惚れてます。


昼休み、いつものように浜野と速水と昼飯を食っていると、
パタパタパタッ と、廊下を走る音…

「倉間くん、これは…来ましたよ」

浜野のやつはニヤニヤして

「ちゅーか俺ら邪魔じゃね?」

なんてからかってくる…

俺が二人に対して「るせぇ…」と言ったと同時に教室にやつが入ってきた。

「倉間―っ!」

こっちはこっちで声が大きく、うるさい…

「なんだよ…」

「倉間っ!!」

俺が振り向くとすぐさま抱きついてきたこいつ、
美緒は、あぁ……まぁ、その…俺の彼女というやつで。

「またっ!お前は人前でっ!!」

「んふふー倉間ー」


人目など気にせず、教室で堂々と…

こっちの身にもなれって!!


教室で飯を食ってるやつは俺たち以外にも何人かいるのだ。
それなのに…


「あぁーもう!倉間かわいい!かっこいい!好き!!」



恥ずかしいっての!!



「いい加減はなれろよっ!!」

「あはは、わかったわかった」

ようやくはなれたはいいが、美緒はまだ俺の横に座り、こっちを見てニコニコしている。


かわいい……じゃなくて!!恥ずかしいんだよ!!

照れ隠しのせいで俺はずっと仏頂面…
それを見てニコニコと…本当に物好きなやつ。

「美緒さんは本当に倉間くんのことが好きなんですねー」

「もちろん!!」

「じゃあじゃあ!俺と倉間だったらどっちのがかっこいい!?」

「倉間!!!」

「えー!即答かよ!!」

「浜野くんったら…当たり前じゃないですか!!」

「そうそう!だって私、倉間が一番だもん!!」

「ちぇー」

美緒と速水はアハハ…なんて笑ってる。


当たり前だ!ざまぁみろ!!


「なんだか…微笑ましいですよ…」

「えへへ」

あーもう、美緒のやつ…照れ笑いもかわいい…。

「倉間っ」

「なんだよ?」

「好きー」

ニパっと笑う笑顔が眩しい。

「知ってるよ」

「んふふ…」



ダメだな、完全に惚れてる。



美緒は俺に恥ずかしいくらい沢山、好きって言葉をくれるけど、
俺も美緒に負けないくらい…

いや、美緒よりもっともっと…




大好き。




この気持ちは絶対に


「負けてねぇから」

「えー?何が?」

「なんでもない…」














「おーい!二人とも帰ってこーい!!」

「駄目ですよ…完全に二人の世界に入ってますね…コレ」



[ 1/3 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



←InazumaGO

←top


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -