上手く言葉に出来なくて良かった そういえば、今わりかしとアレンくんがまずい状況らしい。 ことの発端は方舟を彼が操ったことにある。 アクマの製造プラント、ダークマターの固まり、卵。 どうやらそれは伯爵に全て渡すことなく終わり、科学班の研究材料となるようだ。 で、普通方舟なんかは簡単に扱えるものじゃない、みたいな。14番目とかよく知らない名前もあったり……。おかげでハワードくんは彼の監視のようだし…。 あと、リナリーもなんかルベリエ登場にうんちゃらして、イノセンスのシンクロ率がやばいとか。彼女は今自分同様イノセンスを持っていないようだ。まぁ、真面目な彼女だから落ち込んだりするのかなぁ。 そんな話を数十分前に聞いたばかりな僕。今は自室でだらっとしている。イノセンスもないから痣も消えたし任務はしばらくないし……。ラッキーだ。 「買い物でも行こうかなぁ。でもけが治してからにしろとか言われるんだろうなぁ。」 食堂でも行こうか、神田でもからかってやろうか。考えて寝返りをうった途端のことだった。 『敵襲!』 「っ!?」 『エクソシスト及び本部全団員へ!第五研究室にアクマ出現!現在エクソシスト二名が応戦中。元帥及び以下のエクソシストは至急方舟三番ゲートのある間へ!』 ノイズ・マリ ミランダ・ロットー 『至急三番ゲートの間へ!なお、ユーレン・シュベリアに関してはイノセンスを取りに行き次第すぐに向かうように!』 ユーレンは聞いた瞬間に武器を掴んで走り出した。 「嘘だろ、アクマどもめ…!ここには母さんもいるのに!」 フリフリとした可愛い服でもなく、いつものユーレンなら気にするような格好だが流石に今手を回す余裕はなかった。 エレベーターに乗り込むといつものように緩やかに進む。もどかしい速度だ。 「ヘブラスカー!僕のイノセンスを!」 ヘブラスカは用意していたかのようにそれを差し出した。 急いで到着したエレベーターから降りるといつものように輝くそれを手に包みこみイノセンスの形状を変える。 すぐに弾を入れると騒ぎのするその場所へと向かうべく背を向ける。 「ユーレン」 名前を呼ばれる。 「ヘブラスカ、言いたいことはわかる。無茶はするな、でしょ?でも、今は無茶しなきゃね。」 ユーレンはそれ以上言うことなく走り出した。三番ゲートにはみんなが揃っていた。 「イノセンスは大丈夫なのか?」 クラウドがそう言うのに肩をすくめることで答えてみせた。 「お待たせしましたね。方舟も今準備できたとこみたいだし?ま、よかったかなぁ。」 ユーレンはにやりと笑った。 「作戦は?」 「まず、私がプラントの時間を巻き戻します。」 ミランダが手を挙げながら言った。いい能力だもんなあ。 「じゃ、まああとは適当にすると。オーケー。」 0521 次からわちゃわちゃ。面倒だから切った。 prev next ▽ |