※兄妹設定。軽くシスコン。
あー、今日はほんとにあちーな。せっかくクラブ休みだからゴロゴロしようと思ったのに、こんなに暑かったらゴロゴロする気も失せるし。
しかも、節電だかなんだか知らないけどクーラーつけたら駄目だって言われるし、ほんとなんなんだよ。
暑いからか、すっげー苛々する。
『たかにいちゃーん!』
「あぁ!?」
あ、やべ。苛々しておっきい声でちまった。
振り向くと、咲が泣きそうな顔で服の裾をギュッと握っていた。
『ふぇ、たかに…いちゃん。ぐすっ、咲のこと嫌いになった…の?』
か、可愛い!
「んなわけねーだろ!咲はほんと可愛いな!」
咲をこっちに引き寄せて抱きしめると泣き止んで。いつものように笑顔になった。
ところで、
「なあ咲、なんで水鉄砲なんて持ってんだよ」
『これ?これね、たかにいと一緒にしたい!』
ん?意味がわかんねーな。
咲はやろうやろうと、せがんでくる。どうしたらいいものかと悩んでると、お母さんが台所からやってきた。
「たか。咲プールしたいんだって。ちょっと一緒に遊んだげて」
あー、そういうことか。
俺は、わかった。と返事をすると、咲を引き離して物置部屋に向かった。
あれ、どこにしまったっけな。がさがさ物置部屋を漁っていると、咲がついてきていたようで、たかにい!あったあった!と言いながら、服を引っ張ってきた。
俺は、咲の指差す先にある、箱を手にし庭に持って行った。
***
シュコシュコシュコ。
はあー。プールに空気いれる作業が一番しんどいわ…。
やっと空気をいれおわり、水を溜めていると、水着姿になった咲が玄関から出てきた。
かわいらしいワンピース型の水着を咲は着ていた。
『たかにい!みてみて!咲かわいい!?』
「めちゃくちゃ可愛いよ」
そう言って頭を撫でてやると、得意げに笑っていた。
『じゃあ一緒に遊ぼ!』
たまには、こんな休日もいいかもな。
ビニールプール
(おーい阿部ー、遊ぼうよ〜!って、この子阿部の妹!?めちゃくちゃ可愛いじゃん!)
(…おいクソレ。お前の腐った目で咲をみんじゃねーよ。殺すぞ)