おしるこはホットで
ピッ ガシャンッ
「っ!?」
「ん?どったの、真ちゃん」
部活からの帰り道。いつもと変わらずチャリアカーを漕いでたら、真ちゃんが「おしるこが飲みたいのだよ」っていうから近くにあった自販機に向かった。今日は真夏日でめちゃくちゃ暑い。一刻も早く帰りたいのに付き合ってあげるオレ優しー、とか思ってたら。おしるこを手に取った真ちゃんの肩が跳ねた。
「な、なんでもないのだよ」
「そんなことないっしょ」
真ちゃんの手を覗きこんでみた。
「ホット…?え?この猛暑の中あっついおしるこ飲むの!?」
「ま、間違えただけなのだよ」
「そー。で?それ飲むの?」
「当たり前なのだよ」
真顔でそう行ってプルトップに手をかける。
「しっ、真ちゃん…!眼鏡!メガネ曇ってるぜ!」
「うるさいのだよ!」
真っ白に曇ってる真ちゃんの眼鏡。まっ、真ちゃんの顔は真っ赤だけど(笑)
「さっさと帰るぞ、高尾」
「はいはい」
オレを置いてチャリアカーに乗り込む真ちゃんの後に続いてオレはサドルに座る。
「よっ、と」
漕ぎ始めれば生ぬるい風が当たる。さっきよりはちょっと涼しい。
「真ちゃん汗凄いけどダイジョーブ?やっぱホットだからー?」
「…気温が高いからなのだよ」
「おしるこが熱いんでしょ?」
「…違うのだよ」
「何の意地だよ(笑)」
「しつこいのだよ」
「真ちゃん」
「今度は何なのだよ」
「好きだぜー」
「なっ///何なのだよいきなり!!」
「真ちゃん顔赤ー」
こんな二人での何気ない会話が好きだったりする帰り道。
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