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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▽両性愛の氷帝男マネ(BLD/tns)
 財前の従兄でバイセクシャルな計算タラシ。北海道出身で寒いのは平気だが暑いのは苦手、面白いことが好きでのんびりな性格。
 特異体質で一度見たものを使いこなすことができ、二度見え場完璧に自分のものにすることが出来る。テニスのジュニア大会北海道代表決定戦で優勝するが左肘に怪我を負い選手でいるのを諦めた。
 現在は氷帝でテニス部のマネージャーをしている。入学初日に赤メッシュ先輩に一目惚れした。
 跡部の助力もあり肘を完治させ、U17合宿に選手として参加することに。

氷帝学園中等部 3年B組23番
誕生日:6月16日(双子座)
身長:174cm 血液型:O型 利き腕:右(元々は左)
足のサイズ:24cm 視力:両目1.5
得意技:ひみつ!
家族構成:父、母、姉
父親の職業(家業):料理人
出身小学校:北海第一小学校
委員会:生徒会副会長
得意科目:家庭科
苦手科目:世界史
座右の銘:恨むより好きになった方が百倍幸せ
趣味:ネットサーフィン
好きな食べ物:ジンギスカン、キャラメル
好きな色:水色
好きな映画:『夢のチョコレート工場』
好きな本:世にも不幸なできごとシリーズ
好きな音楽:BUMP OF CHICKEN、RAGFAIR
好みのタイプ:反応が可愛い子
苦手な物(事):梅雨、暑さ、カビ
よく訪れる学校のスポット:図書室
行きたいデートスポット:図書館
おこづかい使用例:書籍購入
今一番欲しい物:赤いメッシュが入った銀髪の先輩
日課:お風呂に浸かる
特技:料理
1日の平均入浴時間:2時間17分
家族で一番長風呂だから一番最後に入るらしい




 氷帝学園中等部に外部入学した名字名前は物理的に迷っていた。俗に言う迷子である。
 雄大な自然を誇る北海道で生まれ育った彼にとって東京のコンクリートジャンルは迷路そのものだった。
 入学式の会場である氷帝学園まで行かなければならないのだが、如何せん地下鉄にすら札幌市に遊びに行った時くらいしか乗ったことはなかったで電車というものはほぼ未知との遭遇でしかない。
 学校が建っている場所までの切符を買ってホームに着いた所でため息を吐く。二本停まっているうちどちらの電車に乗れば良いのかわからないのである。
 地下鉄は行き先ごとにホームが別れているので滅多なことがない限り迷うことはなかったので、今回のことは予想外だった。

「くっそー。受験の時はタクシーだったからなー」

 周りを見回すが同じ制服を着ている人は見つからない。それもそのはず名前は寝坊したためすでに式は始まっているのだ。
 寝坊しても慌てないあたり大物なのかマイペースなのか、はたまたただの阿呆なのかはわからないが。
 そうこうしていても埒が明かないのでとりあえず空いている方の電車に乗り込む。空の鞄が邪魔くさい。

 昨夜は趣味のネットサーフィンを長い時間していたため寝不足気味で、座席に座り目をつむれば自然と眠りについてしまった。

「んあー……んー?」

 彼が乗った電車は合っていたらしく目を覚ませば丁度目的の駅に着いており慌てて降りる。そのまま地図アプリを頼りに歩けば氷帝学園まで無事に到着できた。
 受験の際に一度だけ訪れていたが氷帝学園の敷地は相変わらず広く、どこに行けば良いかわからなかった。
 確か入学式は体育館だったはず。そう思いなるべく騒がしそうな方へ勘を頼りに歩いていれば制服の胸ポケットに入った携帯電話が震える。
 体育館に行くことを半ば諦め着信を確認すれば相手は大阪に住んでいる一つ年下の従兄弟。通話ボタンを押して耳元に持って行く。

「どしたー?」
『いや、今日入学式言うてたから……』
「ああ、そうだよ。今もやってんじゃね?」
『何なんそれ。まさか自分サボったん?』
「いやいやいや、寝坊しただけだし」
『式出てないんやったら同じやないですか』
「サボリは故意だけど寝坊は不可抗力だから。それに寝坊したのは半分お前のせいでもあるからな、まじで」
『俺はただスカイプで通話しとっただけですやん』
「俺を寝かせなかったお前にも非はあるからな」
『はいはい、すんませんでしたー』
「うーわ、心のこもってない謝罪どーも」

 ははは、とひとしきり笑いながら視界に捉えたベンチに座り込んむ。鞄を肩から下げれば妙な開放感が訪れた。

『……名前くん、』
「ん、どした?」
『名前くんは中学でテニス続けるんですよね……?』
「……俺は、」
『テニス続けてください。テニスやっとる名前くんはほんまに生き生きしてた』
「光。……昨日も言ったけど、もう無理なんだよ」

 眉を寄せ今にも泣きそうな表情の名前。それは電話越しの声で伝わったのか光と呼ばれた男の子は何も言えなくなった。

 その後は名前が話題を変え楽しげに話し合っていたが不意に視線を感じた。
 視線の正体は眼鏡を掛けた男子生徒で、自分と同じように携帯を耳元においてこちらを見ている。隣に座りたいらしくジェスチャーで名前の隣を指差したので頷いて座る位置を少しずれる。

「そんでな、受験の時も思ったんだけどこの学校綺麗な先輩が多い」
『またその話かい。昨日も聞いたって……あー、もうそろそろ休み時間終わるから』
「おい、話はまだ終わってねぇぞ、まて、おい!……ったく」

 むなしくも強制終了させられた携帯電話を握りしめ大きなため息を一つ。横をちらりと見やればまだ話をしている。
 もう一つため息を吐いて携帯を胸ポケットにしまえばざわざわと生徒たちが走り抜けていく。
 隣にいた男子も興味を示したらしく通話を切る。それを合図に二人は顔を見合わせた。

「俺の名前は忍足侑士。一年や、よろしゅう」
「俺は名字名前。同じく一年、よろしくな」

 二人は生徒たちの走っていく方へ足を進めた。



「おいお前、名字とかいったな」
「ああ、だったらなに?」
「生徒会副会長をやれ」
「は?」
「俺様の補佐をすべき人材だ。ちなみにこれは決定事項だからな」
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