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▽子役主(ヤマト/dgmn)
タイトル:τ Ceti
 タウ・ケーティ【τ Ceti】くじら座τ星=星言葉:強さと優しさの共存

 子役として活躍中の女子小学生。お台場小学校五年生だが仕事の関係であまり学校には通えていない。
 その可愛らしい容姿と大人しく儚げな雰囲気から守ってあげたいという男子が多いらしい。
 大人しく穏やかで滅多に怒りを表に出さないという世間の評価が本人は不服。本当は奔放的で利口、年齢の割に達観しているため大人びているのではなく冷めている。
 父親が若い頃に役者を目指していた時期がありその夢を押し付けられる形で子役業を始め、瞬く間に売れっ子に。
 名前が小学四年生の時に父親が交通事故で他界。それからすぐに母親は仕事に精を出すようになり、自身の子役業も相まって母親との時間が極端に減り母娘仲が悪くなった感じている。それでも父親の若い頃の夢だった役者業で大成すればいつか母親は自分を見てくれるものと信じて頑張っている。
 人間世界(現実世界)から持ってきたものは折り畳み式日傘、ハンカチ、携帯電話、ミネラルウォーター、朝ドラの台本、ウェットティッシュ。全て斜め掛けバッグに収納。
 服装は、頭はキャスケット、上はTシャツにサマーカーディガン、下はカプリパンツ、足元は靴下とスニーカー。動きやすいがなるべく日焼けは避ける感じで。

 パートナーはテリアモン。すみれ色の優しさの紋章を手に入れる。

「名字名前だよ。よろしくー」
「うふふ。君みたいな子、嫌いじゃないよ」
「テレビで見るのとイメージ違った? うふふ、こっちが本当の私! カメラの前では大人しく、粗相のないようにって言われてるからね。堅苦しいのって本当は苦手なの」


テリアモン
 名前のパートナーデジモン。一人称は「ぼく」。
 口癖は「大丈夫」で語尾を伸ばす喋り方の呑気者。至ってマイペースで緩い性格のように思われがちだが、デジモンとしての闘争本能は持ち合わせており戦う時は真剣な姿勢で臨む。
 得意技は両耳をプロペラの様にして小型竜巻を起こす“プチツイスター”。必殺技は高熱の熱気弾を吐き出す“ブレイジングファイア”。



名字サチエ(名前の母親)
 少し気の強いしっかり者のキャリアウーマン。
 交通事故で夫を亡くしてからより仕事に熱を入れるようになり、名前とすれ違い生活を送るようになる。それに加え、名前に対しより厳しいことを言うようになるが、忙しさと名前が自分の思いを隠していたことからそれらが原因で母娘の溝を深めていることに気づけていなかった。しかし娘から嫌われているのではということには薄々勘付いている。

 本当は心の底から娘を大切に思っており、仕事に熱を入れているのも金銭面で名前に苦労をかけないようにという思いから。名前の稼いだ金は余さず貯金しており、生活費や養育費用は全て自分の稼ぎから出している。
 娘のやりたいことをやらせたいと、名前の役者業もきちんと応援しており、娘のいない所で事務所等への挨拶や差し入れも欠かさず。マネージャーの吉田を介して現場に赴くこともあったが自分がいることを知ったら名前が集中出来なくなると影でこっそり覗く程度。名前の出演した番組はどんなに些細なものであっても全て録画している。

 そんな折、テリアモンから名前の本音を聞かされ母娘仲を修復する。
 テリアモンを“テリアくん”と呼ぶ。


吉田さん(名前のマネージャー)
 名前の担当マネージャー。男性。気は弱いが仕事の腕は良い。名字母娘の思いを知っているため何とかしてあげたい気持ちはあるのだが他人が介入して良いのかと悩んでいる。




 サマーキャンプに参加していた八人の子どもたちは何も知らずにいた。それが誰も知らない世界での冒険の始まりになることを。

 子役として活動しており普段はあまり学校へ通っていない名前も一週間ほどのオフを利用して子供会のサマーキャンプに参加していた。
 仕事柄学校へ行ける日も限られており友達と呼べるような存在は一人もいなかったためサマーキャンプに参加するつもりはなったのだが、せっかく子供会に入っているのだからと言う母親の言葉を聞き入れたのである。




「名前起きてー!」
「ん……誰……?」

 名前が目を開けると目の前には小さな角を生やした緑色のゼリーのような生き物がいた。
 にこにこと人懐っこい笑みを浮かべるそれは外敵と呼ぶにはあまりに可愛すぎる。

「ぼく? ぼくはグミモン。ずっと名前を待ってたんだー」
「なんでわたしの名前……それに待ってたって……」


「石田君と同じクラスの名字名前だよ。よろしくー」




 名前が現実世界から持ち込んだ折り畳み式の日傘は日差しに弱いゴマモンと熱中症になりやすそうな黒に近い髪色の丈に渡し、一番幼いタケルもついでに入れてもらっている。
 当の名前は、自身のキャスケットを被ったテリアモンを頭に乗せ日差しを防いでいるので帽子を被っていない子どもよりはいくらかマシだ。頭が重いのはこの際捨て置く。

「名前ーあついよー」
「私だって暑いんだから」

 彼女の持っていたペットボトルに湖の水を入れていたのだが、それも子どもたちとデジモンたちとで分け合って飲み干してしまっていた。




「優しさの紋章かぁ。名前さんにぴったりだね!」
「ありがとう」

「私にぴったり、なのかな……?」




・ヤマトたちとは光子郎と合流後に再会。
 ヴァンデモンの手先らが支配する街で名前は何をしても何を言っても偽善者だと言われ続け自分を見失っていた。母娘関係のことをつつかれ、しまいにはテリアモンの言葉も聞こえないくらいにふさぎ込んでしまう。
 もしくは通りすがりのサンゾモンに「貴女の優しさは本当の優しさですか? 偽善にすぎないのでは?」と禅問答のようなことを言われ思い悩んでふさぎ込んでしまう。

 今まで何でもないように振る舞っていたが心はすでに限界だった。



「お前の行動の全ては結局見返りを求めているんだ。それを偽善と言わず何と言う?」
「見返りなんて……」
「求めてないって? 嘘だね」


「ゴミを拾ったのだって褒めてほしいからだろ」
「そんなつもりは……」
「周りの人間に認めてもらいたいから良い子を演じているのでしょう?」
「違う、私は……」
「こんな子をもって親は可哀想だ」
「誰もお前を愛さない」
「誰もお前を必要としない」


「貴女の優しさは偽善なんかじゃない。相手を思いやる心は決して偽善なんかじゃないわ」




「ファンからの贈り物なら捨てなさいよ。盗聴器が仕掛けられてるかもしれないわ」


「良い子にしてなさいね」
「……“良い子”って何?」

「いつも通りお母さんにとって都合の良い子でいればいいの?」

「お母さんの言うことを聞いて、下げたくない頭を下げて言いたくないお世辞を並べて学校にも行かず汚い大人たちに無理やり笑顔を作って八方美人になってお金を稼いでくれば良い子なの?」


「名前、何を言って……」
「お母さんどうしちゃったの? 昔は……お父さんがいた頃はそんなんじゃなかった!」

「だったら私は良い子になんてなりたくない!」
「名前! 待ちなさい!」



「子供を心配しない親なんていないわ。」


「ごめんなさい。名前が私を嫌いになったと思っていたばかりに」

「これじゃあ母親失格ね」


(すれ違い親子)




・ヤマトが単独行動する

「私も付いていくって言ったらどうする?」
「ダメだ」


「好きな人を放っておけないだけよ」
「!」


「……オレの気持ちの整理がついたら伝えたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」
「……うん。いいよ」

「待ってるからね」




▽ぼくらのウォーゲーム!

ドラマの撮影現場からノートPCを使って参戦するも本番で離脱、を繰り返す


『テレビ局はパニックで撮影中止になったの』


「名前、ぼくもやるよ……!」
「テリアモン……ありがとう」
「うふふ、ぼくと名前の仲じゃない」


『名前ー!』
「テリアモンも究極進化よ!」



「太一! 何やってたんだ!!」

 そこからは一方的だった。
 メタルグレイモンとメタルガルルを守るように立ち回っていたモンセントガルゴモンは相当なダメージを負ってしまいテリアモンにまで退化してしまっていた。

「いやっ、テリアモン……!」

 名前の悲痛な声が画面越しに聞こえてくる。

『名前……ぼくなら、だいじょーぶ、だから……』


・エピローグ

「ヤマト君、すごくカッコ良かったよ」




・途中で放置した短編。本編後の日常短編で夢主がラブレター貰って嫉妬する大和が書きたかった。

 名字名前。役者としても確かな実力を持ちドラマやバラエティなど幅広く活躍する人気子役。
 それから、八月一日にサマーキャンプに参加していた選ばれし子どもの一人でもある。

「……」

 久しぶりの登校日だと言うのに名前の気分は一気に沈んでしまった。
 原因は下駄箱に詰め込まれている多数の封筒だ。下駄箱から溢れ出てくる殆どがファンレター乃至ラブレターであることは明確で、この状態が数年続いているのだから気落ちするのも無理もない。

 パートナーデジモンのテリアモンがいなければ今でも名前は母親と心がすれ違ったまま、そのまま大人になってしまっていただろう。

 デジタルワールドを旅する中でお互いを意識し、想いを寄せ合って恋仲となったヤマトと名前。


 アニメ沿いヤマト落ち夢書きたい。この設定は頓挫。
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