『ごめんなさい』
違うクラスの名前も知らない男子に告白された。
あぁ、本当めんどくさい。
どうせこの男子も、表の私に好意をもったんだろう。
「あ、そっか…。…彼氏とかいるの?」
『…あ、うん』
彼氏がいるって言っといたらこの人もすぐ諦めてくれるだろう。別に彼氏はいないけどいることにしとこ。
***
「おかえり真田。また告白?」
『ただいま栄口。うん、そう。だるくて仕方ないわ』
栄口は本当の私を知っている。と思う。
「今回も断ったの?」
『うん。彼氏がいるって言った』
「彼氏いたの?」
『いや?そういった方が話早く終わると思ったから』
「性格悪いねー」
『今更でしょ?』
憎まれ口を言い合い2人で笑いあう。
「ところで、今日の人が彼氏誰って聞いてきたら、どうしたの?」
『栄口の名前だしてたかなー』
「俺?」
『うん。あ、ごめん。栄口の承諾もなしに』
「いや、俺は別にいいんだけどさ。てか、なんで俺なの?」
『うーん、なんかわかんないけど、栄口って、本当の私のことちゃんと見てくれるじゃん?そういう人と私は付き合いたいの』
「じゃあ付き合う?」
『え?』
「だって、そういうことだったら。別に俺と付き合ってもいいってことでしょ?」
にっこり笑いながら首をかしげる栄口。
確かにそうなるけど…。
栄口って、なかなか計算高いかも…。
そんな栄口、嫌いじゃないけどね。
得意科目は数学です
(それに俺ずっと前から真田のこと好きだったしね)
(…なんか栄口に言われると照れる)