▼麻倉姉とハンター試験(マンキン×HxH) |
---|
本当は例の如くもっと複雑な夢主設定とマンキン本編夢の文章がちょっとだけあったのですが面倒だったので諸々割愛して個人的に気に入っている部分と、文章として完成できてる部分だけ。 ・麻倉葉の姉で葉王のせいで転生を繰り返してる感じ ・嫉妬深い ・ホロホロに惚れられて最終的に嫁になる ・持ち霊は四神 ・シャーマンファイト本戦へ向かう飛行機 離陸から十時間ほど経ったころには機内にいるシャーマンのほとんどが寝てしまっており、起きているのはハオ一派と名前だけだった 彼女は仲間が完全に寝ていることを確認するとシートベルトを外し立ち上がった、そしてそのままハオのいるシートまで足を運ぶ 彼女が近づいてくることに臣下たちは警戒し臨戦態勢に入ろうとするもハオがそれをいさめる 見れば見るほどに似ているハオと名前の二人に疑問を隠せない臣下たちの数名が首を傾げた 「さっきぶりだね、姉さん」 ハオが名前のことを名前ではなく敢えて姉さんと呼んだのは臣下たちに彼女との関係性を明確にするため また臣下たちから彼女に対する不信感を完全に払うためでもあった 姉さんと呼ばれた名前は弟の臣下たちに軽く自己紹介をしハオに、隣に座るよう促されたがすぐに戻るからと立ったまま話を続けた 「葉王くんがいつもお世話になってます、この子我がままとか言ってない?」 「ちょっと母親みたいなことはやめてよ」 「何回か母親になったのに今さらね」 「そうだけど、今は姉弟なんだからさ」 と息の合った掛け合いは姉弟であることを証明し、彼が見せる貴重な素顔なのだと臣下たちは感じた 姉弟の掛け合いも束の間、ハオが名前にこの後起こることを知っているか聞けば、素直に知ってるわて返事が返ってくる 「なら手っ取り早いや、名前も一緒にこない?」 「誘ってくれるのは嬉しいけどお断りするわ、今はまだあの子たちといたいし」 それに私たちの関係があの子たちにバレるにはままだ早い、それだけ言うとハオと臣下たちを一瞥して微笑んだ 「葉王くんも、みんなもまたどこかで会いましょ」 そのまま踵を返し仲間を起こさぬよう元のシートに座り自分の手荷物だけをしっかりと抱えゴルドバの司令を待った 今から三カ月以内にパッチ村に到着しなければいけない、村に関する情報は一切なし、これだけを言い渡されパッチジャンボは跡形もなく消滅した 「そ、そうだ! 名前の青龍なら!」 ホロホロの言う通り名前の巫力を持ってすれば葉たちを具現化させた青龍に乗せ安全に地上にたどり着くことは容易だ しかしそれでは駄目なのだ、最初から名前に頼ってはいつまで経っても強いシャーマンにはなれない 如何なる状況でも考え知恵を絞り的確な判断を下し最善の策をとれるようにならねばシャーマンの王など到底成り得ないだろう だからこそ名前は青龍を出さずに彼らを見守った、必ずどこかに打開策はある 朱雀の羽で一人優雅に飛んでいる名前は彼らに最初の試練を告げた 「さて、生きて着地するにはどうすれば良いか四人で考えましょう」 人差し指を立て教師のように言い放つ名前に彼らはどうすべきか必死になって考え始める そして考え抜いた末に出てきた案が着地寸前にみんなのオーバーソウルの勢いで落下速度を相殺するというもの パッチ村の場所も大体検討がついているので期限ギリギリになっても到着の見込みが無ければ彼らを見限ることも考えている だがそれまでは保護者として彼らの試練に付き合うことにした、彼らならこの先どんなことが起きようと協力し力を合わせて乗り越えてゆくことを信じて ・ブルーベルに嫉妬する夢主 「――っ!」 「ねーちゃんどうした?」 「何か凄く嫌な感じ、というか凄くムカつく」 急に立ち止まった名前に疑問を感じた葉が尋ねると眉間にしわを寄せあからさまに不機嫌な表情をする 次の日、例の如くホロホロを待っているとコロロが心配で残してきていた朱雀がようやっと名前の元に帰ってきた コロロの様子とホロホロにあの後何が起こったのか一部始終鮮明に聞き出した彼女は持っていたスチール缶を握り潰す 突然のことに葉たちは何も言えずただ黙って冷や汗を流していた、特に葉は彼女が怒るとどれだけ恐ろしいのか身を持って知っているためなるべく目を合わせぬよう努力した 幸いコーヒーは飲み終えてきたので白衣にシミを作らずに済んだが彼女の手の中で拉げている缶が哀れである 巫力が垂れ流しになり冷ややかな何かが辺りを包み込む、あまりの圧迫感に蓮が口を開くも即座に葉が制する みんなが見守る中ようやく怒りを収めた名前がゆっくりと顔を上げて、満面の笑みを浮かべる 「ね、ねーちゃん……?」 「葉、私先にパッチ村に行ってるわね」 「えーっ!」 「急にどうしちまったんですかい!?」 「貴様パッチ村の場所を知っていたのか!?」 「ホロホロくんは待たないの?」 最後に発言したリゼルグの言葉に彼女の眉がぴくりと反応した、先ほどの怒りの矛先がホロホロであると理解した瞬間でもあった 「今はそのホロホロとやらに会いたくない気分なのよ」 もはや赤の他人のような言い回しにその場に再び緊張が走る、彼女がパッチ村の場所を知っていることなど聞ける雰囲気ではなくなった すく、と立ち上がった名前は青龍を帯紐にオーバーソウルさせ彼女が乗るのに丁度良い大きさにさせ、その背に乗る 「葉、ホロホロと合流したら伝えてほしいことがあるの」 「うん、わかった」 ホロホロへの伝言を葉に伝えてると名前は青龍の角をしっかりと握り姿勢を低くし、その場から勢いよく舞い上がった 飛び上がる際に生じた風圧が辺りの物を吹き飛ばし、何だ何だと騒ぎ出した地元民や観光客に紛れるように葉たちもその場から離れていった ・その後ホロホロと合流 「名前はどこだ!?」 「ホロホロ、姉ちゃんからの伝言だけど……」 「あぁ」 「“可愛い子と仲良くなれて良かったわね”だってさ」 「んな!! 何で知ってんだ!? てかあの子とはそんなんじゃなくて!!」 ・なんやかんやでハッピーエンド的な 「俺は浮気はしねえ! 多少可愛い娘がいてつい目で追っちまうかもしれねえがお前より可愛い奴はいねえし、俺は名前だけを愛してる」 霊視をしなくとも彼が嘘を吐いていないことは明白である 「私面倒くさい女よ?」 「知ってる、そんな名前が好いんだ」 「そのかわり、お前も浮気すんなよ」 「約束破ったら末代まで祟っちゃうからね」 「俺たちの子供まで祟る気かよ!?」 ▼マンキン×HxH ・葉の姉でホロホロの嫁 ・Flowerくらいの時間軸 ・マンキン勢は出てこない 「私がちょっと実家に顔出してる間に旦那が生マリモとかいう訳の分からない商品勝手に作って売り出してたから、私も勝手にハンター試験受けてるの!」的な感じで家出同然にハンター試験受けてる夢主とゴンキルクラレオの四人の話。 調理台の下を覗けば握り寿司に必要な調味料だけではなく味噌なども揃っており、和食に飢えていた私には楽園と言っても過言ではない 日本を離れてから和食を一切口にしていなかった私は本能の赴くままに会場の外へと足を運ぶ 握り寿司を作るのは後回し、とにかく魚が食べたかったので川で魚を採ることから始まった ここにいる霊たちに食べられる魚やその魚の一番美味しい調理法を聞いて、両手いっぱいに魚を調達し調理場へ戻った 盥に大量の魚を収め、袖が邪魔にならぬよう懐から紐を取り出したすき掛けすれば準備は完了 「さてさて、どう料理してやろうかしらね」 私が和食のフルコースを作り終えた頃には試験が終わってしまったらしく合格者が一人もいないことで揉めている 喧騒をバックに私は最後に煮付けを皿に盛り付ける、鮎のような魚の塩焼きにカレイのような魚の煮付けは煮付ける時間が少なかったものの味はしっかりと染みているだろう 刺身にし炙れば美味だと聞いた魚の刺身、食べられる野草のお浸し、魚のつみれ汁と極めつけは艶々と立っている白米、一人手のひらを合わせた 「いただきます」 数日ぶりの和食にありつける、そう思うだけで私の腹の虫は泣きじゃくる、醤油の香りを鼻に収めたときだった 「あんた何してんのよ」 「何って……和食です」 試験管のメンチさんとやらがテーブルを挟んで私の前へやってきたので素直に答える どこぞのお喋り忍者が握り寿司の正体をバラしてしまったらしく、仕方なく味で審査していたメンチさんは満腹になってしまったみたいだ つまり三次試験は合格者が一人も出ずに終了したわけで、私はそれすらも気づかずにただひたすらに和食を作り続けていたらしい それで抗議してきた受験生を伸して、今から美食ハンターの腕を見せようとしたところに煮物の良い匂いが飛び込んできて今に至るといったところだろう 私の答えが気に入らなかったのかメンチさんは唇をとがらせ可愛らしくすねて見せた 「そんなの見ればわかるわよ! 何勝手に作ってんのよ、あんたこれだけの和食作れんなら寿司知ってんでしょ!?」 「ええ、知ってますけど今は和食が食べたかったので」 貴女も食べますかと微笑みかければ呆れたように溜め息を吐かれた、私にとっては死活問題なのだから仕方ないでしょう 何だかんだで他の受験生や四神たちも呆れ顔でこちらを見ているのだけど私はマイペースに白米を口へ運んだ 数日ぶりに食べた和食は胃だけではなく心までも満たしていく、満足げな私の表情を見てメンチさんは自らの箸を取り出して私お手製の煮付けを口に運んだ 「んっ、美味しいわ! あんた料理の腕良いわね」 「たまおや竜に比べたらまだまだですけどね」 「その二人の料理も食べてみたいわね、いやー、あんたの寿司なら合格出来たかもねー」 そう言い残してメンチさんは会場から出て行った、メンチさんの姿が一瞬にして消えたのを確認した他の受験生たちは彼女が戻ると宣言した約一時間をそれぞれ過ごすこととなった といっても私はまだご飯が残っているのでそれを食べるだけ、少し作り過ぎてしまったから残ったらブハラさんに食べてもらおう たまおや竜の名前を出したことによりあの子たちの料理が恋しくなってしまった、特にたまお、あの子元気にしているかしら シャーマンファイト終了後に本家に挨拶をしてすぐに北海道へ行ったものだから、たまおに会うのは里帰りのときくらいで、しかも年に数えるくらいだけ ちょっとしんみりしながらお味噌汁を啜っているとゴンとキルアとクラピカとレオリオの四人組が私の食卓まで来た 「名前、俺たちも食べていい?」 「俺超腹減ったー」 「私も、ジャポンの郷土料理に興味があるのだ」 「俺は純粋に名前の手料理が食べたいだけなんだがな」 「ええ、まだ調理台に残ってるからそれなら良いわよ」 ここに並んでいるものはあくまで私の、私の食べている物を参考に自分たちの分を見よう見まねで食器によそう姿は昔の葉を見ているみたいで微笑ましい よそい終わるのを見守っていると件のお喋り忍者ことハンゾーもやって来て久々に和食を食べたいと言ってきた 同郷の仲ということもあり私は二つ返事で了承した、日本人たるもの和食を食べずして何たるか みんなでテーブルを囲んで食事をするなんてこっちへ来てからは初めてで、日本にいる旦那や弟とその仲間たちを思い出してしまった すると持ち霊であり相棒がにやにやと笑いながら話しかけてきた 『あら淋しい顔しちゃって、旦那のことでも思い出したのかしら?』 「……うるさい」 『もう、照れちゃって!』 別に図星を突かれたとかじゃないから、別に淋しくないから、ホロホロに会いたくないと言ったら嘘になるけど飛び出して来てしまった以上合格するまでは辛抱 私がちょっと実家に帰省している間に旦那が生マリモとかいう訳の分からない商品を勝手に作って売り出していた そんな単純な理由だが当時の私はカチンときてしまい、勝手にハンター試験に申し込んで家を飛び出してしまったのだ 今思うと自分は本当に面倒くさい女だ 「うおお、めっちゃうめぇ!」 「レオリオッ、口に物を入れて喋るな汚い!」 「俺んちの飯より美味いなこりゃあ」 「うん、すっごく美味しい!」 「かーっ、やっぱ和食はこうでなくっちゃな!」 「みんなの口に合って何より」 このみんなの反応が他の受験生を刺激したのかポックルやポンズ、ボドロさんたちも食卓に集まった、多めに作っておいて良かった |
<< 戻る >> |