[今月の運勢一位は、魚座のアナタ!好きな人と、急接近しちゃうかも]
「だってさ」
『しーちゃん、その雑誌の占いハズレてるね。なにが、好きな人と急接近!?はぁ!!嫌いな人と急接近の間違いじゃないの!!!』
アタシは昼休み、大好物のメロンパンを頬張りながら、しーちゃんの雑誌の占いにぶち切れていた。
「……何あったの…?」
またかー。という顔をしている、しーちゃんには、お構いなしに話し始めることにした。
『…昨日、6限目の体育でアタシ…転けたじゃん?』
「あー、転けたね。実乃莉は、どんくさいからねー。私、15年間生きてきて、ボール投げで転ける人初めて見たよ……ぷっ!あはははは」
そう言い、アタシが転けた時の事を思い出したのか、笑い出すしーちゃん。
『笑うなー!』
恥ずかしくて顔が赤くなる。
「あはは、ごめんごめん。で、それから何かあったの?」
『…それからね、それから…』
〜〜
平気なふりしてたけど、足痛かったから、アタシは終令が終わってから保健室に向かった。
『うわっ、これ登るのか…』
保健室に行く途中の、階段まで行ったのはいいけど、足が痛くて登んの躊躇してたけど、周りに変な目で見られてたから、手摺につかまって頑張って登った。
登りきった時には、もう足の痛さがハンパなくて、泣きそうだった。そこから、壁伝いで保健室に向かって歩いていた。
足が痛くて、俯いて歩いているとアタシは、誰かとぶつかった。
アタシは、尻餅をついてしまった。
変に倒れてしまったので、足にかなりの痛みが走る。
『−っ!!』
立とうとするが、足に力が入らなくて立てない。
どうしよー。って、考えていたら体がいきなり宙に浮いた。
宙に浮いたって言うより、ぶつかったであろう人に、お姫様抱っこをされていた。
アタシは、お姫様抱っこされている事の驚きと恥ずかしさで相手の顔が見れなかった。
幸い、保健室は目と鼻の先だったので、すぐ着いた。
保健室に着くと、その人は、アタシを椅子に座らしてくれた。
『ありがとうございます』
お礼を言ったわいいが、まだ恥ずかしくて顔を見れない。
でもやっぱり、顔を見て言わないと駄目だろう。と思い、意を決して後ろを振り返る。けど、その人は、もう保健室を出て行くときで後ろ姿しか見えなかった。
〜〜
『って、事がありました』
アタシが一通り話し終えると、しーちゃんの頭の上には"?"が浮かんでいた。
「…えっと、それが栄口くんだったの?」
『うん』
しーちゃんの質問にアタシが答えると、さらに、しーちゃんの頭に"?"が浮かぶ。
「なんで実乃莉後ろ姿だけで、栄口くんって分かんのよ…?」
『……野球のユニホーム着てたし…』
「えっ!?それだけ!?」
『…うん。でも、あれは絶対栄口だった!!』
言い切れる。だって、
『左腕に絆創膏してたもん!!』
アタシがそう言うと、しーちゃんは何故かニヤニヤしだした。
「ふーん。あー、そうなんだー」
何か訳分かんないことをニヤニヤしながら1人ブツブツ言うしーちゃん。
そんなしーちゃんを、不思議に思いながら、2個目のメロンパンにかじりついた。