その弱き背に誓う 「で、結局はどっちなんだ…?」 さっきからこの質問ばかりを沖田に問うこの三人は諦めると言う事を知らないらしい。 そして刹を膝に寝かせた沖田は溜息を一つ吐いて、寝ている刹にごめんねと小さな声で囁いた。 「この子は、刹は紛れも無い女の子ですよ。」 辺りを奇妙な空気が包む。そしてパクパクと口を金魚のように動かす三人に沖田と慧は呆れたように溜息を吐いた。 「あなた達はどんな目で西条さんを見ていたんですか。」 「まぁ、刹の男装が上手なのもあるけどね。」 笑いながら寝ている刹の額を撫でる。んっと身じろぎをしたが起きる様な気配は無い。 「で、でもよ。なんでまた男装なんか。」 「この子はね、捨て子だったんだよ。それで近藤さんの養女と言う形で此処にいるんだよ。」 「ふぅん。でもさ、なんで男装?」 刹の服装を指差しながら藤堂は問う。 「それは、この子の意思だよ。刹は近藤さんの為なら命だって捨てられる子だよ。だからこそ、この子は剣技を学び誰よりも強くなろうと心を鬼にする。」 信じられないと言う様な顔をする三人に沖田は苦笑を漏らした。そして、今だ眠る刹を抱き上げた。 「じゃぁ、僕は刹を連れてもう寝るから。」 「ね、寝るって。一緒にか!?お前、まさか!!?」 その場の空気が凍ったように感じたが、沖田はニヤリと笑った。 「さぁ、…どうだろうね。」 *** 腕の中で眠る刹。 それに頬が緩むのを感じた。こんなに人を信用して眠る刹は珍しい。本当なら寝ていても人の気配ですぐに目を覚ましてしまうからだ。 「……そ、うじ…?」 はっとして刹を見ると、薄っすらと意識を取り戻していた。どうしたの?と問いかけると眠いと言って首元に抱きついてきた。そのまま布団に倒れこむと刹は小さく擦り寄った。 「刹、寒いの?」 「……んっ…。」 無意識なのか、朧気な視線で僕の名前を呼びながら手を握る刹は凄く可愛いと思ってしまう。 「おやすみ、刹。」 2010/11/21 総司暴露しちゃったー。 まぁいいけどね。つなげにくいけど大丈夫なのか((汗 ではよろしくお願いします!! 執筆者⇒芹 戻る |