センパイちょーだい


監督生はその身一つで異世界なんぞに来たからか、それとももともとの性分か、執着心が極端に薄いように見えた。
テストの点にも食事にも金にも頓着せず、制服の下のインナーも各寮の古着をもらって使っているし私服も貰い物ばかりでクローゼットは無駄にカラフルだろう。座学でたまに当てられ正解しても嬉しそうでもなく、特売のサンドイッチをろくに具も見ずに頬張る。
レオナ先輩、と呼ぶ声に敬意はどこも見つけられず、便宜上敬語を使っていると言わんばかりに敬意が見えない。性別を偽っていたのならそこに執着があるかと思えば、不便だからと一蹴された。

「おい」

寝転ぶ室内をぐるりと見回し、観念して監督生へと声を掛ける。事故により女だと発覚してもなにも変わらない態度のそいつは教本から顔もあげずに「なんでしょうか」と気もそぞろに返答した。

「なにか欲しいものはあるか」
「お金ですかね」
「物で」
「ご飯ですかね」
「はあ……昨日も奢ってやったろ」
「買い出しに行かされたのですが……?いや、美味しかったしもらいましたね。はい解決」
「他には」
「なんなんですか、さっきから」

膝の魔物が「あーもう!集中できねえんだゾ、休憩だ休憩!」と軽く駆けていく。こら!と形ばかり叱っているが集中が切れたのはこちらも同じようで、無防備に椅子に持たれて胸を張り出して息をついている。真っ平らなそこになんとなく目をやる。意味はない、反射だ。どうせ魔法を使ってまで誤魔化しているのだと触って確かめたので知っている。

「別にお詫びとかいらないですって。損したとか害されたわけでもあるまいし」
「メスのテリトリーで好き勝手してハイそうですかとはいかねぇんだよ、示しがつかねぇ」
「オスなら?」
「立場を弁えさせただけだろ?」
「野生こわい」

なるほど異文化交流、などと呟きながらどうにか検討し始めたらしい監督生がテーブルに目を落とし、あ、と抜けた声を出す。そのなんでもないような声でだいたい察しはついて、落胆して持ち込んだクッションへとさらに背を深く埋めた。

「せんぱーい。インク切れそうですよ」
「却下だ」
「もー、何なんですか。そんなに我儘言うなら訊かないで適当に買ってくださいよもー」
「それじゃ喜んでんのか分かんねぇだろが」
「なんでも喜びますよ、自分」
「意味ねえ」

ぐわあ、と締められる前の鳥のような声を出しながら椅子から落ちる監督生に、逃げていた魔物がすり寄るように戻っていた。どうやら引き落とすために魔法でも使ったらしい。腹を踏みしめられる姿は捕食される草食動物そのものである。

「獅子の前で腹を出すなんて……餌としての自覚が芽生えたようだな?」
「お前がグータラしてるからこっちもやる気でないんだぞ!責任とれ!」
「そこで仁王立ちする意味はあるのかな……うぇ……」
「弱え。防御も打ち消しも使えねぇならせめて脚力で踏ん張れよ」
「自分なんで叱られてんの……?」

心底納得がいかないといった表情の監督生への興味も失せ、適当なものを見繕うかと妥協する。肉以上にこいつが喜ぶものなんて想像もできないしおそらく存在しないのだろう。それか本人に自覚がないか、どちらにしろ今すぐどうこうできるものでもない。
そこまで考えて、どうにか彼女が喜ぶものを探ろうと躍起になる自分を自覚する。途端に馬鹿らしくなって全部どうでもよくなり、寝返りをうって視界をソファの背もたれで埋めた。

「そもそもここに来なければいいのでは?」
「他人の縄張りまで呼びに来る無神経がいねぇからいいんだよ」
「無神経に寝てるひとがなんかいってる」

減らず口に笑い、目を瞑る。強いて言うのなら、無人でも有人でも居心地のいいこの場所が悪いのだとこじつけながら。


自分のためにと持ち込んだラグはことあるごとに客室に押し込まれ、それを引っ張り出してはソファに引っ掛ける。あんまりにそんな応酬があるのが面倒で一枚余計に持ってくればすぐに普段使いにされた。主に猫の。
他の一年達が泊まるだとかで追い出され、昼間に居座ってやれば呆れたように客室を用意されたが日当たりが悪すぎたのでエントランスに居座った。
その合間も彼女が物を欲しがることはなく、探りようもないし、そもそも探るのが面倒になっていたのでとりあえずは食事の差し入れへと定期的にラギーと行かせて余分に買わせた。
日々貰い物で充実していく部屋に、相変わらず彼女のものはない。
見覚えのある古着に備え付けの調度品、購買でありふれた筆記用具に食器。色も大きさもちぐはぐなものばかりでいっそ統率が取れている。いや、この寮に出入りしている誰かしらが少しでも整って見えるように手を加えているのだろう。もしかしたらひとですらなく思いの外お節介なゴーストや妖精かもしれない。

「なんか欲しいものないのか」
「平和な休日」
「叶ってるじゃねえか。良かったな」
「お客さんが居るのにそんなゆっくりできます……?」
「客と思ってたのか、へえ。知らなかった」
「はいはい先輩はお客さんです、はい紅茶」

猫は猫らしく外を歩いているらしい。ひとりになっても携帯片手に勉強をする監督生は静かだ。集中するためかここ数年のヒット曲を節操なく流しており、あとはペンが紙を走る音ばかり。客扱いでも何でもなく、足りていないものばかりのくせに居心地が良い。

「お前、欲しいものないのか」
「角砂糖が切れそうです。最近お客さん多いから」
「蜂蜜でも舐めてろ。裏に巣があったぞ」
「えっ?欲しいもの言ったのに否定された」

尾で床を叩いて話を切れど、楽しそうな寮の主は足りないものを数えながら参考書の空欄を埋めていく。どれもが生活に必要なものばかりであることに呆れて、飽きて、そのまま目を瞑って寝た。寝ている間だけ鼻歌のようなものが聞こえた気がしたが、目は開けなかった。どうせやめられてしまうのだから。








べちゃべちゃに濡れそぼった監督生へとジャージを被せる。力任せに剥がそうとするのを頭から押さえつけ、周りへと目を向けた。挙動不審に逃げ去るもののベストカラーを確認して、腕の中で暴れるそれを抱き上げるようにして歩き出した。感謝でも謝罪でもなく品のない罵倒が漏れ聞こえるのは愉快だ。この騒動にはどこにも笑えるものなどないとばかり決めつけていたというのに。

「ひとの下着見て笑うとかお前のパンツ見せろよ、魔法具の弁償誰がすると思ってんだいや学園長だけど!お前の実家に請求書送りつけてやるからなっ……おろしてください!レオナ先輩!やっぱ殴る!」
「殴り返されるに決まってるだろ馬鹿」
「先輩はなんで笑ってるんですか!」

中庭の人出の多さに比例し多く向けられる視線が煩わしく、ぎゃあぎゃあと暴れ喚く担ぎ上げたものもそれを集める一因となっている。というかほぼ元凶だろう。
水か何かを盛大にかけられ、シャツから透けた下着を見られて怒り狂う監督生は男子校では二重の意味で目立つ。逃げ去るやつはスラックスを持ちながら走っていたので、まあ、ほぼ下着が見えるところまではずりおろし返してやったのだろう。スマホを掲げる群衆たちがそこまで撮影していれば犯人探しと制裁の手間が省けていいのだが。

「とにかく着替えて来い。それとも俺に見られながら乾かされたいか?」
「っ……あー!わかりました。ジャージに着替えますから」
「追いかけても逃げ切られるだけだ」 
「……はぁー、それくらい分かります」

幾分か冷静になった様子の簀巻きの監督生を下ろす。俺のサイズのジャージを眺めて妙に複雑そうな顔をして、洗って返しますから、と羽織り直した。赤らんだ耳元からもようやく羞恥心を思い出したことが窺える。

「いるならやるぞ?」
「返します。でかすぎ。……ありがとうございました、殴ってたら退学になってたかも」
「まあ下着晒し返したぐらいなら正当防衛だろ。それにしても……はっ、なんで殴るより先に、はは」
「や、ベルト掴んで下ろせばいけるかなって。ボクサーの縞パンでした」

けろりとすぐさま報復に出た旨を宣う監督生に満足し、奮発も視野に入れながら「今なら、して欲しいもんあんじゃねぇのか」と求める。当然のように顔をしかめて「ありません」と答えるのに、興醒めかそれに似た感情で彼女から目線をそらした。
中庭も静まったようで、いつもと変わらない程度に五月蝿い校舎だ。

「お前、次の授業は」
「歴史ですね。グリムは出てるはずだし遅刻して行きます」
「そうか。俺は掃除で忙しいから授業には出れねえ」
「それはいつもでは……」

濡れてセットもクソもない髪を手櫛で整えてやり、ついでに水気を飛ばす。そんなことにも気付かない監督生の肩を押してやり寮方向へと向かわせる。

「ま、お前はその調子でもっと怒れ」
「え、やですよ」

冷静な返しに少し笑い、制服を偽ってまで『悪戯』する寮生の掃除へと向かう。雌だと知らずにしたとしても、まあ、相応の責任はあるのだと示さねば困るので。




性別が知れ渡ってもぞんざいな格好で過ごす監督生に態度を変えるものはごく一部ばかりで、その一部は謝罪の品を持っていったりこれまでの無礼を謝ったりで少し煩かったらしい。その場に居合わせた訳でもないので又聞きだが。
他人の気配の薄いのに一息つき、勝手にボロボロの寮のエントランスへ侵入し定位置へ収まる。日当たりもよく適度に物陰で、監督生の挙動の把握は容易なそこには持ち込んだラグやらクッションの他にも貢物らしいぬいぐるみだとか猫じゃらしのようなものだとかが雑多に増えた。やはり大して喜ばなかったらしいそれらを邪魔な分は落とし、いくつかを頭の下に敷く。寝心地は悪くない。

「先輩また来たんですか」
「悪ぃか」
「いえいえ、とっておいた良い紅茶とクッキーが出せます」
「ふぅん、客扱いするんだな」
「この間庇ってもらったお礼も込めさせていただきます」

ありがとうございました、と至極冷静な言葉とともに置かれる菓子類は確かに有名なものばかりで、恐らくは下着を晒し返され反省文と寮内清掃を言い渡された生徒たちからのものだろう。雄同士のいざこざであれば大事にもならなかっただろうに。

「何か欲しいものはねえのか」
「残念ながら。少し潤っているくらいです」

あ、現金は足りてないですとハイエナのような一言を添える彼女の顔を観察するが、飢えた様子も恨んでいる様子もなく「うわっ美形まぶしっ」と眉間に皺を寄せるばかりだ。愉快だったものでそのまま見つめ続ければ細目を開けてはぎゃあと汚い悲鳴を零す。それでもまだ見つめていればタコのデフォルメぬいぐるみが顔面に飛んできたのでライトまでふっ飛ばせば残念そうな顔に変わる。

「ミニアズール先輩……あなたのことは忘れません……」
「代わりにライオンの銅像でも買ってやろうか、不審者に吠えるやつ」
「い……りません」
「追跡してスラックス下ろさせる機能もつけてやる」
「いりません自分でやります」

一瞬揺れたくせに不機嫌になった背中を笑ってやりながら、茶を飲み干して転がり目を瞑る。まあ、進展はしただろうと。






「帰れるんです」

きょとんと、口に出した本人が驚いたような顔をしていて、こちらだって反応に困る。
いつものように彼女の寮に忍び込めば、何をするでもなくスマホを片手に宙空を眺める監督生がソファに収まっていて、仕方無しに声をかければそう返ってきた。猫はいない。ゴーストまでもが賑やかしに来たりはしない。仕方なく斜向いのソファに腰掛け彼女の視線の先を見た。窓から入った陽光が埃に反射していて、なんとなく鼻が痒くなる。

「帰れるって、元のとこか」
「……はい」
「帰んのか」

無言の彼女から感情のようなものは読み取れず、黙って横顔を眺めていれば目玉だけがちらとこちらに揺れる。

「何か要るのか」
「もう、帰れるそうです」
「手土産だよ」

ぱちぱち瞬いてから何時もの調子を思い出したようで、苦く笑いながら「いりません」と言う。

「あ、でも、帰る前に挨拶とかしなきゃな……先輩。手土産何がいいですか」
「俺が貰うもん俺に買わせる気かよ」
「自分で出しますよ、それくらい。ここのもの売れば足しになるし」
「古着を……?もう一回、売れるのか……?」
「ラギー先輩に買い取ってもらいますよ」

平時の声色で「まず掃除かな」と言うのに辟易し、けれどもソファに転がり丸くなる。

「先輩、今から掃除したいんですけど」
「明日にしろ」
「横暴すぎる……」
「今日明日帰るわけじゃねぇんだろ」
「……そうですね」

すとん、と座った監督生が平時のようと言うには丁寧すぎる手付きで手の中の写真を眺める。たまに笑う気配を聞きながら、なにか贈れたろうかと思考をゆったり巡らせる。今この時間も居心地がよく、相応しい報酬の価値はずっと上がり続け、期限までが明確になれば候補は絞られるようで絞られず、定まらない思考はゆらゆら散ってまとまらない。かえらない。捧げたいものすらわからない。


監督生がいよいよ帰るらしい。
ハグのテロだと揶揄される程に無差別に抱きついては女だからと遠慮されても無理矢理くっつき、普段の温度の低さから感情的になることはないのだろうと勝手にされていた評価がすっかり塗り替わる頃。
着の身着のまま、式典服で鏡の前に立つ監督生のそばにはもう誰もいない。彼女がもっともらしいことを言って人払いをしたからだ。そこまでされてしまえば顔を出さない訳にもいかず、一日中彼女のテロから逃げ回った気まずさもあり黙って顔を出す。性別を偽るものも身につけていない彼女は、ますますなにも持っていないようにみえた。矜持だとか、身分だとか、性とか感情だとか。
こちらは抱えきれないほどに悩んで悩み倒して結局貴金属を握りしめて立っている。世界を跨ごうとも換金できるものなら困らないだろうと、彼女が喜ぶかなどは全く分からずに。
足音でかこちらに気付いた監督生が、何故だか得意げな顔をして腕を広げてみせる。

「先輩だけです、ハグしてないの」
「はぁ?知らねぇよ」
「お願いです、ほら、メスからのお願いですよ。何もくれなかったんだからこれくらいはいいでしょ」
「お前そんな性格だったか」
「はは。どうでしょ。……まあ、うん、変なテンションになってますね」

彼女の思う通りに動くのが癪で大股で歩み寄り、戸惑うように下げられた腕に構わず抱き込んだ。香水と祝福とが入り混じった匂いが気に食わず唸れば腕の中から潜めもしない笑い声がもれる。彼女に高価なだけの装飾は似合わないと確信して、これだけの時間を掛けて何も決められない現状に落胆する。

「お詫びとか、本当にいらないんです。先輩がいてくれて、あたしのこと女の子として扱ってくれたから、いいんです」
「当たり前のことに価値を付けるな。俺が決めるっつってんだよ」
「オラオラだ……」
「あ?」
「痛い痛いごめんなさいごめんなさい」

やわい身体は腕に馴染んで時間がゆるやかだ。それでも残された猶予はなく、とりあえずは希少価値があると前に聞いた貴金属で作られたネックレスを押し付けるように掛けてやる。当然嫌がられたが腕を拘束しているので問題はない。
これで最後だろうと、かんばせを上向かせ目を見つめ、いつものように「欲しいものはあるか」と問う。いつもの無欲な顔で「あたしのとこに来てよ」と囁く。あまりにも大きなもので、真っ当に答えられたのは初めてだというのに可笑しくなって笑ってしまった。

「おいおい、逆の意味で割に合わねぇの出すんじゃねえよ」
「欲しいものでしょ」
「今言うな。もっと他にあるだろ」
「いらない」

ハグに満足したのか彼女が腕から抜け出し、鏡の前に立って満足気に笑う。女のように笑う。あれだけの時間をともに過ごして、喜怒哀楽すべて見たつもりでその顔が一等美しくて戸惑う。
美しいだなんて、思ったこともなかったのだ。無力な愛玩動物のように思えども笑うのにも歯向かうのにもそうは思わなかった。男ではないと気付いたあとでも。
それは彼女のそばを離れるのが惜しいと思うくらいには美しかった。
彼女の隣に並び、何も映さない鏡面を眺める。

「捨てさせるんならお前もすべて捨てろ」
「捨てない。あなたにあげるんだから」

応えの声は普段通りすぎて可笑しくて、笑いながら彼女を抱き寄せて鏡面へ体を投げ出した。
















このひとの幸せとはなんだろう、と身が入らなくなった勉強道具を前に、休憩のように考える。
テーブルの斜向いに当然の顔をして居座るレオナ先輩はだらりとソファに身を投げ出し、たまに何かに反応して耳がぴるぴる動く以外はほぼ身動きせずに眠っている。寝顔まで綺麗とか女子の敵だよなぁ、と顔を眺めていれば片目が開いて睨まれた。へらへら愛想笑いを返して、伏せていた教材を盾にする。テストの前に常識さえもあやふやなのでミドルスクールの教科書各種だ。なんでか知らないが言語が理解できるので本当に良かった。
おとぎ話のような現実味の薄い歴史にまた意識が反れ、仕方なくノートにペンを走らせる。セキュリティに不安のある寮に入り浸ってくれている彼が喜ぶもの、肉、ほつれた衣服を縫ってあげること、シャワーを自由に使えること、静かな空間。ああそれと、意外と密着してくるからそういうスキンシップは好きなのかもしれない。運動部だし。いや関係ないか。
この学園のペンは万年筆が主流で、とりとめのない落書きも教科書の似顔絵も消せなくて困る。箇条書きのそれらは個人の特定には至らないかもしれないけれど、見つかってほしいものでもない。紅茶のパックにインクにティッシュと、なくなりかけていたものを下に綴って些細な偽装を施してノートを閉じた。これだけ気が逸れればもう勉強どころではない。
この時間が続けばいいのに、と無責任に思う。
物なら諦められる。私のものにならないのだと諦めていれば可愛くない服も不便な寮も笑い事にできる。
このひととの関係だけは、どうせ消えるものと思いたくなかった。だからといって何か出来ることもなく、だらだらと触れたり触れなかったりして楽をしていた。
いつか。いつかここに来たときのようにすべて捨てさせられるのなら、きっと一番の心残りはこのひとだろうと。身分も経歴も関係のないこの時間が二度と戻らないのが辛くなるだろうと。
今日も結論を出すことを諦めて、立ち上がって「飲み物取ってきますがいりますか」と声をかけた。ん、とどちらともとれない一文字にとりあえずは二人分かと息をつく。

「おいなんだこれ」
「お得用サイダーですよ。箱で安かったんですけど美味しくなくて」
「そんなもん客に出すんじゃねえよ」
「んふっ……ごめんなさ……」

威圧的で怖いと思うこともなくなった不機嫌な顔に、声に、遠慮なく笑って遠慮なく舌打ちされた。


21.04.30


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