好きな子に告白の"練習"を頼まれました。
『ね、栄口、今日もお願いしても良いかな?』
「え、あ、うん。昼休みでもいい?」
『うん!大丈夫!』
「じゃあ、昼休み屋上で」
『ありがとう!またあとでねー』
ふう…。今日も約束してしまった。
ここ3日前から咲の練習に付き合っている。
初め呼び出された時は驚いた。
だって
『好きです!付き合って下さい!』
って言われたんだもん。オレに告白だと思ったよ。
でも
「え?咲、ど、どうしたの?」
『……うん、えっとね…告白の練習相手になってもらいたいの!!』
「れ…んしゅう?」
『そう!練習!だめかな?』
「だ、大丈夫だよ!」
…あれは結構心にグッサリきたね…。すごくつらかった…。その日の部活それでミスばっかりしてモモカンに怒られたし。はは…。
ふう、正直行きたくない。辛いもん。でも、咲と2人といられるし行くとするか。
オレは弁当を食ってから巣山に一言いってから屋上に向かった。
扉を開けるともう咲はいた。
『栄口!早いね』
「咲こそ早いよ」
咲に早く会いたいから早く食べたなんて死んでも言えないよ。
『なんか、大切な昼休みを奪ってごめんねー…。でも今日が最後だから、安心して!』
さいご?
「ってことは、遂に告白するの?」
オレの知らない咲の好きな奴に?
『うん!栄口に迷惑かけれないしね…。今までありがとね』
「…どういたしまして」
オレちゃんと笑えてるかな…?
『でわ!いきます!……ずっと前から、誰にでも優しくて、気だてだよくて、部活頑張ってる栄口が好きです。大好きです…』
……………。
「…おれ?」
ええぇぇぇぇぇえ!?!?!?
嘘でしょ!?咲がオレのこと好きなの?いやいや練習だよね?これも?
咲を見ると今まで見たことないぐらい真っ赤な顔だった。
「俺でいいの?」
『栄口がいいの。…っ!さ、栄口!?』
オレは咲を抱きしめていた。あー、顔さっきより赤くなってる。可愛いなー。
「オレも前から咲が好きです。付き合って下さい」
『!!…はい!!』
練習相手は想い人