赤いことば 「…………。」 私は言葉を飲み込んだ。ただの拷問だったはずがこの有様。連れて来られた男たちはきちんとしかるべき処分を受ける場所へ連れて行った。その後自分に任されたのは拷問を行った部屋の処理。 手についた赤 一面、赤 顔を覆う ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい これが罪だと、知っていた 知って、いたのに 私は落ちていた蝋燭を拾うとばきり、とへし折った。 「ああ、なんて不愉快なんでしょう。」 ぽつりと呟くと私は部屋の清掃に取り掛かった。辺りは血。確か、拷問の担当は双狐の二人。 「……何が、何が双狐だっ!」 持っていた赤い雑巾を部屋の外へ投げる。 「…………。」 「……………あ、るじ」 私はぞっとしてすぐに駆け寄った。顔を見てばっ、と下を見ると服が赤く汚れていた。 「…すみません、主。すみません。」 彼は部屋の中を見つめていた。 「ずいぶんと荒れてるな、お前も、西条も。」 「言葉もありません…。」 ずっと服を握り締める私の頭をぽんぽんと叩くと体をぎゅう、と抱き寄せた。 「あいつらも仕事なんだよ。」 「はい…でも狐…、」 主はそんな私の言葉に笑った。 「双狐って名前を気にしてるのか?」 「……。」 お前もまだガキだな、とまた頭を撫でた。 「ほら、俺も手伝ってやるから。どうせ近いうちに討ち入りなんだしな。」 「…はい、…ん?あ、主がこのようなことに手をつけるなんて……!結構です!部屋の清掃くらい私がっむぐ、」 口をぎゅ、と手で塞がれる。 「俺を慕ってる可愛い女にこんなこと一人でさせるわけないだろ。」 ああ、主…素敵です。因みにその言い方だと恋仲に聞こえます。 「…お願い、します。」 「ああ、任せろ。」 風の強い日に京に火を放つ。ああ、人間とはなんて愚かな生物なのでしょう。 「……主、」 「ん?」 「……なんでもないです。」 ありがとうは、終わってからにしよう。 慧は一人微笑んだ。 110106 主ラバーな慧を出したかった。 そしてこの腐った文章はどうしたΣ(ショックΣ) まあ、次は討ち入りですね。きゃほーい。 あと何故双狐の名前を気にしてるのか、は。自分が狐だから←ずばり ほら、狐って字が入ってるからさ。几帳面なおかつ狐に誇りがある慧さん故の苛立ち(笑) 雪子 - 14 -
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