空を見上げた | ナノ
想いよ折れぬ刃となれ


ザァァァ――。


今日は雨、心が重い。





苦しい、苦しい、苦しい、苦しい、苦しい、苦しい。一体何が苦しいのだろうか?自分のことなのに分からない。否、知らない。自分はこの感情を知らない。…何をする気も、何かを見る気も無い。ただ、脱力。こんな自分はなんだろうか?今までのことはやはり無駄に終るのか?

「刹。」

総司の声、今は答えられる自信が無い。

「刹、一体何時までそうしているつもり?」

「…。」

何時まで、そんなの俺に聞かれても分からない。叶うなら、永遠…?

「ばれちゃったモノは、仕方が無いんじゃないかな?それに近藤さんは何も言わなかったでしょ?」

そう、近藤さんは何も言わなかった。ただ、あの人のあんな顔、みることになるだなんて思いも寄らなかった。

…俺は、これから組織されていくだろう此処の局長であるべき人間は、あの人だと思っていた。いや、あの人で無ければならないと思った。だから、誰にも知られないよう、裏から邪魔をするものを少しずつ、少しずつ消していた。その話は絶対に知られないように極秘、それも極少人数の人間。総司、彼方、俺の三人で行っていた。そして、とある人間の始末に出かける間際、俺は運悪く永倉に発見されてしまい。そのまま…。

「僕はいつかこうなることを、分かっててやっていたんだ。でもそれは刹も同じでしょ?それとも刹は、ただの人殺しの為に「違う!!」…なら、さっさと立ち直りなよ。近藤さんは許してくれた、土方さんは、ちょっと怒ってたけど。でも一人じゃない、僕も彼方もいる。何も刹一人が抱え込むことは無いよ。」

「それでも、そんな汚いことをしていることは知られたくなかった!」

髪で隠れて表情こそ見えないが、きっと唇を噛んだのだろう血が流れているのが見えた。そんな刹の隣に腰掛け、沖田は刹の頭を自分の方へ寄せた。

「…そうだね、でもいつかは皆する。人だって殺すし、下手をすればもっと汚いことをするかも知れない。だから、そんなに自分を責めないで。」

「…ッ。」

「大丈夫、此処には僕しかいないよ。だから、泣いても分からないよ。」

一筋、刹の瞳から涙が流れた。




***


「…落ち着いた?」

コクリと頷く刹の頭を撫でる。すると目元を少し赤くした刹が気持ちよさそうに身じろいだ。

「…総司、」

「何?」

「…ありがとな。」

ぶっきら棒だが、静かに聞こえた声に沖田は笑った。

「そういえば、あの子のことはどうなの?」

「日向慧のことか。別に今のところは何時もと一緒だ。」

「ふぅん、仲良くなりたくないの?」

その言葉にキョトンとした刹は笑った。

「俺とアイツが?戯言は言うな。俺はアイツを認めない。」

「それは意地?」

「違う、ただ――この場所を守りたい。」

「だから、あの子を認めない。」

少し笑って頷く刹の頭をくしゃくしゃと撫でて沖田は笑う。

「刹はそうでなくっちゃ!!」



2010/11/15


も、無理です。


あとは頼み…ます…(バタンッ!


執筆者⇒芹



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