「…みー!…いずみー!お、起きた?」
オレは田島の声でふと目が覚めた。目の前には眩しいほどの笑顔で田島が立っていた。
「…あれ、古典終わったのか?」
「おう!泉爆睡してたぜ!」
どうやらオレは授業中にいつの間にか寝ていたようだ。
あー、後でノート写さなきゃいけねーのか。めんどくせーなー。つーか、なんで田島こんな笑顔なんだ?もう昼だっけか?
「おい泉!早く着替えねーと遅れちまうぞ!?今日は何すんのかなー?野球だといいな!」
あ、次体育か。田島がなんで笑顔か納得。さ、オレも着替えるか。
***
「じゃあ、隣の人とペア組んでー。男子が手を差し出すんだぞー」
……。
『先生!なんであたしが泉なんかとペア組まなきゃいけないんですか!?』
「はあ!?それは、こっちの台詞だよ!!つーか、なんでお前が男役でオレが女役なんだよ!?意味がわからないんすけど、先生!」
意味がわからない!授業内容がフォークダンスなのはいいが、なんでオレが女役!?
「先生オレが女役の理由を説明してください!」
「あー、泉が女役の理由はな、女の子の強い要望で真田を男役にしてくれって言われてさ、真田の変わりに、泉が女役になったんだよ」
なったんだよじゃねーよ!
なんか真田も今の聞いて満更でもなさそうだし。
『まあ泉くん。間違った、泉さん?お手をどうぞ……ぶふっ!』
真田のやつ、後でぜってー泣かす!
男女逆転
(泉、意外と手おっきいね?)
(まあ一応男だからな)
(身長はあたしよりちっちゃいけどね…痛い痛い!強く握んないで!痛いってば!ごめんなさいー!)