直線歩行 | ナノ

昔、なんか色々自棄になって髪を金色にした。ほんと、白髪に近いような。静雄なんか可愛いぐらいな。で、とりあえず膝丈だったスカートを膝上にして、ネクタイをリボンに変えて。見れる化粧して、ヤンキーやってた。勉強とか、友達関係とか、恋人とか。まあ、色々あったけど、なんかもういいやーってなって、真面目をやめた。学校はそりゃ大変なことになった。会う人みんなから「おまえ、だれだ」と呆然とされながら言われた。母親は泣いた。父親には説教された。だが、そんなナリをしてはいたが授業だけはきっちり受けていた。








目が覚めると汗をかいていた。あぁ、変な夢を見たせいだ…。夢の内容なんてさして覚えていないのにそう思った。


あぁ、今日は何をしようかな。


皆瀬藤緒。それが私の名前だ。自分でいうのもなんだが結構奔放な性格、生活をしていると思う。事実、他人からはマイペースだと言われ、身内からはだらし無いと言われる。確かに私は確かな職業を持っていない。高卒を雇うなんて今時パートとかばっかり。運がよくてパートから正社員、みたいな。そんな不安定な世界で働く気はさらさらない。


じゃあそんな私が何故暮らしていけるか。自宅は池袋のとある三階建てのピンク色のアパート。結構可愛いわりに値段は安め。だが、私じゃ払えない。払っているのは折原臨也。私の友人で、情報屋をやっている。かわりに私は週に一度、彼の家に行き、家政婦のまね事をする(勿論お金は貰う)。他は自宅で内職。その内職でも2、3万は稼げるからそれで生活している。足りないぶんはやっぱり臨也。私だって常識人だし最初はすごく渋ったけどなんかそのままダラダラ生活してくうちにもういいかなあなんて思い始め、今に至る。由美子という中学時代からの友人には「あんたいつか裏切られたらどうすんのよ」と言われた。確かに、臨也の名前は悪名高い。情報屋なんて間違っても表の仕事じゃない。そんなものは承知だ。「そんときは由美子ちゃんのとこに上がり込むからよろしくねー」と言ったらまじで嫌そうな顔をされた。



ブンブンと首を振る。まだ眠い頭のまま、適当に服を取ったらマキシ丈の赤いワンピースだった。


「んー…まあ、いっか。」


簡単に手ぐしで髪を調えるとシュシュで横に縛る。カーディガンを羽織り、財布と携帯を鞄につめて家を出た。


今日も私の日常が始まる。



0822


戻る

*前 | 次#

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -