通りゃんせ | ナノ





ここどこだっけ。


そうやって思ったのは頭が正常に回るようになってからのこと。学校で大嫌いな数学の授業をはやく終わらないかな、とか思いながら定年間近の先生の声を子守唄に机にとっぷしたらこの様だ。


ここはどこだろう、とか呟く暇もなく見知らぬ土地で着物、…いや、着流し?この際どちらでもいい。重要なのは腰に本物かは知らないが刀がぶら下がっていたこと。そんな人物三人に悪意が篭った声色で声をかけられ人もいない夜中に追いかけ回された挙げ句レイプ。嫌だとなんだと叫んだり色々しながら結局頭は冷静でこんなのほんとにあるんだ、とかどうして私が…まさか私が…と頭の中をぐるぐるぐるぐる無限ループ。結局最後はからかいが見える慰めの羽織りをかけられ現場である神社裏に放置。てか神社って。お前らどんだけ神様嫌いなんだよ。つか助けてよ神様。

ぐずぐずと鼻を鳴らしながら痛い体を動かし下着を付けていく。よくわかんないけどなんかブラとか知らなかったみたい。刀で切られそうになったから自分で外したから被害はない。ただ、制服のセーターはボロボロでもう着れない。ぺい、とその辺に放り投げ土でぐちゃぐちゃな制服の変わりに学校指定のリュックから体操服を出しハーフパンツのズボンはスカートの下に。上は真っ白な体操服。

けだるい体を動かすことなんてしたくなくて私はそこに寝転がる。

目覚めたら急にわけわかんない場所にいた。レイプされた。風景も人間もやたら古かった。


理解不能。


数学嫌いとか言ったからおじさん先生に呪われたかも。そう思うのが私の精一杯の強がり。こういうとこで寝てたらどうなるかな。起きたら家のベッドがいいな。トーストとウインナーを食べて、学校行ったら数学真面目に受けてみよ。おじさん先生喜んでくれるかな。


「……馬鹿野郎。」


夢だったらこんなに悩んでないよ私の馬鹿。

「……死ね。みんな死ね。死ねよ馬鹿…。」

満点の星空がスッゴく腹立たしかった。


助けろよ神様。



0206

戻る


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -