考えてることは一緒
カリカリ
部屋にはかれこれ3時間ぐらいこの音が響いている。
「…清志」
「何だ?」
「ここ、わかんない」
柚葉の指さす問題は応用問題で。ここまで解けるようになっんだな、と感心する。
「ここはこの公式を応用するんだよ」
そう教えてやれば少しの間問題を睨みつけるようにしてから、「あ、わかった」と言って再びシャーペンを動かし始める。
ペンを動かし続ける柚葉に前から疑問に思っていたことを聞いてみるか、と口を開く。
「なぁ、なんでお前あの大学なんだよ。お前じゃ厳しいだろ」
「うっ…!だって…」
「なんか理由あんのか?」
「…うん」
「なんだよ?」
「…清志とおんなじ大学がいーもん」
「はぁ…俺が行くからか」
「うん。一緒にいたいもん」
「じゃぁ、頑張らなきゃな」
「うん」
「…あー、それとな」
「なに?」
「一緒にいたいって思ってんの、お前だけじゃねーから」
「っ!清志も…一緒にいたいって思ってくれてるの?」
「あったりめーだろ。ほら、続きやるぞ」
「…がんばる」
そういって参考書に思考を戻す柚葉。
俺と一緒の大学がいい、ねぇ。ったく、
考えてることは一緒(つーかコイツ可愛すぎるだろ)
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