×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

▽黒田と両片思い(黒田/pdl)
※夢漫画サイトからのサルベージ。

・イメージソングは「Let Me Be with You」。
・夢主の一人称は「私」時々「うち」。


デフォルト名:生田夏希(きだ なつき)
 2年調理部部員→3年調理部部長。寮生。誕生日:5月24日。身長:164cm。
 よく笑いよく食べよく遊ぶ。誰とでも気さくに話すタイプのため男女共に人気がある。
 家事全般得意。よく「いくた」と間違えられる。胸は大きい方である。
 母親の実家が広島にあり、待宮とは従兄妹に当たる。普段は標準語、気を抜くと広島弁が出てくる。
 趣味兼特技は料理・調理。進路も調理系の専門学校。
 泉田と席が隣だったことから交友が始まり、自転車競技部への差し入れを渡すようになる。
 黒田、葦木場とは泉田を通しての面識有り。黒田との両片想いも1年時から始まる。
 2年に上がってから自転車部の部室に顔を出すようになり、他の自転車部員との交流を持つ。

▼簡易年表
 1年→泉田を通して黒田と出会い、両片想い状態に。待宮ボトル事件はこの年。
 2年→自転車部に顔を出すようになる。インハイ選抜後に告白、晴れて付き合うことに。
 3年→黒田とはラブラブ状態。自転車部に入りびたり、ほぼマネージャー状態。
 卒業後→静岡の栄養調理系の短大へ進学。栄養士の道を目指すことに。




 真新しい制服を身に纏った生徒達で埋め尽くされた教室。入学式を終えたばかりの新入生だらけの空間はとても騒がしい。
 高校デビューとばかりにそれまでとは違った髪型で気合いを入れている者もいれば、化粧をしている者、思い切って染髪をする者まで様々な個性が入り乱れ、随分と賑やかだ。
 同じ中学出身者同士でグループが出来ていたり、新たな交友関係を築こうと周りに話しかけてたりと、みんな取り残されまいと必死だ。
 泉田も例外ではなく、周りの生徒に対して挨拶を怠らず、交友関係を築いていた。



 二学期の始業式を終え、通常の授業が行われる前に女子の一言で席替えすることとなった。
 女子手製のくじを引いた泉田は窓側の後ろへと追いやられてしまった。この席では授業が受けにくいなぁと考えてしまうあたり彼の真面目さが窺える。

 しばらくして隣の席にカバンを置いたのは女子だったということで、泉田は多少成りとも緊張してしまったのだが、それもほんの数秒のこと。

「お隣は泉田君なんだー。これからよろしくね」

 そう言って見せた笑顔は人を安心させる暖かさが感じられる。
 入学式の日に担任の提案で一人ひとり自己紹介をしたのだが、その時も今の様に柔らかい笑みだったのを、泉田は覚えていた。
 故に名字名前に対する泉田の第一印象はとても好ましいものであった。

「名字さん。こちらこそ、よろしく」

 爽やかな笑みで返事をする泉田に、名前もまた、入学式の日の彼の第一印象が良いものであったことを思い出した。

 明るくはきはきとしており、分け隔てなく誰にでも気さくに話しかけ、かつ対応も穏やかで優しい。加えて笑顔も可愛い。
 賑やかを通り越して少々五月蝿くもあるがマナーはしっかり守るあたり真面目さが垣間見える。
 それ故に彼女は入学して数ヶ月程でクラスの中心的なグループの一員となっていた。
 前々から彼女と友人関係になれたら楽しいだろうと思っていた泉田にとって、二学期の始まりでの席替えは良い結果をもたらしたのだった。



「筋肉を付けるために今はカロリーをとって脂肪をつけているんだ」
「うわぁ、女子としては耳に痛い話〜」
「ああ、ごめん」
「いいのいいの。スポーツマンはいっぱい食べてこそだし」


「あ、じゃあ私も何か作ってきていい?」
「え?」
「料理するの好きなんだけどカロリー考えたら食れないのよ……。だから泉田君が食べてよ」
「僕で良ければ……!」



「寒天ゼリー作ったんで良かったら皆さんでどうぞ〜」

 今回は無色のソーダと黄色のグレープフルーツゼリーと赤色のアセロラゼリーを層にした三色ゼリーにしてみた。
 ゼリーといえばゼラチンもあるが何故敢えて寒天にしたのかと言うと、寒天は一度沸騰させてしまえば常温でも一定の温度まで下がれば固形化する性質があり、ある程度状態を維持できるから。夏ということもありゼラチンは常温で置きっぱなしにしておくと簡単に液体に戻ってしまうのだ。
 ビタミンCを採ってクエン酸パワーで溜まった乳酸を分解してもらう魂胆である。



「これ、定番の蜂蜜レモン作ってきたから、良かったらみんなで食べてね」



「いっぱい食べる人も良いけど……やっぱり私の料理を美味しそうに食べてくれる人が良いよね」

「まぁ、新開先輩は何でも美味しく食べる人だよ。言い方が悪いけど、食に対するこだわりがないっていうか……かなり不味くなけりゃ大抵の物は美味いと感じる、的なさ」

 そういう、食の幅が広い人間ほど幸せであることは知っている。
 しかし作っている側としてはもう少しこだわって欲しいと思うのは当然。それが意中の相手ならば尚のこと。
 やはり自分の料理が相手の中で一番美味しくありたいものだ。

 何が食べたいか尋ねて、何でも良いと答えられるより明確な料理名を出された方が作り甲斐があるというもの。まぁ全員が全員そういう人じゃないけど、私はそういうタイプ。
<< 戻る >>