初めまして…?



「うちのクラスに編入生が入る事になった、圭助!入っておいで」

「はっはい!」


土井先生に呼ばれ、入ってきた子を見た時、とても驚いた。

その子は谷浦圭助と名乗ると喜三太の隣の席に座った。



いや、まさか…


もしかしたら夢かもしれない。



授業が終わり、みんなが圭助のところへ集まると質問の嵐。

困った様なホッとしたような曖昧な笑みを浮かべる圭助を見て、自分の頬を抓ってみる。


「いひゃい…」


どうやら全ては現実だったらしい…。










「金吾ー…放課後だよぉー!金吾ー!!」

「えっ?ゴメン喜三太、聞いてなかった…」

「だからぁ!放課後だよって言ってるの!」

「嘘っ!?気付かなかった…」

「今日はずっと上の空だったじゃない…なんか変だよ?」

「い、いや…大丈夫だよ」


喜三太は少し不機嫌そうに僕の事を睨みつけている、
自分は相当の間、喜三太の呼びかけに気付かなかったらしい…


「ご、ゴメン喜三太」

「もー、いいけどさぁ…金吾も付き合ってね」

「えっと…何に?」

「だから!圭助と学園を見てまわるの!」

「ごめん、ごめんって」


すると圭助が喜三太の後ろからひょっこりと出てきた


「よろしく、えっと…金吾…でいいかな?」

「ん?ああ、好きに呼んで!よろしく圭助」


僕がそういうと圭助はニコッと笑った。


「こちらこそ!」


やっぱり似てる…あの時の子に。


「じゃあ行こー」


すたすたと歩きだす喜三太の肩を掴んで引き止める…


「喜三太っどこからまわるんだよ?」

「あっ!そっかぁ…どこがいいかなぁ」


僕らがうんうん唸っていると圭助が怖ず怖ずと手を挙げた。


「あの…行きたいところがあるんだけど…」





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