※"キミがいないと"のヒロイン視点です。
私は最近毎日のように勇人の家にパワプロをしに行っていた。それを口実に勇人に会いに行っていたと言っても過言ではない。そう、ここ最近までは…。
一週間前に、勇人と喧嘩した。喧嘩と言っても、理由は分からないが、勇人に怒鳴られたってだけ…。
「いいから、帰ってくれよ!!」
この言葉が頭から離れない。
いきなり怒鳴られて吃驚した。けどそれよりも、もう来るなって言われてる気がして泣きそうになった。
私は、泣き顔を見られたくなくて勇人の部屋から飛び出した。
ちょっとは、追いかけてくれるかな…。なんて期待もしてたけど、勇人はこなかった。
それで一層悲しくなった。
勇人とは学校が違う。だから、顔を合わせなくてすむ。そう思うと、なんだか安心した。
今勇人の顔を見たら、また泣きそうになると思うから…。
『しょうちゃーん!!』
しょうちゃんは、私の相談相手。おもに、勇人の事について相談している。だから、しょうちゃんは私が勇人の事が好きだって知っている。
「何、またパワプロしに来たの?てか、勇人に勝てた?」
『勝てた。それと……勇人と喧嘩した』
「はい?」
私は、あの時の事ををしょうちゃんに話した。
「そりゃー、真田が悪い」
『そうなの?』
「うん。なぁ真田、今日勇人の家に行ってあげて」
えっ!?そんな…気まずいよ…。
『もう、一週間も間空いてるんだよ?今更行きにくいよ…』
「いいから、行きなさい」
『…はい』
私は、今夜勇人家に行くことにした。
夜になり、勇人も帰ってるであろう時間になったので、勇人の家の前まで足を運んだ。
でも、家の前から動けない。
もし勇人が、私の事を顔も見たくないぐらい嫌いになってたら。と思うと、怖くて足が動かなくなっていた。
私が家の前で突っ立っていると、
「あれ、咲ちゃんじゃない。一週間ぶりだねー。最近来ないから心配してたんだよ」
勇人のお姉さんが、玄関から出てきた。
「まぁ、入ってよ。勇人もいるし」
私は、゙勇人゙という言葉にビクッと反応してしまう。
でも、断るのもおかしいので、家に入る事にした。
…勇人の部屋の前まで来ちゃった。………………もうここまで来たんだ!!勇人会って謝ろう!!
なぜか開き直る。
『たのもーー!!』
私は、勇人の部屋の扉を勢いよく開けた。
「咲!!」
その瞬間、勇人に名前を呼ばれて抱きつかれた。
ふぇ?何が起きてるの? 私の頭は大パニック。
『ちょっ、勇人どうしたの?』
「なんでもない。…それより、パワプロでもしよっか(ニコッ」
なんでもないって…。でも勇人怒ってないみたい。よかった!
嬉しくて、目頭が熱くなった。
『うん!』
end
―――――――
実はヒロインちゃん、栄口の事が好きだったんですよー。
一週間も来なかったのは、本当は栄口に会うのが怖かったからなんです。
しょうちゃんは、栄口がヒロインちゃんの事好きって気づいてます(笑)