見当もつかないよ 「だから、近距離は嫌いなんだ。」 相手の戦法を見ていた矢先、物凄く小さな声が聞こえた。それは俺以外には気付いて無いらしく。皆、藤堂と日向慧の戦いを見ていた。否、戦いと言うには些か力が偏っていないだろうか。俺の見る限り、藤堂よりは慧の方が動きも早いし切れがある。あとは、人間とは思えない程の腕力。 一人悶々と、相手の力を推測する。観察力には長けていると自負していても、やはりいくつかの疑問が浮かび上がってくる。 「ってて………、」 「かぁー、腰抜け平助め。この勝負慧ちゃんの勝ち!」 日向慧が藤堂をぶっ飛ばしたことにより、周りから耳障りな歓声が聞こえ出す。それを横目に俺は彼方にとある提案を持ちかけて見た。 「…彼方、もし俺があいつと戦ったらどっちが勝つと思う…?」 「せやなぁ、向こうは速さと力が武器みたいやしな。刹は速さと完璧な太刀筋…。さぁ、どっちやろな。僕は同じやと思うけど…?……なんや?勝負したなったんか?」 「…その考え、二度と言えない様にしてやるよ。」 彼方に意味ありげな笑みを残して、俺は日向慧へと声を掛けようと立つと同時に隣にいた人物に名を呼ばれた。 「どうかしたか?総司」 「だから、喧嘩ふっかけちゃ駄目だよ。刹は面白そうな子達は殺しそうになるでしょ?」 その言葉に眉を潜めて、相手を睨んだ。 「だったら、総司が相手してくれるのか?」 「いいよ。そっちの方が刹も遠慮なくやれるだろうしね。」 意味ありげな笑みにこちらも笑みを返す。不穏な空気がぴりりっと棘を含んだ。 2010/11/10 なんかちゅうと半端な気がするが、これ以上が思いつかなかった(汗々書けるときと書けない時が激しくて、凄く困る…。繋げ難いかな? 次はちゃんとがんばりますから、よろしくお願いします!! 執筆者⇒芹 戻る |