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▽涼野とHxHの世界にトリップ(inzm→HxH)
名字名前
 ダイヤモンドダストの副主将で風介とは恋仲。武器や兵器の本をいつも読んでいるというなかなかの中二っぷり。
 ポジションはMF、風属性。必殺技はゴッドノウズ、ウォーターベール、ハンターズネット。

涼野風介
 ダイヤモンドダストの主将で名前とは恋仲。いわずと知れた中二。




 親を失い親類から疎まれお日さま園という孤児院で育った二人は他の孤児たちと共に施設の責任者である吉良星二郎の復讐のため、宇宙人となりサッカーで世界征服をさせられていた。
 その事件も終わり警察から解放された子供たちはいつもと変わらぬ日々を過ごしていた。ある者は勉学に励みまたある者は色恋沙汰を享受している。ただ変わらぬことは皆がまたサッカーを楽しんでいることだ。


「わたしたちに親などいない」
「まあもっとも、私たちはこの世界での戸籍もないけど」

 それもそうだ二人はこの世界の人間ではないのだから戸籍もなければ頼れる親類も友人もいない、互いの身を寄せ合い生きるしかないのだ
 けれど二人には大きな武器があった、そうこの世界のことを知っているということだ、ハンター試験に念能力、果ては登場人物一人ひとりの能力に至るまで熟知していた
 しかしそれは大きな武器であり自分たちの身を危険にさらす弱点でもある。何かの拍子にうっかりと口を滑らせてしまえばたちまち怪しまれ最悪の場合殺されてしまうのだ




「操作系と具現化系か。風介にはシャルと俺、名前にはシズクとコルトピが修行してやれ」


 文章とは実に楽である。たった一文で好きなだけ時間を経過させることが出来るのである。いう時間を経過させることができるのだ。
 つまり何が言いたいのかと言うと二人の修行はこの一文で終了したということだ。
 それぞれが己の系統に合った能力を身につけこの世界での処世術に戦闘能力、その他もろもろを身に着けるのに有した時間は実に二ヶ月と八日。


「言うなれば蜘蛛の糸ってところだな」
「まるでおまけのようだな」
「風介、まるでじゃなくて多分おまけ」


「刺青は痛いから嫌」
「そうか。じゃあいい」




・帰る方法を探すためにまずハンター試験を受けることに


 二人三脚の道、つまり二人ペアとなって進んでもらうのだがここではどちらか一方が失格になったらその時点でもう片方も失格。また随所で発動するミッションに失敗した場合も両者失格とする。まさに二人三脚。


「ここでは俺たちとルール無用のサッカーをしてもらう。試合終了時にこちらが入れた点数×10時間分、別室で待機してもらうことになる」

 彼らの恩赦は試合終了時彼らがに入れた点数×10年、それと同時に風介たちが別室で拘束される時間も決まる。こちらがいくら点を入れようと残り時間分の点数を入れられてしまった時点で二人の失格は確定したも同然だ。
 そしてこちら側は入れた点数分、この先の罠を無償で回避することが出来る。つまり点数を入れれば入れるほどゴールまでの道のりが安全になるのだ。
 向こうのキャプテン曰く何でもありのサッカー。それは二人にとって超次元的必殺技の使用可能という好都合な条件だった。
 相手は凶悪な犯罪を犯している囚人、もちろん行うのは最悪死に至らしめる残忍なものだろう。ピッチに立った全員がその場面を創造し口角を上げている。

 しかし二人はというとそんな身の毛もよだつ光景を僅かも想像出来ないといった様で鞄に入れてあったユニフォームを着ているではないか。
 名前は風介の袖を捲くり、風介は彼女の耳元で作戦を告げる。

「最初はわたし一人で点を入れる。その間名前は他の奴らの足止めを頼む」
「うん、わかった」

 かつて南雲晴矢が雷門イレブン相手に一人で点を入れたということに対しての対抗心だろう。
 久々の大人数でのサッカーということもあってか二人の気合は十分だった。準備の出来た二人がピッチへ入ると格好だけは一人前だと嘲笑されるが二人は余裕の笑みを浮かべる。
 名前が左手を腰に当て、風介がその右隣で右手を前に突き出した。

「今に見ているがいい。我々は深遠なる冷気ダイヤモンドダスト」
「我らの恐ろしさを思い知れ」

 二人にとっては懐かしい台詞も彼らにとっては子供の戯言に過ぎない。しかしそれでも彼らが笑わないのは二人から溢れ出す冷気のようなオーラ故。
 


 素人相手に必殺技使用のサッカーをすること。それは二人にとって赤子の手をひねるも同然の所業であった。
 二人だけというハンデでこちらサイドから始まった試合、まず開始の合図と共に風介がボールを持って上がっていく。途中足を蹴ろうとスライディングをしてくる者もいればタックルで突き飛ばそうとする者も現れる。
 しかし彼はその瞬発力としなやかな動きでそれらすべてを躱しペナルティエリアへと攻め上がって行った。



「ハンターズネット!」
「うおあ、どうなってやがるんだ!」

 この世界に存在しない力の前に囚人たちは文字通り手も足も出ない状態であった。モニターでその様子を眺めていたリッポーも眉間にしわを寄せる。

「ふん、こんなものか」




「寂しい? みんなと違う世界にいるのは」
「寂しくないと言ったら嘘になる。……でも名前と一緒ならばどんな世界でも大丈夫だよ」
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