すくらいの事はやりそうですし、この場では清廉潔白を心がけるのが得策かと」

「なるほど。お前は完全に中立の立場でこのゲームを乗り切ろうという腹積もりか」
「中立? 何を寝ぼけたことを」
「……何だと?」
「仮にこれをゲームと称するならば敵はここにいる各々……ではなく敵は黒幕ただ一人であって我々は仲間ですよ」


「まさか彼の十神白夜ともあろう方が黒幕程度に良いように操られるのを良しとすると? どうやら私は貴方を買い被りすぎたようです」
「何を貴様……!」
「貴方程の方なら本当に為すべきことを既に分かっているのでしょう? こんな、誰もがやる気の無いゲームに一人やる気を出すよりも、もっと面白いことを」
「……ハッ。言うじゃないか」

「興ざめだな」

「俺を操った気でいる黒幕にきついオシオキを据えてやる」
「それでこそ十神白夜様。世界に名を轟かせるに相応しいお方です」
「そうと決まればお前の持っている情報を全て出せ」




「差し支えなければあなた方の個室を調べさせてもらいたいのですがよろしいでしょうか」

「勿論無理強いはしません。脱出の手がかり等がないか各個室の構造等をチェックさせて頂きたいだけです」

「私の部屋もご自由に見て下さって構いません」


「何かあれば私に気軽に相談して下さい。どんなに些細なことでも守秘義務順守。私は全力であなた方を守ります」
「そう言って油断したところを殺す腹積もりじゃありませんわよね?」
「そんな訳ないでしょう。私にとっての敵はこんなくだらないことを仕組んだ黒幕ただ一人ですから」
「確かに、そうだね」
「被害者であるあなた方は庇護されて然るべき存在です」


「さっき名字さんはみんなを庇護されるべき存在って言ってたけど……」
「勿論苗木君もその対象ですよ。ご安心ください」
「そういう事が聞きたいんじゃなくて……」
「では何を……?」
「その“対象”の中に名字さんは入っているの?」
「……私はあなた方を護りますから、そのための負傷は想定の範囲内です」

「苗木君はお優しいんですね。大丈夫ですよ。私はあなた方には殺されません。だってあなた方の誰かに殺されてしまったらあなた方を護るという内容に矛盾してしまいますからね」
「……その言い方だと黒幕に殺された場合は仕方ない、みたいに聞こえるんだけど」
「ふふ……苗木君は鋭いですね。ええまぁその通りですね。結果的にあなた方を護れれば黒幕に殺されてしまっても致し方ない事と割り切っています」
「それは違うよ!」
「……」
「みんなで生きてここから出るんだ。そこには名字さんもいないとダメなんだよ……!」
「……苗木君。貴方は本当に優しい人。その優しさをこれから先も忘れないでいて下さい」




・夜時間は部屋の外で待機しているので第一の事件を未然に防ぐ

「ならば貴女がすべき事は殺人ではありません。人を殺めた貴女をグループのメンバーは快く思うでしょうか」
「っ……!」
「貴女方がどんな苦労をしどんな思いでトップアイドルの座を守り続けてきたのかは分かりません。それは貴女方だけのものです」
「ですが人を殺める考えに至るまで追い詰められている事は分かります。大切な存在である事も……」
「っ……」
「だからこそ黒幕の思い通りになってはいけません」
「……ごめん、なさい……」




「名字さんは凄いよね。いつも冷静で、みんなの為に頑張ってて……」
「私は凄くないですよ。それを言うなら皆さんの方が凄いんですよ」
「え……」
「私は常に死と隣合わせの状況に身を置いていましたから、言ってしまえば慣れなんです」




「“知られたくない秘密や過去だ”と言って渡してきただけでその内容が“正しく真実である”という保証はありません。それこそ本人のみぞ知るところです」

「それを世間にバラされたからと言って世間がそれを立証する事は難しいのではないでしょうか」

「群衆の心理はそうはならないわ」

「ええ。ですから我々が取るべき態度は動揺でも否定でも肯定でもなく毅然とした態度で堂々と振る舞うことではないでしょうか」

 事実であろうと虚偽であろうと世間に公表されれば一時は信じてしまうでしょう。人間とはそういう生き物だ。

「万が一本当に知られたくない事実であったならば行く行くここから出た際にあの時の話は黒幕による嘘偽りであったと否定すればいい。本人が認めなければ良いだけの話です」

「へぇ〜。じゃあ名字さんは過去に人を殺したことがあるって事実を認めるつもりはないと?」
「肯定も否定もしません」
「箱を開けるまでは人を殺したことがある名字さんと殺したことのない名字さんがいる状態ってこと? シュレディンガーの名字さんかよ! うふぷ。でもみんなはもうすっかり信じちゃってるよ?」
「まぁこうなることを望んで敢えて私の秘密をそういうものにしたのでしょうし。精神がまだ未熟の彼らが動揺するのも仕方のないことですよ」

「それでも私は自分の信じる者を信じぬく、それだけです」

「苦しいときこそ堂々と、そして不敵に構えていれば良いのです」

・第二の事件も未然に防ぐ。不二咲は夢主に相談を持ち掛け、大和田は明らかな動揺が見られたので個人的に事情を聞きに行き、情緒を安定させる。

「どうしてそこまで頑張れるんだよ……」
「私はもう、友人が人を殺めている所を見たくない。ただそれだけ」
「……」
「私だって全然強くないんだよ。弱い自分を見せないように常に必死」

「本当に強くなりたいのならまずは弱い自分を受け入れることです」
「弱い自分を受け入れる……」
「そうすればあとは強くなるしかないですから。荒療治ですが、効果のほどは私を見て頂ければ」




・コロシアイ学園生活初日か二日目

「霧切さん。一緒にお風呂行きません?」
「……いいわ」
「単刀直入に訊きますが、霧切さん。貴女、記憶が欠落していませんか」



「入学に際し私は同期生となる方々の情報を事前に集めていたのですが、黒幕はそのことを知らないのでしょう。知っていたらきっとその記憶も消していたはずでしょうから」
「私の超高校級の才能に関する記憶を消したように、ね」
「ええ。貴女同様に私の記憶からSPであったという記憶を消すことも可能でしたでしょうが、そうなると十神君の記憶も操作しなければならず色々と黒幕にとって不利になる可能性が高くなると考え私の能力に関する記憶は消されなかったと考えています」
「ええそうね。私もそう思うわ」

「なら貴女は他の人たちの事も知っているのね」
「ええ。詳しい経歴や人間関係までは調べていませんでしたが。当然貴女の超高校級の才能も知っています。だからこそ私は貴女に一番の信頼を置くことにし、今こうして貴女のみに現状で開示可能な情報をお伝えしている次第です」
「えっ……」
「貴女の才能は探偵……霧切響子さんは“超高校級の探偵”です。そして希望ヶ峰学園学園長、霧切仁のご息女」

「ただ、まだ自分の才能を知ったことは他言しない方が良いかと。ついでに私から情報を得たことは他言無用でお願いします。私が78期生の情報を少ないながらも持っていると黒幕乃至黒幕の内通者に知られると拙いので」
「分かったわ」




・物語終盤

「学園長の私室からこれを見つけたの。貴女にも見せた方が良いと思って」

 それは名前が希望ヶ峰学園へ入学する一週間前に彼に呼び出され、彼と個人的に交わした契約書類であった。

『78期生が卒業するまでの間、学園生活において、出来得る限り同期生の身の安全を確保すること』

「……これはあくまで私の憶測の域を出ませんが、きっと学園長はこうなることをどこか予想していたのではないでしょうか」

「超高校級の幸運が在るのならば超高校級の不運もあるように、物事に表があれば裏も必ず存在します。何れば超高校級の悪意や絶望といった悪のカリスマが台頭し得ることを危惧してた……だからこそ私とこのような契約を交わした」
「でも、だったら何故対象が私達だけなの……?」
「実の娘である貴女の入学が決まっていたから、だとしたらどうでしょう?」
「え……」
「今のもあくまで私の憶測です。行く行くは学園全体の警備を強化するつもりで、今回はたまたま超高校級のSPである私が入学を控えていた為試験運用としてこういった契約を交わしただけかもしれませんが」
「……」
「学園長不在の今の時点では何れもただの憶測です」
「あ、因みに学園長にもしもの事や不測の事態が起きた際は私の判断によって学園長の血縁者でありご息女である霧切響子さんに契約権限が譲渡されるものとなっております」
「……え?」
「ですので、今は学園長の安否確認も出来ず不測の事態と判断いたしました故、契約権限は貴女にありますので。どうぞご自由に」
「そう……だったら契約内容を一部変更しても良いかしら?」
「内容如何によります」
「契約内容の凡そは今までと変わらないわ。そこに一文加えたいの、“ただし同期生の中に著しい悪意を持って他者に危害を加えようとする者を除く”と、それだけよ」
「……分かりました。ではその通りに契約を更新いたしましょう」




・解答編。最後の学級裁判にて

「実は私、学園長と商談があり入学式の一週間前に希望ヶ峰学園に訪問していたので内装や間取りからここが希望ヶ峰学園である事は分かっていました」

「不自然なのは各教室にの窓に打ち付けられた鉄板類。私達を外に出さない為であれば普通外側から打ち付けて然るべきものでしょう? 鉄板の打ち付け自体は一週間もあれば可能ですからそこは気にしていませんでしたが……一番気になったのはどれも業者が施工したとは思えぬ素人丸出しの仕上がり具合でした」

「そして何より私達78期生はここにいるメンバーを含めて17名のはずなのです」
「17!?」
「ひぃふぅみぃ……おかしいべ! 16人しかいねーべよ!」
「学園長室の資料を見たんだけど“戦刃むくろ”……超高校級の絶望である彼女が17人目の生徒なんじゃないかな」
「じゃあその戦刃むくろという生徒が黒幕だな!」
「確かに苗木君の推測は正しい。しかし戦刃むくろという人物が全くの黒幕であるというのは少し違うかと」
「じゃあ誰が黒幕だっつーんだよ!」
「本物の江ノ島さん、なんじゃないかな」
「!」

 その場にいた半数以上が息をのんだのが分かった。

「……やはり、苗木君ならその答えにたどり着くと思っていました」
「苗木誠殿、そう言い切るのであれば根拠があるのでしょうな?」
「勿論あるよ。生徒名簿に載っていた戦刃むくろのプロフィールと生徒手帳に載っている江ノ島さんのプロフィールが全く同じだったんだ」
「戦刃むくろのプロフィールなら俺も確認したから間違いない。確かに江ノ島のそれと一致しているな」

 電子生徒手帳を確認した十神が鋭い視線を江ノ島へ向ける。

「つまり、ここにいる江ノ島は戦刃むくろが変装した姿で、本物の江ノ島盾子はモニター室の奥の部屋でそこにいるモノクマを操作している、そいうことになりますね」

 全ての情報をまとめるように名前が冷静に言い放つ。

「江ノ島盾子。彼女がこのコロシアイ学園の首謀者であり真の黒幕です」

「そして戦刃むくろは超高校級の軍人として入学する我々の同期生であり、黒幕の協力者となりますね」
「……いつ気づいたの?」
「最初からですね」
「そんな訳ないじゃない」
「そんな訳あるんですよ。貴女、軍人オーラ隠しきれてませんでしたし、何より顔が違います。本物の江ノ島盾子はもう少し目が大きくてそばかすがありません。スリーサイズも違いますし」

 事前に同期生全員のプロフィールに目を通していた名前には最初から分かり切っていた事であった。

「それに思い出してみて下さい。私は貴女のことを一度も“江ノ島さん”と呼んだことはないのです」
「た、確かに……」
「貴女とか、彼女って呼んでいたわね」
「あまりにも早く指摘してしまえば私が同期生の情報を事前に調査把握していることがバレてしまう危険性がありましたので」
「あえて泳がせていたと」
「おっそろしい女だべ……」
「それに戦刃さんが記憶を改竄され自らを江ノ島盾子であると思い込んでいる可能性もありましたから」
「それであの時カマをかけたのね」

 霧切が思い出したように言う。その言葉に全員が最初のモノクマとのやり取りの事を思い出した。

『むくろ……』
『えっ?』
『もしコロシアイが起きた場合被害者の躯はどうするのです?……江ノ島さん、どうしました?』
『いや、何でも……』

「ええ。彼女一人がしっかり別の反応してくれたおかげで確信を持てました」

「クソ序盤じゃねぇか!」

 ツッコミにも聞こえる誰かの怒鳴り声と共に一面が煙で覆われる。

「え……」
「ちょ、どうなってんの!?」

 混乱する中煙が晴れるとそれまでモノクマがいた席に一人の少女が立っている。
 桃色の長い髪。すらりと伸びた手足。出るところはしっかりと出て引っ込むべき個所はしっかりと引っ込んでいる。きめ細かい肌に乗せられた派手過ぎずかつ自然に見えるよう整えられたメイク。本物の江ノ島盾子だ。

「やっぱりアンタだけは殺しておくんだった!」

 言動は極めて物騒だが、超高校級のギャルと称されたカリスマギャルの江ノ島盾子が威風堂々たる姿勢で、その表情を嫌悪に変えて名前を睨みつけている。
 美人の睨みにはある種の凄味があるが当の本人である名前は射殺さんばかりの視線も何のその、薄く笑みを浮かべるとそれを江ノ島へ向けた。

「残念ならが私は貴女には殺されてあげません」



「超高校級の探偵の霧切さんより探偵気取りの貴女なら……外の世界がどうなっているのか予想がつくのではないですか?」
「ええ。何となくですが……」
「答えてください……外の世界が……何故あなた達の記憶を消さなくてはいけなかったのか……」
「……201X年、世界は核の炎に包まれた……!」

「……」
「……」
「? 皆さん何故黙って……」

「オメー馬鹿だろ!」

「ば、馬鹿とは何ですか! 外はマッドマックス然り荒廃しきっているのがこの手の定番でしょう!?」
「あー思い出した。オマエ頭は良いけど中身天然のアホだったわ」
「心外な。私は天然じゃありません!」
「天然はみんなそう言うんだよ!! こいつにしてやられたと思うと絶望的に腹が立つぜ!!」


・外の映像を見せられる

「似たようなものじゃありませんか!」




「私の肩書きは“超高校級のSP”なっていますが正直に言いますと私はSPなどではなく本来は“超高校級の忍者”として希望ヶ峰学園にスカウトされていたのです」
「に、忍者!?」
「ええ。実は私、忍者の末裔でして……」
「……」
「その顔、信じてないでしょう!?」
「あ、いえ! 信じてないわけじゃなくて……ただあまりにも突然の忍者でどう反応していいか分からかないというか……」




・通信簿ネタ

「ではSPは何の略かご存知ですか?」

選択肢:[ショア・パトロール][セキュリティ・ポリス][セーブ・ポイント]

「“セキュリティ・ポリス”の略だよね」
「ピンポン。正解です。ポリスと言う通り本来SPは要人警護に従事する警察官でなければならないので正確に私はSPとは言えないのですけどね。正式には“超高校級のボディーガード”といったところでしょうか」

「私の場合は“SPと同等の警護力を持つ”ということで、SPの方が言いやすいですし実際に要人警護をしたことも何度がありましたし分かりやすさ重視でそう呼ばれるようになったんです」
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