また。
…まただ。
……もう、また!?
「ねぇ、実乃莉?」
『あぁん?え、あっ、ごめん。しーちゃんだったのか」
「…最近実乃莉いつもよりイライラしてるね。どうかした?あ、ナイバッチー!」
『ナイバッチー!!』
只今体育の授業で、ソフトボールの試合をしています。アタシ達はベンチに座って応援中。
『何だか最近、栄口がやけに視界に入ってくんの!!移動教室の時も、ホールに行く時も、あの茶色い毛が!そうじゃない!?』
いつもアタシは、しーちゃんと一緒にいるからしーちゃんも気づいてると思ってた。
「えー、そんなに栄口くん見ないよ?あっ、でも巣山くんは良く見るよ〜。実乃莉、打順次だって」
『あ、うん』
嘘でしょ…?
てか、しーちゃん巣山くんを"見てる"の間違いじゃ…。まぁいいか。
アタシは、バッターボックスに立つ。アタシ達がソフトをしている向かい側のグラウンドでは、男子達が野球をしていた。だから、バッターボックスに立つと、男子達の守備がよく見えた。
だからなのだろうか、やっぱりセカンドにいる栄口が視界に入ってくる…。