『…田島…暑い』

「えー、暑くないじゃん。むしろ温いぐらい!(ギュッ」

『いいから離れろー!!』

今日は朝から雪が降ってきて正直いって首がすくむほど寒い日だ。
誰かとくっ付いている方が断然温かい。
けど、田島がくっ付いてくると胸がドキドキして体温が上がりすぎて、暑すぎる…。



***


『ねー泉、何でだと思うー?』

「おまっ…それ本気で言ってる?」

昼休み泉にその事を言うと、驚いたように目を大きくしてそう聞いてきた。

『本気に決まってんじゃん!』

真剣にあたしが答えると、ハァーと大きな溜め息をつかれた。
その後に泉は続ける。


「お前が田島に抱きつかれてドキドキすんのは、お前が田島のことす…」

「咲ーー!!」


泉の言葉に被さるように、向こうからあたしを呼ぶ声がした。
振り返ると、田島が走ってこっちに向かってきた。

『−げふっ!』

そしてあたしに飛びついてきた。
つい、変な声をあげてしまった。
抱きつかれて体温がまた上がる。



「あれっ?咲なんか顔赤くなってんぞ?」
ひょいっと田島は俯くあたしの顔を覗き込みながら言う。
田島に覗き込まれて更にあたしは赤くなる。






……何でドキドキするか分かった気がする。









あなたの言動のひとつひとつにあたしの胸がときめく…。


end





(田島ー、あたしあんたのこと好きかも(ボソ
(なんか言ったか?
(なにもー。


――――――
ここまで読んでいただきありがとうございましたー。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -