あっ、また間違った。
ある日の放課後、私の目の前には、忌々しい国語のワークが広げられている。
そして、[変]と書かねばならない解答欄に私は間違って[恋]と書いてしまった。
『よくあるよね?』
「はぁ?何が?」
私の席の前に座って、野球雑誌片手にじゃがりこ食ってる阿部が、コイツ大丈夫か?って顔してこっちを見てきた。
『だから、[変]と[恋]って書き間違えるよね?って』
「んなもん、書き間違わねーよ。やっぱ、お前馬鹿だな」
『バカじゃないし!恋したい年頃なんですー。だから間違えるんですー』
「はいはい」
てか、何で俺が教えなきゃならねーんだよ。とぶつぶつ言う阿部は、またじゃがりこを食べ出した。
こいつ1人でじゃがりこ全部食うつもりじゃ…。ワーク頑張ってる私にもくれよ!
「手を止めないで、さっさと終わらせろ!!」
じっと、じゃがりこを見てたら怒られた。
日常
(あっ!最後の一本が!?)
(なゃんかいっひゃか?(なんか言ったか?))