空を見上げた | ナノ
永遠がいま終わる


ここに住まわせてもらっている私たち食客と、土方さん。それから近藤さんと沖田さんと西条さん。なんでもまた酒盛りが始まるらしい。因みに瑠璃崎さんは近藤さん宅のツネさんのお手伝いでいないらしい。

「…………。」

この面子なため、騒いでいるのは主人と平助と永倉さんが主。この三人はお酒で仲良くなったと言っても過言ではない。

「ほら!慧ちゃんも遠慮せず飲めって!」

「そーだよ!慧も飲めばいいじゃん!」

「お前らは遠慮しろ。」

飲むのはいいが絡むのはやめていただきたい。

「お前らって、左之もか?」

「あーあ!左之さんも終わりだな!」

けらけらと笑う平助。

「主人は構いません。何かあれば私が納めます。ですがあまり飲みすぎすのはやめてください。最近、飲んだばかりなのに酒盛りだなんて…」

「あー!いいって、もう!ほら、刹もはい!」

「ぐむっ!」

苦笑いをしている主人に言うと平助に何かを突っ込まれる。よく見ればそれは酒瓶で。

顎が上を向いてしまっている私の喉には沢山液体が流れ込んで来る。

「……………。」

そこからは、覚えていない。




***




「あれ、刹ってば寝ちゃった。」

先程まで自分が酒を注いでいた少女が自分の肩に寄り掛かり寝息をたてている。沖田は自分の肩で寝ている刹を微笑みながら見つめる。

「こんなに弱くて小さい、普通の……、」

沖田は慌てて口を閉じだ。女の子、なんて言ってしまっては今までのが全て無駄になってしまう。

「あれ、刹ってば寝ちゃってるじゃん。」

先程の自分と同じように言ってやって来た少年、藤堂平助。もう大分酔っ払っているらしく顔が赤い。後ろで永倉や原田、そして慧までもが酒瓶かららっぱ飲みをしているのを見て沖田はくすりと笑った。

「なあんかさ、刹って女の子みたいだよな。」

「…酔っ払いはあっちに行ってなよ。」

「だよな〜。」

後ろからのそのそとやって来るのは永倉。沖田は周りを見るも、土方、近藤はぐっすり眠ってしまっている。酒盛りだから問題はないのだがそれにしては弱すぎだと沖田は思った。斎藤に限っては部屋の隅の縁側から一人酒を飲んでいる。ちらりと見える横顔はもう眠たそうだ。

「服でも脱がせてみるか?」

いしし、と笑う永倉に沖田は冷や汗をかいた。

「それじゃただの変態だよ。」

「ま、男同士だし大丈夫だって。気になったもんは仕方ないし。総司ならこの気持ちわかるだろ?」

刹の服に手をかけようとした平助の手を掴もうと沖田は腕を動かすがそれが何かを掴むことはなか
った。

「……なに、してる。」

舌足らずな声で平助の腕をがっちり掴んだのは慧。

「何って、気になったから。」

「女子の服を脱がすなんて貴様は変態か。ど阿呆。」

「はあ!?」

永倉は今ので酔いが醒めたさしく驚きの声をあげる。隣で慧は平助の頭を小突く。平助は致命傷を負ったかのように抑えるが慧からしたら普通に小突いただけなのだ。だが忘れてはいけない慧が怪力だと言うことを。

「ちょ、慧慧ちゃん…落ち着けって…。あんなのただの酒の席での遊びで……、」

「いや、こいつは女だ。馬鹿もここまで来ると大概だな。」

慧は頭が回っていないらしく永倉を罵る言葉を並べていく。どうなんだ!、と問い詰めてはあれ、どうなんだ…?と自分で言っている始末だ。沖田はぽかーんとそれを見つめた後、周りを見ると斎藤もこちらを見ていた。

「…って〜、てか慧はなんでわかんだよ。」

痛みから復活した藤堂が仁王立ちの慧に声をかける。永倉は酒の席だとさっき自分で言ってしまったため慧の暴言には反応しないようにしている。

「なに、って…。にお」「ああぁぁああ!」

慧の口を抑えるのは主人である原田。

「…左之さん?」

「………悪ぃな。」


部屋は微妙な雰囲気に包まれた。永倉、藤堂の両名は自分の発言を後悔するのだった。




20101121

無理矢理ごめんなさい。きりました…。

すみません…。どうか沖田サイドでもなんでもいいんで繋いでください(土下座)


執筆者⇒雪子


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