▽月が落ちてくる(カトル/grbl→MHA/ジータ成代転生) |
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ジータ成り代わり主とカトルがMHA世界に転生して、お互いを探すラブコメ。 ・グラブルキャラが多数転生済み ・書きたい所だけ書くので色々端折る ・オリジナル有りの基本原作沿い ・落ちはカトル ジータに成り代わったグラブルプレイヤーの女の子。本来のジータより髪が長く性格も割りと冷めてる(というより精神年齢が高いのでただ大人びているだけ)。見た目は某22歳ジータ的な。 双子の弟グランと共に騎空士を生業にしながら父親の待つ星の島イスタルシアに目指していた。(※ゲーム本編ではまだ父親と再会できていないけれど、名前たちは父親と再開し人生を全うした設定です) “個性”は騎空士時代に取得したジョブに瞬時に変わることが出来る“ジョブチェンジ”。アビリティも健在。ジョブに合わせて衣装や性格、口調や得意武器が変わる。“個性”を使っていない時は常に初期ジョブのファイター状態だが、一般人よりはかなり強い。武器なとの装備品は任意で呼び出して(召喚して)使う。 身体能力はゲーム本編ジータと同じでかなりの超人。どれをとってもチート性能。 ※書いてる人間がクソザコにわか騎空士なので間違った知識等が出てきたら拍手やメールで教えて頂けると助かります。 ヒーローネームは“団長”。 ・転生済みキャラ グラン:名前の弟。小学生。前世の記憶はない。“個性”は姉と同じ“ジョブチェンジ”。同じクラスのルリアちゃんが気になるらしい。 ビィ:ペットのトカゲ。もちろんただのトカゲなので喋らない。 父親:名前が幼い頃に“ヒーローになって会いに来い”という手紙を残して蒸発した。生活費は振り込まれているので生きていることは確か。随所で逸話を残しているある意味有名人。 母親:名前が中学生の頃に病死。 ルリア:グランのクラスメイト。外国で暮らしていたが色々あって後見人の女性と共に日本に来た。グランのこたが気になるらしい。 ・プロット 名前がA組に編入→体育祭そこそこ目立つ→職場体験で組織の日本支部→林間合宿→寮→仮免試験後にカトル、エッセルと再会(エッセルのみ記憶あり)→この後は何も考えていない “超常能力”が当たり前となった世界で、僕らは生きている。 ・プロローグ(カトル視点) 僕たち姉弟には、物心付いた時から親はいなく、教会が併設された小さな孤児院で育った。 僕ら双子の姉弟はそこのリーダーのような存在であった。 小さな孤児院とは言ってもヒーローが支援しているので、贅沢は出来ないが一般家庭の子供と同じくらいには不自由なく生活が営めている。 しかし孤児というだけで世間は僕らを差別する。学校でも子供たちは虐めの対象となりやすかった。特に“異能力”が弱かったり“無能力”だったりする奴は自衛の術もないためによく泣かされており、そんな彼らを守っているうちに僕と姉さんは孤児院のリーダーのような存在となっていた。慕われるのは嬉しいが、少しむず痒くもある。 だからこそ子供たちはヒーローに対して強い憧れを抱いておりヒ僕ら姉弟がヒーローになるのを望んでいたが僕らはヒーローなんて柄じゃない。子供たちの期待に応えることは出来ず、施設の負担にならないよう普通のハイスクールに通っていた。 「もうすぐハイスクールも卒業か」 「ん……そうしたら施設、出ていかないと」 アルバイトである程度蓄えもある。 「カトル……“夢の人”に会いたい?」 「!……そりゃあ会えるものなら」 『カトル』 顔すら思い出せない夢の中のその人を、僕を呼ぶその声を、知らないはずなのに何故か懐かしいと感じてしまう。 その夢を見た朝は何故だか無性に泣きたくなってしまう。昔、一度だけ我慢できずに泣いてしまった時、偶然にも姉さんに見つかってしまったことがある。 観念して夢のことを話すと、姉さんは困ったように笑って僕の頭を撫でた。 それから“その声を忘れないであげて”と言った。 まるでその人のことを知っているかの口振りに、僕は当然詰め寄ったが姉さんは頑なに教えてくれなかった。 いつもそうだ。双子なのに姉さんは僕よりもずっと達観している。生まれつきのこの耳についても正しい知識を持っていて、己が何者なのかをも理解していた。 そして時々、この世の仕組みを知っているような態度を取る。 僕だけが取り残されているような気がしてとても腹立たしいが、実際にその時の僕は何も知らない子供だったのだ。 あの日からもあの夢をたまに見る。 今日もまた“あの夢”だ。 『カトル』 「ここの子達にはあの人がいるから、私達がいなくても大丈夫」 「そうだね……」 「いつか……そう遠くない未来に、一緒に探しに行こう」 誰を、とは訊けなかった。 『カトル』 僕の名を呼ぶ貴女は一体誰なんですか。 「姉ちゃんおかえり!」 「ただいま、グラン」 名前には所謂前世の記憶が存在した。 双子の弟と羽根トカゲ、それに蒼の少女やその護衛の女騎士を始めとする沢山の仲間と共に、父親の待つ星の島を目指して多くの冒険をした一人の少女の記憶。 今世でも同じ名で、年の離れた弟とペットのトカゲと相違はあれど両親がいないという点においてもほぼ前世と同じ状況である。故に“前世の記憶を持っている”というよりは“強くてニューゲーム”といった状況に近く、弟とペットのビィとの二人と一匹暮らしにはどこか懐かしさすら感じていた。 ファミリーネームを言えば“ああ、あの人の娘さんね”と納得されるくらいにこの世界でも名前の父親は有名であったが、情報技術が発達したこの世界でもその人物像は謎に包まれたままである。 最早何かに仕組まれているのではないかと疑える程前世と酷似した環境に、家から出る度に仲間の面影を探してしまうのは仕方のないこと。現に弟のクラスに転入してきた蒼い髪の少女とその後見人は、名前のように前世の記憶は持ち合わせていなかったがこの世界にしっかりと存在した。 仲間の殆どは日本離れした名前の者が多かったため日本国内で出会える可能性が極めて低いことは彼女も理解している。かく言う名前たちも生まれは日本外であり、グランがまだ生まれていない頃に日本に移住した経緯がある。 だからこそ高校では外国語を専攻していた。弟が独り立ちしたら、かつての仲間を探しに海外へ行こうと決めたのだ。 母親は弟が幼い頃に病死。その頃に父親は既におらず蒸発していたも同然であったが、生活費はしっかりと振り込まれているので生きているのは確かだった。 この世界でも彼女の父は随所で逸話を残している人物らしく 地元の公立高校に進学し、小さなアパートの一室を借りての弟との二人暮しが当たり前になった頃。 「?」 郵便受けに入っていた有り触れた白い封筒。 『本日のゲストはニュージェネレーション、ティクニウトリ・ショロトル、ドラマチックスターズ、アゼリア……』 見知った名前のアイドルたちが歌を披露している番組をBGMに、先程の封筒を開封すると一枚の便箋。罫線のない真っ白い紙に筆で一文。 『雄英に入ってヒーローになって会いに来い』 シンプルかつ前世を彷彿とさせるその内容に、名前は眉をひそめる。雄英といえば十中八九、国立の雄英高校のことを指しているのだろう。 しかし高校受験のシーズンはとっくに過ぎており 手紙の消印が最近のものなのできっとあの男は日本の高校入試の時期を知らなかったのか実の娘の年齢を把握していなかったということになる。出来れば前者であってほしいが、そんなことはどうでも良い。どちらにせよ雄英高校には入れない。 父親の顔を覚えていないグランのためにも、出来ることならば雄英高校に通ってヒーローになって父親に会いに行きたくはあった。前世で、そうしていたように。 「グラン、父さんに会いたい?」 「父さん? うんっ、会いたい!」 前世と変わらぬ眩しい笑顔に、名前の意志は定まった。 「君のお父さんとは旧知の仲でね。日本の高校入試の時期を勘違いしてしまったらしく相談されたのさ!」 「はぁ。父がご迷惑を……」 「彼は昔からそういうところがあるからね」 父親の顔の広さに名前は最早感心すらしている。 「我が雄英にも近々編入制度を設けようと思っていてね。丁度良いから君にその試験を受けてもらおうという訳さ!」 「……」 「しかーし! 旧友からの頼みと言えど試験の内容を優しくしたり採点を甘くするなんてことは一切しないし、試験内容は入試より遥かに難しく設定してあるから覚悟しておくことだ」 「分かりました」 編入実技試験のルールは至ってシンプル。街を再現したこの演習場で制限時間内に指定の仮想敵を全て戦闘不能にすること。ただし入試試験の約半分の時間で、合格者たちの仮想敵討伐平均数をだ。 その中には当然お邪魔用巨大仮想敵ロボ・インフェルノも存在し、各仮想敵の内訳は教えられていない状態でのスタートとなる。 「それでは……はいスタート」 演習場への門が開かれ、名前は中へ駆けてゆく。 国立高校のヒーロー科だけあって何を仕掛けてくるか分からない、この試験は舐めてかかってはいけないと、走りながらウォーロックに“ジョブチェンジ”する。 すると衣装は一変し、つばの広いとんがり帽子を被った魔女っ娘のような姿に変わる。手には前世からの愛剣の四天刃・真。 「少しは楽しませてよね」 最初の仮想敵は分かりやすく入り口から続く大通りで暴れていた。 BattleT。まず始めに現れた小さめの仮想敵、と言っても名前と同じくらいの大きさの物を “エーテルブラストV”で全体にダメージを与え一気に破壊。 次に出てきた仮想敵には“チョーク”で攻撃範囲を全体化させてからの通常攻撃で一掃する。短剣を一薙ぎ。それだけで立ち塞がっていたロボットを真っ二つにしてみせる。 何体出てきても同じこと、前世からの愛剣である四天刃・真で破壊していくだけだ。そして“エーテルブラストV”使えるようになったら再び使用。 それの繰り返しでようやくラストバトルであろう、巨大仮想敵ロボ・インフェルノが二体立ち塞がる。その大きさは先程までの機械とは桁違いで、演習場に設置されているビルと同じくらい高く、横幅もそれなりにある。 一応“ブラックヘイズ”で防御力を下げておく。 「“四天洛往斬++”!!」 放たれた奥義はロボ・インフェルノをいとも簡単に破壊し、戦闘不能にさせるには十二分であった。 どうやらこれが最後の標的だったらしく、制限時間を大幅に残して実技試験は終了した。大きいだけで他の仮想敵と変わらないというのが名前の正直な感想だった。 『試験終了だ。演習場から出てくれ』 「……こんなものかぁ」 ジョブをデフォルトであるファイターに戻しつつ独りごつ。国立高校の編入試験だからと4ジョブで臨んだがこれならば2や3ジョブでも名前ならば余裕でクリアしていただろう。 「お前の“個性”、他にも変われるのか?」 「はい。ステータス変動は大きいですがその分得意なことも変わります、ざっと三十種類以上はあります」 ・USJ敵襲撃後に転入 「A組はUSJで敵と遭遇してるから少しばかり強いよ」 前世でヴィランよりも遥かに恐ろしく凶悪な魔物や星晶獣と戦ってきた名前にとっては取るに足らないチンピラのよいなもの。 ・体育祭 「棄権します」 「はぁ!? 舐めてんのかゴラ!!」 「君たち倒しても宝箱出ないでしょ?」 「ああ? 宝箱? ふざけてんのかテメェ」 「まぁ冗談はこれくらいにして……私は三位が確定してるからこれ以上の戦いは無意味なだけ。それに、弱い者いじめする趣味はないから」 表彰台に立てれば実力を証明したことと同義であり、それが体育祭における名前のノルマだ。ノルマを達成すれば後は彼女にメリットはなく、無駄な戦いは体力の消耗なのだ。 「その言い方だとまるでテメェが俺より強いみてぇじゃねぇか! アァン!?」 「そう言ったつもりなんだけど」 「ぶっ殺すッ!!!」 「しょうがないなぁ……一分あげる」 「一分間私からは攻撃しないから、何してもいいよ」 「名字煽るなぁ」 「かっちゃんがマジギレしてる……!」 『華麗な身のこなしで名字は攻撃を全て躱している! 爆豪指一本触れれないーッ!!』 「“攻撃はしない”って言ったけど“動かない”とは言ってないからね」 「私まだ“個性”使ってないんだけど」 ・職場体験 「えっと……ここヒーロー事務所だよね」 「表向きはな」 そう言って名前を建物の中に案内した男の頭部には長くて立派な獣の耳が生えている。黒い毛並みはきっと触ったら気持ちが良いのだろう、かつての感触を思い出しつつ名前は彼の後ろに付いていく。 「俺はお前の世話係のユーステスだ」 何かあれば遠慮なく言えと無愛想気味に言う彼に、知ってますと応えられたらどんなに良かったか。ユーステスもまた、前世で共に戦った仲間の一人だった。 彼だけではない、ここ“組織”の日本支部に所属しているうちの男女四名とその上官数名は名前のよく知る人物たちだ。しかし彼らには前世の記憶がないらしく、名前を見ても顔色一つ変えなかったのがその証拠だ。 名前の実力を見るためにと、丁度暴れていたチンピラ敵を指して、捕まえてこい、と指示する。 ミンストレルへチェンジした名前は“ひつじのうた”で敵全員を眠らせることで早々に片付けてみせた。 「おい新入り」 「新入りじゃなくて職場体験の学生です。ベアトリクスさん」 「……やるよ」 「ありがとうございます」 前世での仲間に敬語を使うのは慣れないが致し方ない。ベアトリクスから遠慮なく缶コーヒーを受け取り開缶して一口。名前好みの無糖のそれが程良く脳を刺激する。 前世でもそうだったが名前の依頼後の一服はいつもコーヒーだった。大抵はサンダルフォンに淹れてもらっており、こうしてベアトリクスに缶コーヒーを貰うのも前世では珍しいことではなかったが今となっては懐かしい。 「お前さ、何で職場体験ここにしたんだ? お前くらいの実力があればもっと上の事務所からも指名来てただろ」 「んー、何でだろう。……“組織”って名前が気になったからかな」 これは本当だ。もしかしたら、という期待を込めてこの事務所にしたらまんまと考えたいた通りの場所だったわけだ。 「っ、ベア!!」 「ははっ、お前にそう呼ばれるの、懐かしい……」 「ベア……?」 「ああ名前。久しぶりだな」 「数年前だったよ。なんの前触れもなく前世の記憶ってやつが蘇ったんだ」 「最初は混乱したさ……でもま、アタシは優秀だからな! すぐに受け入れられたぞ!」 受け入れた、という言葉から彼女が名前に心配をかけまいと無理をしていることが伺えた。 ・ヒーロー殺し 「ユーステス! ちょっと友達がピンチらしいから行ってくるねっ」 「おい!……フッ、あいつらしいな。……“あいつらしい”?」 「貴方たちってすぐ無茶するよね。“オールヒール”」 「あ、楽になった」 「ただの応急処置だからあとは病院で治療してもらいなよ」 「私、ですか……? 私は……私は弟とあの子を守るために戦います」 「それにあの人に会うまでは死ねないから」 ・林間学校 食材を宙に放りそのまま素早く包丁を何度も入れるとボウルに落ちた時には綺麗に切り揃えられている。 「すご! 何その技!」 「そんな、大したことじゃないよ」 そう言って麗日と話しながらも手は止まらず、次々に食材を空中で捌いてゆく。普通に切るより明らかに速い。前世からの短剣の扱いに長けた名前だから成せる芸当である。 「“個性”の強化かー」 正直名前の“個性”は今更強化弱化の類いはほとんど意味を成さない。前世で集めた武器と、そのスキルとジョブが全てだ。強化したければバフをかけ、弱化されたらクリアするだけ。 騎空士としてのランクも、ジョブレベルも、武器レベルも、武器スキルレベルも、召喚石も、リミットボーナスも、全てがカンストしている。 在学中は3ジョブまでと決めており実際1ジョブでも何とかなっている現状ならば問題ない。それ以上の強敵が現れれば4ジョブでもEXジョブにでもなれば良い。 つまり、“個性”に関して現状やれることが無い訳で、この合宿中にできることと言えば基礎身体能力の強化くらいしかない。名前がやっているのは筋トレと武器の手入れだ。 ・寮生活するにあたってのグランの処遇 「親戚は?」 「母さんの葬式で誰が私たちを育てるのかでひそひそ言い争っていたのを見て縁を切りました」 「……」 「あの子は私が面倒を見るって決めてるので」 「認めて頂けないのなら今まで通りアパートから通います」 「……女子寮二階、お前の部屋の隣の空き部屋を使え」 「ありがとうございますっ」 「その代わり……」 「分かってます。グランには上の階には行かないようちゃんと言いつけておきます」 「……後で内壁を扉で繋げてやる」 「グラン。ここから上の階は他の女の子が住んでるから、緊急事態の場合以外は私の許可無しで行っちゃ駄目よ」 「うん。わかった!」 ・仮免試験 『雄英高校の名字さん合格です』 最初の合格者は名前だった。所謂“雄英潰し”を受ける暇さえなく一次試験を通過し、その異例の早さに試験官たちは思わず息を呑む。 彼女の未知数さを知っている相澤は特にリアクションすることなく隣で驚き笑いながはどういうことか尋ねてくるジョークを軽くあしらう。 スタートと同時に“レンジャー”にジョブチェンジし、そのまま六つのボール全てを見知らぬ受験生二人の体に当ててみせたのだ。所詮は学生、経験値の差が物を言った。 「は!?」 「早すぎだろ!」 「今始まったばっかりなのに!?」 「まじかよ雄英!」 「どんなチート使ったんだ!」 「名前ちゃん早いなぁ。私も頑張らんと!」 名前の標的となったら者らは当てられたことすら気付かずに不合格となってしまい、己の不運を恨む他ない。 「……しまった。早すぎたぁ」 暇を持て余していた。控室にらケータリングが用意されていたが一人では味気ない。 しかし考えねばならないことがあるので丁度良かったのかもしれない。 ・双子と再会 「いや、私たちは受験生ではなくて……ある人を待っているんだけど……」 「姉さんそろそろ誰を待ってるかくらい教え……」 「! 名前!」 「“名前”……?」 「……エッセル?」 ・文化祭。デクが絡まれてるところをエッセルが守ってくれる 「最近気が滅入るようなニュースばかりの彼女たちか一生懸命作った文化祭なんだ」 「名前たちの邪魔をしないでほしい」 |
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