今にも降ってきそうな星を見上げながら、一利が話しかけてきた。
「久しぶりだよねー。夜外にでるの」
『そうだね。一利最近クラブで夜すぐ寝るからね』
今の時間は、みんなが寝静まっているであろう午前1時。
私達は、今日テレビで流星群が見えると言っていたのを聞いて、家から近い河原で見ようという約束をした。
ここ最近は、一利がクラブで疲れているからあまり夜に家を抜け出すことはなかった。
「はは…。ごめんね」
『なんで一利が謝るの。一利は野球頑張ってるからいいんだよ』
本当に一利は野球頑張ってると思う。
朝5時から夜の9時まで毎日野球の練習。平日は授業があるけど、休みの日はずっと練習だもんね。
「…そうかな?」
『そうだよ』
私がそう言うと、一利は少し照れながら笑った。
その笑顔を見て、可愛いな。なんて思った。
「えっ、何!?いきなりどうしたの!?」
そう思ったら、私は一利の頭をワシャワシャしていた。
『いや、何か"可愛いなー"って思ってさ』
「おれ一応男何だけど…」
『男だろうと一利は可愛いよ』
一利は複雑そうな顔をしてた。
私は、ポケットから携帯を出し時間を見た。只今1時47分。あと3分後に、流星群が見える。
『一利、流星群が見えるまで、あと3、っあ!!』
"あと3分ぐらい"って言う前に流星群がいっぱい流れてきた。
"流れてきた"って表現より"降ってきた"と言った方が良いかもしれない。それぐらいいっぱい降ってきた。
『綺麗だねー』
「そうだね…。こんなにいっぱいの星見たの初めてだよ」
『私も!』
それから数分私達は、無言で流星群を見てた。
『あっ!!忘れてた!』
「えっ、何がどうしたの!?」
流星群(流れ星)と言えば…
『お願いしなきゃ!』
忘れる所だった。危ない危ない。
「何をお願いするの?」
『…内緒』
どうか、一利の努力が実りますように。
星に願いを
(教えてよ。
(嫌だよ。人にお願い言ったら、お願い叶わなくなっちゃうもん。
(それって、初詣のお参りじゃないっけ?